結果発表ぉーーッ!
━━━━そうして迎えた前期校内学力試験。
端的に言うと、ウチのクラスは内外6クラス中、断トツの成績を記録した。
王太子が所属する内部生の優秀クラスの方をも平均点で抑え、総合一位だ。
廊下に貼り出された個人成績上位一覧では、一応の上位を王太子一派が占めていた。が、その下を、一部を除きほぼウチが独占した形になる。
「職員室でカンニングを疑われているぞ」
と、朝のホームルームで担任が笑ってた。
ウチのクラスのほとんど全員が、同じくらいの高得点で固まっているのだ。いかにも怪しい。
特に、上級学年の内部生クラス担任の教師が、これは厳正に調査すべきだ、と訴えてるそうだ。
(まぁ、それに近いし……)
心当たりあるわたしは、ちょっとだけ申し訳なくなって笑ってしまった。結果的に、テスト内容が流出してたようなもんなんだから。
わたしがクラスメイトたちに基礎から教える労を厭って、丸覚えしてたテスト内容をピンポイントで開示してしまったのだ。
そりゃあ夢と現実では違いはあるだろう。だけれども学校のテストの問題なんて、変更幅がそうそうあるもんじゃない。
だからわたしが問題から答えまで全部バラしちゃった今回のテストは、八割方がクラスメイトたちにとって、つい最近「重点的にやった問題」だった。
答えられて当然だ。
今回のみ、一回だけのドーピングだ。
いわば『ズル』だ。
結果、全科目クラス平均85点以上なんていう、訳の分からない数字になった。しかも突出している者も居ない、圧倒的中央値が85前後なのだ。疑うなという方が無理がある。
でもまぁ、当たっているからといってどうという事もない。
「むしろ指摘が正しかったとして、これだけの数のカンニングを見抜けなかったのなら先生方の方が能力不足なのでは?」
全科目別々の試験官が管理に来てたわけだし、その全員が怠慢だと言われかねないゾ?
「まぁカンニングしてその成績は無いわな。お前一人だけ学内平均を下回ってるぞ」
と、担任が落とした何気ない爆弾発言に、そんな馬鹿な!とクラスメイトたちが声を上げてざわめき立った。
いやだわ先生、無断で乙女の秘密を公表しちゃうなんて(笑)
「そんなはずは無いです!サリーはわたしたち皆んなの勉強を教えてくれた人ですよ?!なんで成績悪くなるんですか!?おかしいでしょ!」
とアンバーが、信じられないとばかりに皆んなの声を代弁した。けど、わたしの点数はこれで合ってるのだ。そうなるよう調整したんだから、間違いない。
「殿方には、ちょっとおバカな子の方がおモテになりましてよ?」
オホホッと笑った。
まぁ実際はそうでもないだろうが、わたしの場合、変に気が強くて賢しらだなんて思われて男子たちに劣等感持たれちゃったら、ウチへの婿養子の成り手が居なくなるもんね。わたしを馬鹿だと思ってる馬鹿な男を連れ帰って転がすのが、ラフネス領的には理想なんだよ。
単に国の事務官僚になる道になんて進みたくない、ってのもあるけど。
「モテるモテないは知らんが、奨学金を希望しているならこの成績では厳しいぞ。もっと頑張れ」
と担任の先生からのご指導をいただいて、ホームルームは終了した。
はーい、心得ておきまーす。
最初の授業までの空き時間、アンバーとエルサが不思議そうに、納得いかなそうに、それよりも心配そうに話しかけてきた。
「サリー、奨学金必要なの?学費払えなくて学園に通えなくなるとか……?」
あ、そっちか。
「ううん?三年分の学費は目処がついてるよ?」
(というか、色々と言えないお金で、実はラフネスはわりあい裕福な方なんだよね~。言わんけど)
「単にお金に困ってると思ってもらえてたら、どっかのお金持ちの家の男の子が、伯爵位と取り引き狙ってきてくれるかな~と思って」
(チラッ)っと視線を横に流す。
「こっちを見るな、こっちを」
王都に本社を構えるドシップ商会御曹司のフレンくんが、即座に苦笑した。
もー、つれないなー(笑)




