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夢を叶えるもの +  作者: 山本 2k
第三部「冬の小説コンクール」
12/30

「1年・冬の小説コンクール」

学園祭:6月

そんな話が過去の話となった今。

僕ーー坂口さかぐち 蒼空そらはある大きな目標へと進む。



現在:12月



「ねぇ、姉ちゃん。何が足りないと思う?」

僕は、姉ちゃんーー澤田さわだ 明莉あかりに相談した。

「何が足りないかねぇ〜。ん〜。1回、別のジャンルを書いてみたらどうだ?ほら、ファンタジーとか」

「いや、でも今まで書いたことがないから、それは危ない気がするんだよ……」

「危ないねぇ〜。1年に一度のコンクールだっけ?確かに、『冬の小説コンクール』とか言う」

そう。

僕は文芸部の最終地点。

冬の小説コンクールでの特賞を狙ってる。

冬の小説コンクールは、それぞれ、

特賞1名

金賞各市1名

銀賞各校1名

となっていて、絶対に全てあるという訳ではない。

つまり、いい作品がなければ、特賞が誰にも授与されない。

そんなこともあるそうだ。

「それに、姉ちゃんだって言ってただろ?『変に新しいのとか作るより、自分ができるものを作った方が良い』って」

と、僕が言ったら、姉ちゃんに「ふっ」と鼻笑いで返された。

「確かに蒼空にとってラブコメが一番得意なのは事実だけどな。でも得意なものをやれば良いって訳じゃない。別のジャンルの小説を書いてみれば、新しい気付きがあるかもしれないだろ?」

やっぱり、姉ちゃんの言うことは心にいい意味で刺さる。

なるほどって納得できる。

とりあえず、ファンタジーの路線で行くのもありだな。

「しっかし、やっぱり兄妹だな。美穂のやつも同じこと聞いて、同じこと言ってたしな」

「ん?」

「いや、なんでもない」

姉ちゃんは物凄く楽しそうな鼻笑いをしていた。

そっとしておくか……。


「とりあえず、最後まで諦めだけはするなよ」

姉ちゃんは、そう最後に言った。



「蒼空がファンタジー小説書くの……?」

琴羽ことはに物凄く不思議そうというか不安そうに見つめられた。

別にファンタジー小説苦手って訳じゃないのにな……。

「まぁ、私でよければ教えるぐらいはするよ」

やっぱりいい人……!

なんか、花音かのんを思い出してしまうな……。

僕の夢をおしてくれた人。



まぁ、なんやかんやあって、結局完成した。

時間が余ったので、気になるところに修正を入れつつ、やっぱり陽翔はるとや花音のことを頭に思い浮かべた。



「冬の小説コンクールってこんな感じなんだな……」

「うん。僕も全然知らなくてびっくりした」

湊大が驚いたというより呆れたような感じで周りを見渡す。

そこは、ある会場だった。

つまり、僕らの小説の結果発表はここで行われる訳だ。

この大勢の中で……。

否応なしに緊張してきた……!

いや、っていうかなんでこんなに人数いるんだよ……。

まぁ、なにせ一大イベントだから。

保護者以外にも、町の関係者などが集ってるんだろう。


「今から、冬の小説コンクール、授与式を始めます」


ついに始まる授与式。

鼓動が速くなる。


「銀賞の方々の名前をお呼びします」


「〜〜高等学校、〇〇〇〇」


「△△高等学校、✕✕✕✕」


「水川高等学校、渡辺わたなべ 琴羽ことは


「次は金賞の方々の名前をお呼びします」

結局、銀賞に僕は呼ばれなかった。

琴羽は銀賞だったが。

僕はまず、選ばれなかったのかもしれない。

金賞なんてことすらなかったのだから。

自信がない。

多分、選ばれないだろうなって思ってる。

期待しなければ、そこまで悲しくならないだろうし、期待なんてしない。と思ってる自分がいる。

そうかもしれないな。

それが合ってるのかも。

僕は……



『じゃぁ、世界一の小説家になってよね。絶対だよ!』



『でもさ、花音ちゃんと約束したんでしょ?絶対に世界一の小説家になるって』



『ど根性をかませ!!』



『蒼空ああああああ!!!』



『とりあえず、最後まで諦めだけはするなよ』





『蒼空の書く小説、表現が可愛くて好きだよ!』



ふっ……。

みんなバカだね。

こんなバカな僕を支えるんだから。

だから、僕はできる限り期待に応える。



「金賞、」


最高の小説を見たい。


「水川高等学校、」


そうだろ?


坂口さかぐち 蒼空そら


みんな!

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