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極上のモフモフ愛をどうぞ  作者: 蘇 陶華
8/9

僕の幸せ

僕は、すぐ動物病院に連れて行かれた。車に乗っていた女性は、茶都華と言って、運転していた若い男性の妻だった。結婚して、長い時間、2人でいるが、なかなか子供を授かる事ができず、犬を先に育てると良いと、茶都華の祖母に言われ、保護犬を探していたらしい。譲渡会にも行ったが、悪徳の保護団体だったらしく、高額のお金を要求されて断ったばかりらしい。震災もあって、なかなかこの地に住んでいる人に、仔犬を分けてくれるのは、困難だったが、偶然にも、コンビニの駐車場で、哭いている僕を見かけたらしい。僕を最初、見た時は、かなり驚いたらしい。被毛は、伸び放題、凝り固まり、表情は、わからず、大きな毛玉の塊だった。真っ直ぐ、連れて行かれたのは、動物病院で、僕の年齢とか、栄養状態等も検査してもらった。

「どこも、悪くないです」

そう言われて、2人は顔を見合わせて喜んでいた。この後、シャンプーをするからと、次回に、ワクチンの良夜雨をして、僕は、いつか、行ってみたかったというペットサロンに連れて行かれた。カットを行い、シャンプーされた僕は、すっかり身軽になり、飼い主さん達と一緒にいた時の、僕の姿になった。

「うわぁ・・・」

「まさかと、思っていたけど」

二人は、声を上げた。

「ボーダーコリーかもって、先生が言っていたけど本当だったんだ」

二人は、複雑な顔をした。

「もしかしたら、放浪していたのなら、雑種の犬かもしれません。」

「大きくなるかもしれない」

そう言われて、二人は、あれこれ心配したらしい。ボーダコリーと聞いて、嬉しさ半分。今住んでいる家で、大丈夫なのか、不安になったらしい。

「運動量が、もの凄いって」

「俺が、散歩に連れていく」

「私も」

2人は、夢見る様に、これからの生活を話し合っていた。僕の家ができる。あの誰も、いなくなった山間の家に、帰る事は無くなるのだろうか。

 月日は、どんどん流れていって、僕は、2人と生活する家が、僕の家だと思える様になっていった。あの日の事は、忘れてもいないし、2人に外へ連れて行かれた時には、勿論、みんなを探しているけど、兄弟達にも、飼い主さん達にも、会える事はなかった。僕は、何度か、あの動物病院に連れて行かれ、ワクチンやら検査をされて、いつの間にか、成犬と呼ばれるまでになった。僕は、すっかり、幸せな暮らしに慣れていったんだ。

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