攻略!不殺の悪魔城!(その参!)
☆どこぞの悪魔
つまらない。
『冒険者を殺したい!』とまでは言わんが、流石に俺が作った道をただ歩かれるだけじゃ酷くつまらないな。
…退屈だ………封印されていたあの時に匹敵するほど暇だ…いや、流石に誇張したな。
それでもつまんねぇーのは変わんねーけどな!
「……あっ!そうだ!」
冒険者にちょっかいかけるとして、マスターには冒険者とは違う《The ダンジョン!》って感じの夢を見てもらおう。
もとからコイツらの記憶は、ダンジョンから出る時に書き換えるつもりだったし。
ちょっかいかけてもマスターにゃバレんだろ。
でもどうしよう……このエルフと魔人族の過去でも見てもらおうかな。最悪人間関係が崩れるけど、そこは人の…なんだったか…あぁ、そう。絆だ、絆でどうにか頑張ってもらおう。
どうやらエルフはパーティメンバーに憎き魔人族がいることさえ知らんようだがな。
そうだ、これを機にマスターにはダンジョンマスターとしてしっかりこの世の闇の一片を見てもらうのもいいな。
でもやっぱまだ早いかな?そうだな、勝手にこんな夢見せたらボゴボゴにされるな。やめておこう。
……はぁ優斗、君の影響は本当に面倒なところで表れるよ。
☆どこぞの冒険者
扉を開くと、玄関ホールは無く入っていきなり廊下に繋がっていた。
しかも廊下の果てが見えねぇ。
「思っていたのとはちげーな」
「内装を作るのがめんどくさかったのではないでしょうか!」
「景観を楽しめと言っていたのにか?」
「気が変わったんじゃね?」
「何にせよ、進むしかありません」
「そうだな」
警戒しつつ奥に進んでいく。
廊下の幅は5mほどで、天井もそのくらいだ。
壁は統一された綺麗な模様で。一定の間隔に壺や森林が描かれた風景画が飾られている。そして、天井にはシャンデリアが設置されている。
「ダンジョントラップの[無限回廊]みたいですね」
少し進んだところでリリィがそんなことを言う。
[無限回廊]Dランク以上の中難易度ダンジョン以降でたまに使われている、空間魔法により同じ場所を繰り返し進まされる空間のことだ。
「確かにな。…そこの花瓶を割っていこう。ついでに、ここの壁に傷をつけていくか」
「花瓶わりました!一応ここの風景画をもっていきますね!」
「わかった、それじゃぁ進むぞ」
それから5分ほど進んだが、割った花瓶は見えてこない。
が、一周の長い無限回廊の可能性があるからなんとも言えんな。
と、そう思った時。前から人型のナニカが来るのが見えた。
「全員前警戒、リリィ索敵の方はどうだ?」
「しっかり確認できます。恐らくゴーレムかと。三体が並列して歩いて、後ろにさらに一体の計4体です。武装は剣と槍です」
「リリィ、真ん中の奴にうて」
「了解」
リリィが矢を放つ。
ドッ!
頭は簡素にデフォルメされた目や耳や口、髪の毛が描かれていて、鼻と耳は人と同じように盛り上がっている。
リリィの矢は額に命中した。が、一向に止まる気配がない。
ゴーレムは基本的に核を壊さないと止まらない。その核は脳の部分にあったり心臓の部分にあったりと様々だ。
だがリリィの矢の衝撃波で吹っ飛ばないのか。
少し厄介かもしれねぇな。
「セルラン、俺に加護をかけてくれ。飛斬で足を切る」
「[聖魔法:賢者の祝福]」
「飛斬!」
前三体の足は切ったが後ろのやつはピンピンしてやがるな。
ドッ!ドッ!ドッ! 後ろのゴーレムの心臓と鳩尾と下腹部にリリィの矢が刺さる。が、体制を崩し倒れただけで動きを止める気配がない。
「マルト、障壁で閉じ込めろ」
俺がそう支持すると、4体目ゴーレムは即座に動けなくなった。
「倒れた三体を分解して、核を探すぞ。マルトはソイツを見張りつつ、自分の判断でころせ。
とりあえずコイツを移動させよう」
最初にリリィの矢が突き刺さったゴーレムを引きずって、他のやつからはなす。
「しっかり抑えとけ」
さてさて、胴体には無さそうだがどこにあるんだろうなぁ。
念の為頭から5cm感覚で輪切りにしていく。
頭、首、胸、腹、腰、足、腕。全身を輪切りにしたが核は見つけられなかった。
不思議に思いつつさらに細かくしていく。
「どこにもねぇな。流石に動かなくなったが」
「核を必要としないのか。珍しいな」
「マルトの魔法で燃やしてみればいいのでは?」
「そうだな、ここはダンジョンだし多分火災にはならねぇよな。ってことでマルト、転がっている2体を燃やしてくれ。リリィは煙を飛ばしてくれ」
「いや、さすがに危ないんじゃないか?」
「そんじゃぁ、このゴーレムより奥に行って、ゴーレムと俺らを障壁で分断、そんで焼こう。これなら更に奥に進んでから障壁を消せば、煙の被害も0にできるだろう」
「そうだな、そうしよう」
そんなこんなでゴーレムを燃やそうとしたのだが、どうやら木でできていないらしく、上手く燃えなかった。
「足を切って放置が安定かね。」
「そうだな、それが1番手っ取り早い処理の仕方だろう。」
「んじゃぁリリィが足首を狙って、やり損ねたのを俺とゴトが切って、マルトが廊下脇にどかして、セルランは補助だな。」
「「「了解。」」」
方針を決めたところで先に進む。何度か出くわしたが全員弱く、さっきの方法で楽に処理できた。
通路に変化は無く、ただまっすぐ進んでいる。
セルランは風景画を先程捨てた。
「代わり映えのしねぇ通路、嫌になってくんな」
「ええ、正直つまらないですね。あんなことを言ったのですから、景観くらい楽しめるようにして欲しいです」
「はっはっはっ!確かに、外から見た城は凄かったですからね!城の中も少々期待したのですがね!」
「あっ、少し進んだ先に扉があります。悪魔は確認出来ませんが」
「………初の扉だな。感知魔法の魔力が感知されて俺らがいるってことがバレたら嫌だから、俺が突入する。セルランは俺に補助魔法をかけてくれ」
「[聖魔法:戦神の叙事詩]」
…バンッ!
俺が勢いよく扉を明け中に転がり込んで辺りを確認する。
光が少ししか確保されていない部屋になっていた。
なんだ…これ…。ゴーレムの死体か?
ゴーレムが全身から血を流して死んでいるように見える。
ゴーレムから血が流れているのか?
「入ってきていいぞ。」
「これは…酷いですね。」
「他のゴーレムと違い血をもっているみたいだな。確認のために切断してみるか?」
「いや、その必要は無いだろう。マルトがそのゴーレムを警戒して、他は部屋を探索して何も無いなら出るぞ。」
部屋には、机は椅子、ベッドなどが置いてあった。窓は無い。
……何も無さそうだな…。
「あ、リーダー。ゴーレムの後ろに手帳のようなものが落ちています。」
「どれだ?」
「ここです、血まみれで触りたくないのでこっちに来てください。」
「お前なぁ……。」
俺は手帳を手に取って中を確認する。
中まで血が侵食していてほとんど読めないが、読める場所だけ読んでいく。
内容は国に徴兵された者の日記が書かれていた。
・・・・・・・・・・・・
9月24日
今日、遂に僕が徴兵された。
チェックが雑だったため、母さんから貰った手帳を持ち込むことが出来た。今日からこれに日記を書こうと思う。
兵士の話を聞くに、[エルビスタ王国]国境付近の駐屯地に連れていかれるらしい。
母さん1人で大丈夫かな。
9月27日
3日前から歩いて駐屯地に行かされているが、訓練と称した上官からの暴力や夜中に起こされて筋トレをさせられたり、ご飯を余りもらえなかったりで、僕らの体力は限界に近かい。
あぁ、母さんの作ったスープを飲みたい。
10月7日
今まで疲れて日記を書くこともできなかったが、上官から支給された元気の出る薬を貰って本当に元気が出たからまた続きを書こうと思う。
と言っても、ただただ毎日キツいってだけで特に書くことも無いのだが。
10月19日
明日は初任務だ。エルビスタ王国の村を制圧するらしい。
人を殺すのは、正直したくない。
10月25日
初めて人を殺した。泣き叫ぶ村人を容赦なく焼き払った。
鼻の奥に、まだ血と炭の臭いがこびり付いている。
気持ち悪い。早く薬をすわないと。
11月14日
今度は王国の町を焼くらしい。最近寒くなってきたから丁度いい。
あれ、何を書いているんだ?僕はこんなこと書いてない
11月25日
今度は大勢の人を魔法で刺し殺した。
焼くと不都合があるらしい。
そんな事よりさっさと薬をくれないだろうか。もう3日も貰っていない。
11月26日
薬を貰った。やっと貰った
12月11日
薬が貰えない。人を殺せばもらえるらしい。そんなことを言われても、あれからずっとここにいる。
12月13日
他のやつから薬を奪った。ようやく落ち着ける。
12月19日
今度は森を焼くらしい。なんで森なんか焼くんだろう。
でも、焼けば沢山薬をもらえるらしい。
1月1日
森を焼いた。焼いている時に声が聞こえたような気がする。
いや、そんな事より薬が貰えた事を喜ぼう。
1月13日
どうやら他の隊と要塞都市を攻めるらしい。
薬はどれだけ貰えるだろうか。
僕は戦場から逃げ出した。勝てなかった。一方的だった。
これから薬はどうしよう
薬
薬はどこだろう
薬
・
・
・
薬
・
・
・
薬……薬…薬クスリくすり薬クスリ薬薬くすりクスリいろんなくすりがみえてきた
・・・・・・・・・
このくらいか、読めるのは
……酷いな…
「特にめぼしいことは書いてなかったな。先に進むか」
「「「了解」」」
「ってあれ?さっきは無かったのにあっちに階段があります!」
リリィが階段を感知したらしい。
多分上がってこいということなのだろうな。
だが、こんな物をこの先見なくちゃいけないのか?
「上がるか、どうせトラップなんてものも無いだろう」
「そうだな、ここのダンジョンマスターは何を考えているのか分からない」
2階の壁は所々焼けた跡のようになっていた。
そして風景画も変化していて、森の中に集落がみえる。そして、壺から赤い蕾に肌色の茎が伸びているナニカが入っていた。[花]なんだろうが、どうも花には見えない。
出てくるゴーレムも変化していた。
先程と違い耳が尖って頭に角のようなものがはえている。
目は血走っているようで、顔から透明な液体撒き散らしながら襲ってくる。
「汚いし、…悪趣味ですね」
「あぁ。あまり見ずに先を急ごう」
「そうですね!」
一直線の通路をひたすら進む。
ただただ、つまらない通路をひたすら進む。
「扉です。階段はみつかりません」
「一応さっきと同じようにして中に入る」
「了解![戦神の叙事詩]!」
一階のときとはガラリと変わり、扉の先には森が広がっていた。また、新しい特徴をもつゴーレムが暮らしているように見えた。
ゴーレムの耳が長く、髪の色も明るいものしかないな…
「リリィとゴトは外で警戒、他は探索だ、入ってこい」
一応、入ってきたマルトとセルランに言っておく。
「手帳かなんかをみつけたら俺に言え」
「わかりました!
ここのゴーレムは耳が長いですね、エルフの様にも見えますし、リリィを入れなかったのは正解かもしれませんね。
……おっと早速なにか見つけましたよ!」
セルランに声をかけられ、1枚の紙を手渡された。
「日々の平和を綴った詩、のようですね」
「ああ、多分な」
この手帳に、魔族の特徴を持ったゴーレム、それにエルフか…
あの日記、なにか知っているかマルトに聞いてみるか。
そう思い、小声で話しかける。
「マルト、この手帳なんだが、何かわかるか?」
「……僕の過去ににています…が、何にせよこのダンジョンを攻略するだけです。リリィに見られなければ問題はありません」
「そうか。分かった、ありがとう」
やはり、マルトの過去の事か。
何故このダンジョンはこんな事ができる?マルトの事を知っているのか?
「ほかは何もなさそうですね!通路に戻りますか?」
「そうだな、戻るか」
部屋の外に出ると、リリィが驚いた表情をしている。
「どうした?リリィ」
「いえ、突然階段が感知できたことに驚いただけです。
それとこの風景画、私の村に似ているなと思いまして」
「そうか、他にないんだったら階段にいくぞ」
三階に上がると、壁の焼けた跡の様なものは広がっていて、壺の蕾は人の頭くらいまで大きくなっている。
風景画も更に鮮明に村の様子を描いていて、その絵の中にはエルフも描かれてれている。
「……。」リリィも気づいているが何も言わない。
出てくるゴーレムは耳が長く弓や魔法を使って攻撃してくる。
本当に悪趣味なダンジョンマスターめ。
敵自体は強くなったが苦戦するほどでもなく、ずんずんと先に進む。
ゴトとセルランも何かを感じ取ったのか、今は誰一人として喋ろうとしない。
空気が重い、どうにかしたいが…リリィとマルトの問題はいつか解決しないといけないものだったからな……はぁ…
「扉です」
「…さっきと同じだ。セルラン、マルト、行くぞ」
「まってください!私も行きたいです!どうせ敵なんてでてきませんよ!」
何かを察しやがったな?感のいいやつめ。
……だがどうするか。ここで行かせないと、納得せずに引きずりそうだしな。
「ここのダンジョンマスター、相当悪趣味なようだぞ」
「何を言いたいかはわかります。ですが、行かせてください」
「はぁぁ。わかった。リリィとセルランを交代する」
「ありがとうございます」
中に入る。
中は2階の森よりも昏く思える森で、魔人族とエルフが争っているように見える光景が広がっていたが…一つ異常なことがある。
顔が、先程までとは違って人のソレなのだ。ゴーレムとは思えない。
「これは……」
「ゴーレムにゃ見えんな」
「違うんです…あの時と同じなんです!私の故郷が燃やされたあの日と、光景が同じなんです!」
「……」
やはり、か…
そんで、次の階にはこの続きの光景が広がっているわけか…
「リリィ、分かりやすい揺さぶりだ。気にするな」
「分かっています。ですが、どうしてこれをダンジョンマスターは知ってうるのでしょうか?もしかして…あの日、あの場所に悪魔が……!」
「落ち着け!ここでお前が乱れたらダンジョンマスターの思うつぼだ!」
「…分かっています。分かっていは…いるんです」
「……」
「とにかく、中を探索するぞ」
「そういえば、前の手帳には何が書いてあったのですか?」
「……(どうする!?ここで見せていいのか!?マルトと言及されている部分は無いから大丈夫だとは思うが。)…分かった、ほらよ」
「ありがとうございます」
はぁ、こりゃぁ面倒なことになったっぽいな。
でも、なぜダンジョンはリリィとマルトの過去を再現しているんだ?
そうポンポン内容を変えられるようなもんじゃないらしいが。嘘だったのか?いや、嘘だったんなら他のダンジョンもすぐ変えるだろ。じゃぁ何故こんな内容のダンジョンにしたんだ?
っと、こりゃぁまた一枚の紙、か。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
愚かにも魔人族が襲ってきたらしい。
ようやくだ!村のみんなは私の事を子供扱いする。
それが今まで嫌だった。
私の方が弓の扱いが上手いのに!魔法だって今じゃフィント叔父さんと同じくらいなのに!
みんなは私の事を子供扱いする
でも、それも今日でおわりだ。
ここで、魔人族をいっぱい殺して
私が1番だって認めてもらうんだから!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「リーダー、それは?」
読み終えると後ろにリリィが立っていた。
俺は、何も言わずにリリィに紙をわたす。
「…私の過去、ですね。えぇ、今でもよく覚えていますよ。未熟だった時のこと。
大丈夫ですよ、この上の階ので見ることになる事も予想できます。ですが、冷静さをかくつもりはありません」
「そうか、だが辛かったら言え。
仲間だからな、辛さは一緒に背負っていきたい」
「ありがとうございます。ここには何もなさそうですし、次に行きましょうか。どうやら階段もでてきたみたいです。」
4階は下と比べて暗かった。壁が真っ黒になり風景画の中の集落も焼かれている。シャンデリアの光も弱く思える。
壺のアレはどうやら咲いたようで、真っ赤で大きな花弁が皿のように開いている。そして…その皿の上には、エルフの生首が乗っていた。
皆が絶句していた。
一つ一つ顔の違う首が赤黒く咲いている。もしかしたら、リリィの村の人たち全員の顔なのかもしれない。
恐る恐るといった感じにリリィの顔をみる。
憎悪からか、憤怒からか、はたまた恐怖からなのか、リリィの顔は酷く歪んでいた。
「進むぞ」
みんな黙ってついてくる、ゴーレムは出てこない。
少し歩くと、次はエルフの首から魔人族に首に変わった。
いくつか、見たことがあった。
先程、村を開拓していた者にすごく似ている。あの女性の顔だってある。
まさか、あれはマルトの故郷だったのか?いや、だがそんな素振りは…いや、顔はフードで隠れているんだ、気づかないのも仕方ないのか?
「マルト……?」
自然と口に出た。マルトはただ頷くだけだった。
………何も言えず、黙って進む。
扉はすぐに見えてきた。
迷わず扉をあける。
そこには、エルフが魔人族に蹂躙される光景がひろがっていた。
その魔人族の中には、パーティのなかで俺しか知らないマルトの顔があり、エルフの中には、へたりこんでいるリリィの姿があった。
二人の手には紙が握られていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうして……?どうして足が動かないの!?
みんな戦っているのに!どうして私の足は動かないの…!?
シルクもスーもフィント叔父さんだって戦っているのに…
どうして…私は………
ああ…怖気付いているんだ……
あれほどこの村で1番の弓の使い手だと粋がっていたのに
殺し合いになると何も出来ないお荷物に成り下がったのだ…
あぁ!スーを庇ってシルクが死んだ…フィント叔父さんも傷をおっているし、他のみんなだって満身創痍だ。
私もここで死ぬの…?
いやだ!まだ死にたくない!私はまだ、死にたくなんかない!
怖い、死にたくない!嫌だっ!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
・
・
・
気がついたら…
森の外にいた…
私は…
みんなを見捨てて逃げたのだ…
………
それから、私は冒険者になった。
必ず!私は必ず奴らに復讐してやるっ!
そう誓った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、マルトの握る手帳の切れ端には…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これからどうしよう。
そういえば、
僕の魔法の力は凄いらしく、敵の中には僕の名前を知っている人もいるらしい。
僕は追っ手を恐れ、マルトと言う名前で冒険者になった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そう、短く書かれていた。
☆一方その頃(2)
クレア「宝箱だ!私も宝箱設置したい!」
如月 「そんじゃぁ頑張ってダンジョンポイント貯めてくだ
さい。まぁ、近いうちに設置できんじゃないです
か?」
クレア「うん。それまで我慢。何入れたいか考えとく」
如月 「さいでっか(しっかり違う夢を見えいるみたいだ
な…エルフの奴、動揺はしてるがダンジョンから
出てから話し合うつもりらしい。攻略を優先した
か。…ちっ、つまんねぇ。甘かったか。)」