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夢を叶えるもの +  作者: 山本 2k
第四部「恋の春」
27/30

「湊大・青春」

走希そうきの恋愛相談を毎日受けていると、新たな相談者が現れた。

そう、湊大みなとである。

「昔から好きな人なんだが、あんまり話したこともないし……」

だそうだ。

なんで恋愛相談を僕に相談するのかという疑問はひとまず置いておいて、湊大に好きな人がいるというのは正直驚き。

そして誰なのかも気になる。

だから聞いてみたんだけど、

「……言わないでおく」

と、答えてくれなかった。

誰かは言いたくないんだろう。

まぁ、そんなこともあるだろうな、とそこまで深く考えなかった。


彼の、湊大の気持ちも知らず。



湊大の恋愛相談は走希の恋愛相談と同じようなもので、「どうすれば良いか」と聞いてくる。

だから、僕は自分なりの答えを返す。

「告白せずに後悔するより、告白して後悔する方が良い」って。

振られた時の後悔を心配して、勇気を出せずにいる湊大の心にこの言葉は、良い意味で刺さったらしい。

「まぁ、その前に、まずはある程度話せるようにならないといけないけどね」

と僕は言う。

「そうだな……蒼空そらに協力してもらえれば、早いけど、それは……」

そうだな、に続く言葉の声が小さかったから、よく聞こえず、「ん?」と返した。

「いや、なんでもない」



そんな青春を感じる日々を送っているが、最近は忙しくなってきた。

「これから、部活会議を始めます」

部活会議とは、各部活の部長と副部長が集まって、状況報告と、これからの方針などの会議である。

なので、僕はこの会議に参加し、報告をしなければならない。

そして、僕の隣には、琴羽ことはがいる。

そう。文芸部の副部長である。

僕が部長になった後、琴羽自身が立候補した。

もう一人の立候補者であった、太一たいちも承認した為、こうなった。

琴羽はしっかり働いてくれるし、元から仲は良かったから、やりやすい。

ただ、最近、琴羽が距離を詰めてくるような気がする。

気のせいだろうけど。

部長と副部長だがら、とそう考えて、特にこれもまた深く考えず。



「琴羽」

僕の質問に対する湊大の答え。

その質問の内容は、

「湊大の好きな人は?」

というもの。

僕は声が出なかった。

湊大はそんな僕にこう言った。

「協力してほしい」

と。

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