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海へと

 シャルマンブランドのラグジュアリーホテルを満喫し、翌日、今度は街道を大きく迂回して海辺のグリス子爵領へと向かう。


 そのため夜はまったりと過ごす気でいたら、エルサとフィーユが「日課だから」と夕食後の時間を勉強に充ててた。



「習慣で勉強をする……だとぅ…っ?!」

 あんなもの、強制されてようやっと嫌々やるものじゃないの…?


「あれ?アンバーもサリーも宿題は最終日に慌ててやるタイプ?せっかく皆んなといるんだから、出来るとこまでやっちゃおうよ」

 と、エルサがアンバーを沼に引き摺り込んでしまい、逃れようと伸ばしたアンバーの手がわたしにすがりついてきて地獄の道連れにされてしまった。おおぅ…、とんだスランバーパーティーだぜぇ……。




 そのアンバーのグリス子爵領は小さな港町で、白い壁と青い屋根の小洒落た家々が階段を挟んで立ち並び、市場に水揚げしたばかりの海産物が並ぶ。

 一部乾物干物にして流通に回されるけど、グリス子爵領の資金源は主に貝殻から加工したボタンだった。真珠層のある高価なものではなく、肉厚で白い貝殻のものを中流階級の市民向けに卸しているらしい。

 その絡みでちょっとした加工品が特産品の中にあり、「このカフスとか良いなぁ」と家への土産を物色したりした。



 驚いたのは、その貝を獲る仕事は女性が主体でやってるらしい事だった。アンバーも、物心ついた頃には海に潜っていたという。


「皆んなも海に入ってみない?」

 なんて言って、賎民の踊り子じみた信じられないくらいに肌が露出した衣装を持ってきた。



 おあつらえ向きに全員の分があって、可愛い色の布にフリルやリボンなんかが付いてるもののまるで肌着で、とてもじゃないけど淑女が着れたものじゃない。ましてやこれだけを身につけて海に入るなんて……。


 身震いしてたら、エルサが悲鳴上げて逃げ回って、逆に好奇心旺盛なフィーユはこれを着て海に入って何するの?と興味津々でアンバーに質問しまくってた。元が平民だから抵抗少ないのかな?と思ってたら、『海水浴』という新しい提案に可能性を感じたらしい。



 う~ん、同じ金の匂い大好きな人間だけど、さすがにこれは商売にならなくね?


 海に潜るなんて考えただけでも過酷すぎる。食べていくためのお仕事でもなきゃやれないよ。




 その後は浜辺にシート敷いて、ドリンクを傾けながら水平線に沈む夕陽を眺め、ゆったりとした時間を過ごした。

 この素敵空間はちょっとだけ特別な感じがする。うっとりしながら微睡むのが気持ちいい。


 あぁ、こういう気候がアンバーを育てたんだね。とても良いと思う。



 夜は、お勉強会に駆り出された……。








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