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「夢」
高校1年が終わろうとし、春休みが近づいてきた頃。
「ねぇ、次の文化祭用に、一緒に合作で小説作らない?」
琴羽にそう言われた。
実は、前の文化祭の時には文芸部の小説があまり売れなかったのだ。
だから、合作を作って、できるだけ売れるようにしようという訳らしいが。
合作は当たり前だが、難しい。
2人が一緒になってやるのだから。
2人でやるのに、一番いいのは……
「2部作で作るのはどう?」
と、僕ーー坂口 蒼空は言った。
結局、2部作の路線でいき、それぞれ2人の世界観で書いていって、最後はその2部が融合したものにした。
そして、僕らは高校2年生になった。
妹の美穂も、無事第一志望校の、水川高等学校、つまり僕と同じ高校に入学した。
3年間続いた、伝説の文化祭。
そのうち、2年目の文化祭にはある文芸部の小説が人気となった。
その小説は、坂口 蒼空と渡辺 琴羽の合作であった。
タイトルは、
「夢」




