表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/109

自己紹介あれこれ

 それから王国唱歌を皆で斉唱し、各クラスへ移動。

 掲示されている席につき、近くの席の子を男女かまわず全部に話しかけて、ここでも不審がられる。なんだなんだ、みんな初日で緊張しまくりだなぁ。


 戸惑ってる隣りの席の女の子に話しかけてると、クラスの担当教諭が入ってきた。億劫そうに、「自己紹介から始めるゾ」という。

 適当に一人の子を指名し、そこから右回りで、とクルクル指を回して放り投げた。

 いきなりで焦る子と、その子のしどろもどろの自己紹介の後に右回りで指名されて、先生の指示してた順番と噛み合わずに次が誰かからが分からず戸惑う子。



「あ、それ王都ローカル右回りだよ」


 声あげると、みんながギョッと一斉にわたしに注目した。

(あぁこの外部生クラスは地方民がほとんどだからね)

「ハイ、王都出身の子、手を挙げて!」

 幼児を引率する先生のように立ち上がり、お手本に手を挙げて元気よく投げかける。

 数人だけが挙げそうになって、周りを見てそろりと下ろした。

「じゃあ…、地方出身手を挙げてっ!」



 シーン…



「おいおーい、元気無いなぁ。ちなみにわたしは思いっきり僻地から来た田舎伯爵家の娘よ。だから右回りっていったら、円を右から左に書くタイプなの。みんなの家はどう?同じ?

 でもここ王都では、市民も商家も当然貴族もよく机を囲んで会議するから、自分の右手側に書類なんかをパスするのが慣習になってるの。それが王都ローカル右回り。みんなも田舎貴族だと舐められないよう覚えておくんだぞ☆」

 バチッとウインクしてクラス中に愛嬌振り撒いた。レスポンスが余り良くない。なんだなんだ、まだみんな緊張しているのかい?


「田舎貴族の出だというのによく知ってたな、その通りだ。だが王都をローカル呼ばわりは感心しないから、言い方を直しておくように」

 先生が王都学園の教師として注意する。

「はーい!」


「じゃあ慣れるために、“王都ローカル右回り”で自己紹介続けていこうか」


 クラスがドッと笑った。おうふっ、先生に全部持っていかれちまったよ…。



 順次何人もが、出身や趣味を恥ずかしがりながら披露して名乗っていく。

 王都出身の子は騎士見習いの一代卿候補や商家の貴族見習いらしい。王都出身なのに外部生?と思ってたけど、なるほどね。


 わたしの番が来て、自己紹介。

「サリー・ラフネス。もしかしたらこの家名、知ってる人もいるかもしれませんわね?」

 クラスの半分以上が、ちょっとザワッとなった。でも懸念してたほど、悪い感じはしない。

「田舎の伯爵家だけど外部生クラスのここだと地位は高い方だから、皆さん崇め祭って下さってもよろしくってよ。オホホ。━━━━って事で、三年間学生生活を存分に楽しみたいと思ってます!皆さん仲良くしてくださいね!

 そして社交ダンス卒業パーティーまでには素敵な男性を見つけて伯爵領に錦を飾りたいと思います!男子諸君、覚悟しておくように!!以上!」

 ラフネスの名前を踏まえた渾身の挨拶に、クラスみんなポカーンと絶句してた。

 それぞれの子たちの付き人たちが、わたしを鬼の形相で睨んできてる。視線が痛い。


 先生がくっくっと笑って、外部の新入生は元気でいいな。いつまでもその調子でいてくれよ、と言う。

 ?となったけど、とりあえずは気に留めない。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ