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夏休み

 そうこうしてるうちに、前期が終わって夏の長期休暇に突入した。

 後期は色々催し物があるし、この期間中に作戦を練ることにしよう。



 刺繍の課題をやりながらそんなことを思ってたら、フィーユが休みの間に実家に遊びに来て欲しいと誘ってきた。今の時期はお祭りとかは無いけど、お友達に地元を紹介したい、という。断る理由はないので、快諾。


 したら、アンバーとエルサからも「ズルい!だったらウチにも遊びに来て欲しい!」とおねだりされた。それならみんなで持ち回りお泊まり会をしようという事になった。



 きゃいきゃいとはしゃぐわたしたちを、「同じ班仲間じゃないか」とばかりにユージーンたちが縋るような目でチラチラ見てきてたけど、いまだにこの三人の顔をちゃんとまともに見てしゃべれずドギマギしたまんまの軟弱者たちを、女子会小旅行に連れてなど行けるものか。男同士で傷を舐め合ってなさい。



 新しいお知り合いのコーニーは、残念ながら予定があるため親睦会不参加。彼女と仲良くなるのはまた次の機会になりそう。


 って事で、今回はお互いのお家を余裕のある日程で泊まり継いで、王都から一番遠くのラフネス領まで10日ほどの予定にする。それぞれご実家にお手紙で連絡し、馬車の手配や使用人の配備など帰省準備を整えた。



 まず最初に目指すのは、王都に一番近い山間にあるフィーユのシャルマン男爵家だ。


 それぞれが数人ずつの迎えの従者を引き連れてたけど、四人分だと十分な団体になった。せっかくだから、わたしたちは一台の馬車に相席することにした。奮発して大きめの馬車を手配して良かったよ。


 馬車では女の子たちの会話に花が咲いた。最初からそんな飛ばしてたら疲れちゃうよ?とちょっと心配になるくらいはしゃいでる。

 やっぱり話題は王太子。アンバーやエルサには意外すぎたあの笑顔と、それで急激に高まった学内での人気に、フィーユが嬉しそうに殿下の良さを語ってた。



 ライバル増えてもいいんかい?と聞いたら、レグノ王太子殿下の良さを皆んなが知ってくれるのは普通に嬉しいんだってさ。そういうもんかね。

(正直、今の王太子の性格変えてくれるならフィーユじゃなくてもいいんだけど…)

 まぁ一番可能性高いのが彼女だろうから、わたしは彼女に協力するだけだけど。



 そこからちょっとした恋バナになって、クラブの先輩の誰それがカッコよくて優しいとか、内部生の誰だかが可愛いとか、どの先生の授業が好きかだとか、とりとめなく喋ってた。

 いいよね、こういう他愛のない会話。子供の頃からずっと追い求めていた平穏。


 ポカポカの陽気も相まって、わたしの心は清々しく晴れてくみたいだった。






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