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病気を治すんだったら…(え…キサラギの変態!)

久しぶりな気がしなくもないですね

 マスターがスキルを使えるようになり数ヶ月がたった。


 この数ヶ月でいくつか変わったことがある。

 まずはじめに、ダンジョンの周りに拠点…というより、そこそこの規模の村ができたせいで外で日を浴びることができなくなった。


 次に、活躍に応じて冒険者への報酬に色を付けることにした。理由は、試練の難易度が挑戦者によって上下するためベテランと半人前の冒険者の報酬が同程度になる事がおきた事と、底ランク冒険者の報酬が低すぎて、多少危険を冒してでも他のダンジョンにこもったほうが稼ぎに期待が持てると思われたため、低ランク冒険者にも支援の目的も兼ねて活躍した冒険者への報酬をこうとうさせた。

 『このダンジョンじゃ稼げない』と、悪い噂が広がっては困るからな。


 最後に、今まで使っていたボス部屋は寝ている冒険者置き場となり、新しく大きめのボス部屋を買った。部屋の大きさを変えるには多額のDPが必要なようで、買い替えたほうが安く済むそうだ。ボス部屋には人型のゴーレムが15体常駐しており、眠った冒険者を前ボス部屋へと運んでくれている。

 部屋の大きさは幅30㍍、高さ20㍍、奥行き90㍍となかなか巨大な部屋となった。コア部屋へと続く扉の前には豪勢な椅子(便宜上[玉座]と読んでいる)が設置されている。そして、入口から玉座へ続くこれまた豪勢なカーペットが敷かれており、両壁には美しく厳かなステンドグラスから光がさしている。


 そして、前ボス部屋には大勢の冒険者が横たわっており、ダンジョンは大繁盛していた。

 夢の中で魔力を消費してもDPが貰えないらしく、試練に敗れた冒険者は持っている魔力をすべて使ってからダンジョンの外に放り出している。


「鍛錬中に考え事?なめてんの?」

「まぁー正直?だってマスターじゃ俺のこと倒せませんし」

「ムッカー!絶対ボコボコにしてやる!」

「俺をボコボコにするのは、マスターの言う可哀相の範疇に入らないんですか?」

「もちろん!」

「さいでっか」


 マスターもこの数ヶ月でメキメキ成長しており、魔素を使った身体強化や魔力障壁や感知なんてものもできるようになった。

 魔力操作技術もCランク冒険者程度の実力はあるが、正直悪魔の俺からすれば物足りないなんてものじゃない。そうだな…後八百年ほど鍛錬を続ければ俺とも殺し会えるようになるんじゃなかろうか。


「そろそろお開きにしましょうか」

「ハァ…ハァ……ええ、もっとやりたい気持ちもあるけど、冒険者の様子も気になるしね」


 うし!昼寝の時間だ!いや、まだ9時だから二度寝かな?


「あ、待ってキサラギ!」

「どうしました?」

「そういえばさ、筋肉が衰えてるって感じてる人がいるから、試練が終わったら魔力を使ってもらうだけじゃなくて、運動してから出てもらったほうがいいかも」

「なるほどぉ。確かに人はすぐに体がなまりますからね。…じゃあ、試練が終わった冒険者はボス部屋にて冒険者どうしで戦ってもらいますか。俺が動かすことにはなりますが、弱すぎてそっちの方がいい鍛錬になりそうですし」

「なんでそう余計なことをいうかなぁ…まぁいいや、ゴーレムの思考回路の改変はやっとくから、そっちもよろしくね」

「ええ、任せてください」


 寝れなくなってしまった…まぁいいか。

 …やっぱ一時的に自動戦闘システム植え付けて俺は寝るか、コイツらが鍛錬してる所を見るだけじゃ退屈で死にそうだからなぁ。


 そんなことを考え、俺が結構前に作り出した自動戦闘システムを奴らの脳に植え付け、更に寝てても冒険者に魔法をかけることができるよう生み出した自動催眠プログラムを改変する。


 よし、様子見して大丈夫そうなら寝るか。



☆どこぞのダンジョンマスター


 はぁ…あのアホは結局…まぁ、一応いったことを実践してくれてるし、冒険者も怪我してないみたいだからいいけどさ…。


「ヘルプさん。試練挑戦中の冒険者のリストを表示して」

『かしこまりました』


 ふむふむ、Cランクパーティが二組挑戦中で、Dランクが四組にEが十三、Fが七組、それ以外がゼロかぁ。


 そろそろBランク冒険者を招いてみたいけど、どうすれば来てくれるのかな…?


「ヘルプさん、どうすればBランク冒険者が来てくれるようになるかな?」

『今このダンジョンの知名度はそれほど高くありません。ですが、誰も死ぬことがないダンジョンということで、これから一気に知名度が高まってくると思われます。ですので、時間の問題だと思われます』

「時間の問題かぁ」


 本当にそうかなぁ。誰も死なないとしても、魔道具や宝石とかを入手できないし、他のダンジョンとは違い、6つの試練で終わりっていう"終わり"が明確なダンジョンって上級冒険者に興味をしめしてもらえるかな?

 それに、高ランク冒険者というのはそれだけ長い年月ダンジョンに挑戦しているということだし。常識にない"死なないダンジョン"っていうのは、生ぬるいと毛嫌いされちゃうかもしれないな……


 そう考えると、もう少し変えたほうがいいような気がしてくる。

 ここらへんもキサラギと今度話し合ったほうがいいかな?

 "不殺"はかえないけどね。


 私、正直世界一のダンジョンっていうのには興味がないけど、不人気ダンジョンになるのは回避したいなぁ。


 片目で冒険者が試練に挑んでいるのをみながら、様々なことを考えるていると、ふと一人の冒険者が目に留まった。

 私より少し身長が低いくらいのほとんど年の変らない少年で、パーティは組んでおらず、一人で挑んでいる。

 防具をつけておらず、ボロボロの包丁一本で戦っているところをみるに初心者冒険者なのだろう。


 栗色の髪がバサバサと動く。

 ゴブリンの攻撃を躱すのにあそこまで大きく動いていたらすぐに限界がきちゃいそうだな。


 それに、ゴブリン一体にあれだけ手こずっているのなら、このダンジョンじゃまったく稼げないだろう。

 最悪、どれだけ頑張っても第一の試練の突破報酬であるEランク魔核ひとつ、それを売っても一律五百オルくらいしか稼ぐことはできないと思う。

(オル=このダンジョンがある国の通貨単位)

 この調子じゃ一ヶ月に1万5千オルしか稼げない、一般男性の平均収入は15万オルほどだったはずだから、とてもじゃないが暮らしていけるとは思えない。


 そんな、今の私より非力な少年。

 でもなぜだろうか、その少年の瞳には確固たる決意が宿っているように思える。

 だからだろう、この少年から目がはなせない。


『クソっ!こんなところで立ち止まっているわけにはいかないのに!』


 彼は何を求めてこのダンジョンに挑戦しているのだろうか。

 魔核?お金?力?名誉?劇薬?

 …んーどれもいまいちピンとこないなぁ。


『うわぁっ!!やめろ!くるなぁ!』


「って危ない!右来てるよ!屈んで!違う!そっちじゃない!」


 たかだかゴブリン5体に追いかけられている少年を見て、ついつい声をあげてしまう。


「あ……死んじゃった…っていうか!ちょっと難しすぎない?!5体は反則でしょ!後でキサラギに言おう!そうしよう!」


…はぁ。

 結局、あの子はどうしてこのダンジョンに挑んでいたのだろうか。



……………………………………



 次の日も少年はこのダンジョンに挑んでいた。

どうやら第一の試練はすでに突破したようで、今は、水が広がっている場所で途方に暮れている。湖とはまた違うように思える。ひょっとしたら、あれが海というやつなのかもしれない。


『これって…海っていうやつか……?

…水が塩辛い…ハハハ、父さんが言ってたことは本当だったんだ。…母さんにも、見せてあげたいなぁ……ああ、そうだ、俺が一流冒険者になれば、母さんの病気を治せる薬も手に入れられるし海も見せてあげられる。俺が強くならなくちゃ、何もできないんだ!だからこんなところで立ち止まるな!俺!』


 やっぱり海、なんだ。初めて見た……

 って、そんなことより、薬が必要って言ってたよね。あの子のお母さん、病気なんだ。だからこのダンジョンに……

 助けてあげたいけど、キサラギは絶対ダメだっていうよね。

いやでも、言ってみないとわからないか。もしかしたら『しょうがないなぁー』とかいって助けてくれるかもしれないし。

 よし!なんとか説得しよう!


「如月!おーーい!起きて!」

『…なにか御用で?あと寝てませんよ?』

「いやバレてるから…それより、今第2の試練で海にいる男の子がいるでしょ?」

『(しらんがな)ちょっとまっててくださいね、今確認しますんで…(海…となるとコイツか…?いや何だこのみすぼらしいガキンチョは)確かにいますね、コイツがどうしたんです?もしかして好みの男の子でした?』

「何馬鹿なこと言ってんの?まったく、すーぐ話そらすんだから」

『すんませんした。んで、こいつが何なんです?』

「その子のお母さん病気なんだって!助けてあげて!お願い!」


 あ、そういえば。お願いするときはちゃんと会って話したほうが効果的だったような…夜ご飯食べるときに言えばよかったかな?


『マスターこそ、なに馬鹿なこと言ってるんですか。こんなガキ一人にかまってたら体がいくつあっても足りませんよ。マスターは人を見殺しにする勇気を持ってください。てか、このダンジョンで人の死をたくさん見たでしょう?これまたどうして…』


 むぅ~。やっぱりダメかぁ。

でも、諦めたらそこで終わり。なんとか説得しないと。


「あの子のお母さんは本当に死んじゃうんだよ?このダンジョンで死ぬのとはわけが違うんだよ?

いいじゃん。この子のお母さんだけ助けてあげようよ、この子だけでいいからさ、お願い!」


 手をパチンと叩きお願いする。


『はぁ。そもそも、どういった形で治すことを考えているんですか?巨大な魔核でも与えますか?その魔石を見た他の者にリンチされるのがオチでしょう?

つか、このガキの父親は何してるんですかね?ガキが働かないといけないほど高額な薬が必要ということなんじゃないですか?そんな薬多分ですが絶対数が少ないですよ?このガキが使ったら他の権力者が使えないかもしれない、そうなった時国に必要なのは権力者の方でしょう?

権力者云々は例えのようなものですが、とにかく命には価値の違いがあるんですよ、そしてこのガキの母親に俺らが施しを与えてやるほど、多分こいつの母親には"価値"がない。と、思います』


 命に価値って…そんなものあるわけ無いじゃん!

 どうしてキサラギはそんなことを言うんだろう?ここまで具体的に酷い言葉を言うことは最近なかったのに……何か、考えがあるのかな?


「流石に言いすぎだよ。もしかしたら、お母さんを助けたことでこの子が一流冒険者になるかもよ?そしたらこのダンジョンも__」

『心にもないこと言わないでくださいよ。もし俺がガキに巨大な魔核を与えて、それで母親が助かったとしましょう。その後コイツが一流冒険者になる可能性なんてゼロに等しいですよ?

コイツの体内保有魔力は他のFランク冒険者の平均以下ですし、金がないなら剣を習うこともできないでしょうし、ガキが金をかき集めようとしている時点で人脈もたかが知れている。そんなやつが一流冒険者になんてなれると思いますか?

それに、人は堕落する生き物です。この先また不幸が現れたとき、このガキは『以前うまく行ったから今回もどうにかなる』と考えると思いますよ?それで無力を実感するならまだいい、ですがこのダンジョン以外で無茶をして死ぬかもしれません。

絶望がひっくり返るっていう状況はそれだけ影響がつよいんです。マスターには、人を変える覚悟があるんですか?』


 キサラギが早口で淡々とつげる。

 その声がいつもより声が怖く思える。どうしてそんなに攻めるように言うのだろうか?


 勿論、キサラギは正しいことを言っている…ように思える。

だけど、そんなふうに切り捨てるのは寂しいことなんじゃないだろうか。少なくとも私はそう思うし、諦める気もない。

 キサラギが何を考えているのかはわからないけど、ここで諦めたら私の負け、キサラギに少しでも慈愛の心を持ってもらうためにもここはひけない!


「それでも、あの子を見捨てたくはないよ。どうにかならない?」

『…どうにもなりません。俺等とこのガキとじゃ立場が違いすぎる、そんな俺等が助けるっていうことは、人を殺すことより影響がでるかもしれません。

ですがそうですね。ガキの年齢はおそらく12~14才くらい、この国の成人年齢が15で初婚年齢もバラつきはありますが小さな村であればそれくらい、ということを考えると、コイツの母親はまだ30前後だと思われます。

俺が助けるんじゃなくて、コイツの親が借金をして、体調が治った母親が娼婦かなんかで働けばいいと思います。死にはしませんし、一生会えないよりかはいい選択だと思うんですが』


 しょ…しょしょ、、しょう…ふ…?


顔が カーー っと熱くなるのがわかる。


 しょうふってあれでしょ?!あれなんでしょ?!

「しょうふって何かわかっていってるの?!この悪魔!バカぁ!アホぉ!変態!キサラギなんてもう知らない!!」



 キサラギが変態だったなんて…でも…キサラギも男の子だし…いやでも…


更に顔が熱くなる。


 だ、だめキサラギが変なこと言うから…お、落ち着け私!マスターたるものこんなことで動揺しちゃいけない!


 ……ふぅぅ……どうしよう。話、途中で終わらせちゃった。でもまた話すのは…

 うぅ。流石にこれは、変なこと言うキサラギが……悪い…と、おもう。




☆どこぞの悪魔



「…いや、正直マスターが娼婦を知っていると思わなかった…」

 

 本当は『娼婦って何?』って聞かれて、テキトーに給料の高い仕事って言おうと思ったのに…


 はぁ…どうフォローをいれるか…あの動揺具合だ、結構ご立腹かもしれない。


 だからといって、この少年を助けるのはよしたいなぁ。マスターの立場で善意なんてものをもっていたら、身を滅ぼすだけだからなぁ。

 ほとんど関わりのない人を助けようなんて考え、早々に改めてもらわないと。

 ちょいと辛いが、前例なんてものを作ったらきっとマスターはそこに甘えてしまう。今が踏ん張りどころだ!俺!


………


「あ、お疲れさまです。マスte__」

「………」


 マスターがあからさまに俺を無視して私室に歩いていく。

 咄嗟に探った気配には恥ずかしいという感情が強く感じられた。

 …時間が解決してくれることを願おう。


………


「おはようございます。マスター」

「………」


 oh…ま、まぁ。一夜でもとに戻るとは考えてねぇーし。

 そうだ、あの少年の脳みそ覗いて色々把握しておこう。


………


「いやーマスター。今日は結構__」


…目すら合わさず私室にはいった。

いや、まぁ。まだ一日だけしか経ってねぇーし。人はすぐに立ち直らないっていうからな。

いやでもまだあんなに顔を赤らめて…流石にピュアすぎるんじゃなかろうか。


………


「マ、マスター?おはよぉございますぅ…う?」

「仕事は?」

「あ、はい。仕事してきます」


にらまれてしまった。だが怒りの感情は少なかった。あともう少しか……?


………


「今日は一緒にご飯_」


って、せめて最後まできいてくれません?

俺がコア部屋に来た瞬間に部屋に行くのはどうなのよ。


………


「おはようございます。マスター」

「……」


 落ち着けぇ俺ぇ。探った気配では結構落ち着いている。きっと向こうもどうすればいいのかわかんないんだ。多分、きっと、なんとなく。

 だから、ここは冷静に今の状況を伝えて聞く耳を持ってもらおう。


「聞いてください、マスター。あの少年の母親、多分あと3週間ももたずに死ぬと思われます。いや、彼の父親はすでに他界しており、今は祖父母が看病している状態、労働力になりにくい老人では多分それほど強い味方にはならないでしょう。彼の村の住人がどれほど病の知識を持っているかは知りませんが、村の住人が病が広がると考えたなら、早々に焼き払うかもしれません。今一度、話し合ってみませんか?」


「……なにを話すの?」

「彼とマスターへの試練についてです」

「あの子と私への試練?」

「ええ、あれから色々考えましたが、俺もまだ無条件で彼に救いの手を差し伸べようとは思っていません。ですが、二人が俺が下す試練を乗り越えたならできる限り助けようと思っています」

「試練って、1~6の試練のこと?」

「違います。彼が廃人になる可能性がある危険で難しい試練です」

「……」

「そして、その試練を彼に受けさせるか決めるのは貴女です。はっきり言って、彼が廃人になって母親と再開することができなくなる可能性は非常に高い。

貴女が彼に死を与えるのが、貴女の試練なのです」


 もしかしたら、このことをきっかけにマスターが大きく変わってしまうかもしれない。だけど、どうせいつかは通るであろう道。忙しくなる前にマスターには少しでも心を強くしてもらいたい。


「あの子の試練はどういうものなの?」

「母親の死を幾度もなく体験してもらいます。母親が死んでから後日、"彼が、母親が病気だと伝えられた日"に戻り、母親が死んだらまた戻り。それを母親が助かるまで何度も何度も体験してもらいます」

「………」


 その調子で深く考えてください。それで無理だと判断したならまだ時期じゃないのでしょう。ですが、それは同時に彼の母親を見殺しにする判断を下したと同じこと。

 どちらに転んでもいいが、できれば母親を諦める方向でお願いしたい。


「永遠の時の牢獄で、同じ情景を幾度も体験するのは精神に相当負担をかけます。まず間違いなくノイローゼになるでしょうし、心が折れれば彼の心は完全に壊れる。そんな試練です」


 言い方はズルいような気がするが、ここまで聞いて決断を下すのは難しいと思う。無言でもいい、なんか怖くなってきたから承諾以外ならなんでもいい。


「………わかった。その試練、彼に受けてもらう」

「(マジで?!人を殺す決断するかもしれないんだよ?!まさかのまさかの判断…)…本当にいいんですか?彼を殺すことになるかもしれませんのよ?」

「ええ。ただ、彼の試練の中に私も入れて。干渉できなくていいから、1から10まですべて見届けたいの」


 それは無理かなぁ。マスターへの負荷が大きくなるじゃないか。


「私に試練を受けろって言ったんだから、勿論キサラギも私に危険を冒させる覚悟をきめる試練くらいうけてくれるよね?」

「……はぁ。その言い方は随分、断りづらいですね…

はぁ、わかりました。俺も、試練を受けましょう。それに、人間そう簡単には壊れませんよ、多分。マスターは俺が支えますし」


 俺がそう言うと、マスターはニカッと笑みをみせた。


「じゃぁ大丈夫!あの子も私も、全員無事に試練を突破するから!キサラギも支えてくれるんでしょう?」

「支えるのはマスターだけですよ」

「ふふふ。それでいいよ」

「そっすか」

「ええ!」


 





その時のマスターの笑みに裏を感じたのは、きっと気の所為ではないだろう。

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