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夢を叶えるもの +  作者: 山本 2k
第一部「高校入学と克服」
6/28

「克服と文化祭」

僕――坂口さかぐち 蒼空そらには夢がある。

小説家。だけどその夢はもう諦めた。

だって、もうなれないと分かったから。

自分には無理だと身をもって知ったから。

だから……もう……


「でもさ、」


違う、僕は忘れてた。なんで小説家を目指したか。

目指そうと思えたか。


「花音ちゃんと約束したんでしょ?」


花音かのんの言葉が、笑顔が、何かの役に立てたような気がしたから。

背中を押された。

その時に、僕は決めた。


「絶対に世界一の小説家になるって」


世界一の小説家になるって。

絶対に花音をがっかりさせない小説を作るって。



「お前ホントに何があったんだ?」

湊大みなとのその心底不思議そうな顔を見て僕は「ふっ」と、鼻笑いで返した。

「いや、ふっ、じゃねぇよ。急にポジティブになるよな。お前の小説」

湊大が言うには、僕の小説がポジティブ、つまり明るくなったらしい。

まぁ、面白くなったようで何より。

帰ったらいち早く妹に見せないとな。

しかし、この前見せられた小説は美穂みほには珍しくファンタジー小説だったな。僕もファンタジー小説を書いてみようかな。

もっと、明るくて、ポジティブな。

ふと、そこで陽翔はるとの顔が浮かんだ。

陽翔の小説は明るくて、ポジティブ、かつ優しい小説だった。

僕はあれを目指すか。

そして、琴羽ことはのような表現の豊かさも学ばないと。

こう思うとやることはいっぱいだ。

休んでられないな。

……でも、こう思うと、参考に出来る人が沢山いる。

案外恵まれてるのかな。

それに、僕を支えてくれる人も……


『蒼空の書く小説、表現が可愛くて好きだよ!』


その言葉が、頭の中を離れることはなかった。


「また、陽翔と花音にも会いたいな」

と、帰り際に独り言をこぼした。



「あのさ、疑問なんだけど、なんで僕と花音の約束なんで知ってるの?僕話した覚えないけど」

ふと、頭の中で疑問に思ったことを美穂に聞くと、

「さーちゃんが教えてくれたー」

だそうだ。

いや「さーちゃん」って誰だよ。

僕に記憶によると、友達に「さーちゃん」なんて子はいなかったぞ。

「さーちゃんって誰?」

と聞いても、

「言わなぁい」

と返された。

謎が生まれた……。



「蒼空ー」

ある日の休み時間。

湊大に呼ばれた。

「文化祭での話なんだけど……」

と、そこから僕に頼む内容が続いた。

まとめると、僕に文化祭で発表するアニメの脚本を作れとのことだ。

「なんで僕?他にも人は……」

「いや、俺がそれのリーダーみたいな立場になって、俺が頼れるのって、ほら、お前と琴羽ぐらいしかいないだろ?」

湊大は僕を経由して、琴羽と仲良くなったらしい。

なら、琴羽で、なんなら琴羽の方がいいはずなのだが、



「ゲホッゲホッ……」

「大丈夫?お姉ちゃん」

「大丈夫、って言いたいところだけど、あんまり良くないかな。ほら、結月ゆづきに移っちゃうかもだから、部屋に戻って」

「はぁい」



「あいつ、病気で休みらしくてな」

風邪と症状は似てるけど、長いこと治らないらしい。

だから僕に頼んだらしい。

「頼むっ!お前しかいないんだっ!」


脚本なんて僕には書ける気がしない。

言ったら小説みたいなものかもしれないが、そんな簡単なものでもない。

そもそも、小説も上手くかけてないんだ。

できる気がしない。

僕にはそんなことできると思えない……


それでもっ……!


『でもさ、花音ちゃんと約束したんでしょ?絶対に世界一の小説家になるって』


『じゃぁ、世界一の小説家になってよね。絶対だよ!』


2人は支えてくれたんだから。

それ以外にも僕を支えてくれて、信じてくれた人がいるから。

少しでも、みんなが笑顔になれるように、僕は小説を、脚本を書く。


小説家ってになるって、そういうことだよね、



お母さん。

ということで、第一部「高校入学と克服」完結ですっ!

主人公の蒼空が、ネガティブに陥ることをある程度克服しましたねぇ〜。

でも、ここから物語は始まるようなものですよ!

次は第二部「学園祭」!!

ネガティブを克服して蒼空はどう活躍するのか!

乞うご期待っ!!!

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