表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢を叶えるもの +  作者: 山本 2k
第一部「高校入学と克服」
2/28

「妹」

以前、言っていた通り、坂口さかぐち 蒼空そらには妹がいる。

その名も坂口さかぐち 美穂みほ

彼女は控えめに言っても、変人である。


あのバカ兄に目にもの見せてやる。

と、私――坂口さかぐち 美穂みほは決意した。

というのも、私があの兄に

「金賞を取る!」

って言ったら、

「は?金賞?いや無理でしょ」

って言われた。

なんていうことがあって、私の小説家魂に火が付いた。

まぁ、兄は兄なりに受験生の私を心配してくれてんだろうけど。

こんなことを言ってるから、私はブラコンだなんて勘違いされるのか。

え?十分ブラコンです?いやいや、ありえないありえない。

絶対ない。

断じてない。

そんなことは置いといて、私は金賞を取るための策を作った。

別に考えなしではないのだ。しっかり作ってある。

このコンクールは小説の面白さだけじゃなくて、分かりやすくまとめた展開になっているかを重視している。

そこを突いていこうということ。

当たり前っちゃ当たり前なんだけどね。

自信を付けるのも重要。

という訳で、頑張ろう!


ということを授業中に考えていた美穂であった。



「ねぇねぇなに書いてんの?」

と昼休み時間に聞いてきたのは私の友達――渡辺わたなべ 結月ゆづき

彼女はあまり小説には興味がないらしいが、姉が小説家を目指しているらしく、ちょっとした話ならする。

「小説の構成」

「ふーん。どんな小説なの?」

「ラブコメ小説かな」

「へぇー。どんな感じ?ちょっと話してよ」

食いついてきた。

どうやら結月はラブコメが好きらしい。

丁度ひと段落したし、振り返りもかねて話すか。

「……いい物語」

なんか結月が物語に吸い込まれてる。

まだ構成だけなんだけど。

っていうか、ホントに結月は恋愛が好きだね。

主に他人の恋愛を傍から眺めるという点で。

「けど、恋愛のライバルがいてもいいかも」

あ、確かに。

完全に忘れていた。

結月はこうやって、私の物語にアドバイスをしてくれる。

もしかしたら難癖をつけられているのかもしれないけど。

……考えすぎか。

ともかく、こんな風に、出来上がった小説を読んでもらうだけじゃなくて、物語の簡単な構成を見てもらうのもいいかもしれない。

小説を書き始めてから約6年目にしての発見である。

目指すは金賞!打倒、兄!

なんか壮大だけど、とりあえず、

「頑張るぞー!」

と、美穂は拳を上げた。

教室にいた全員の視線が美穂に刺さる。


冒頭で言った通りだが、もう一度言っておこう。

美穂は変人である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ