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入学式典

(あれ?なんか雰囲気が……)


 寮内や、その周りの学生街を散歩してたんだけど、なんだか様子がイメージと違う。

 すれ違う皆んな、緊張からかなんなのか、なんだかピリピリした空気が漂っている。たまに見かける上級生たちも厳粛な様子で、とてものこと学生らしい浮かれた感じがしない。

 ???となりつつ、食堂をチェックし、必要品を揃え、入学に備えた。





 入学式当日、付き人のいない生徒はわたしを含めてわずかのようだ。

「『サリー・ラフネス』?」

「はい、そう、です♪」

 受け付けでわたしの名前を確認した係員が、明らかに侮蔑の表情で対応してくるが、まぁ気にしない。


 ラフネス伯爵家のサリー


 これがわたしだ。めちゃくちゃ気に入ってる。



 内部生たちは会場大ホール二階のVIP席にそれぞれ陣取り、外部生が一階地べたに起立して並ぶ。

 とりあえず同じクラスになった前後左右片っ端から声かけて、「ヨロシクね」と満面の笑みを振り撒いた。ほとんど急な自己紹介にギョッとなってて、怪訝な顔をされた。


 司会の話、学園長の訓示、在校生代表の送辞、招待客の挨拶、そして、新入生代表の王国小太陽レグノ・ロワイヨーム王太子殿下による宣誓……。


(わぉっ、なんだか元々の綺麗な容姿に、精悍さも増してね?)


 大昔に見ただけの夢と現実は全く別物だってのは重々承知な上だとしても、あの幼少期の人当たりの良さに特化したような子供がここまで峻厳な自己を磨いてくるなんて、素直に凄い。言葉の端々に漲る力強さや威厳、ホントに同い年?と思うくらい別格な王族の風格が感じられた。


 周りの外部生の女の子たちが、殿下の一種神韻を帯びた風貌に、ちょっとどよめいてる。それも納得なお姿をされていた。

(その分、なんだか“あそび”の部分が無くなってる…?)



 関わる気は毛頭無いけど、普通に、あまりお友達になりたいタイプではないなぁ、と思った。







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