明日を見たくない。
感想とか書いてくれると有難いです
『朝か・・・』
太陽の光とアラーム音で目が覚める。
僕自身、二度寝はできない人なのでそのまま起きることにした。
学校へ行かないといけない。
「面倒くさいな・・・来るなって言ったのに。」
どれだけ願っても明日は必ず来る。
今日も願おう、『明日が来ませんように』と。
通学路を歩き学校へ行く。いつも通りだ
明日が来るのが嫌なら死ねばいいのに。何故死なない?怖いから死ねないんだ、だから生きる。
そんなことを考えていても口からはいつもの事言葉が出る。
「死にたい・・・」
学校に着き、教室へ入り自分の席に座った。退屈で仕方がなかった。ほとんどの生徒が真面目に授業を受けている。そんな中僕は瞳を閉じるとだんだんと睡魔がやってくる。そうして僕は眠ってしまった
「やっと夕方になった」
凄く長く感じた。寝ていた時間もあったが、それでも長かった。なんのために僕は生きているんだろうとふと考えてしまう。
そんなことを考えながら歩いていたらいつの間にか屋上へ来ていた。
ここから落ちたら死ぬのかな。さすがに死ぬか、この高さなら。
「怖いから僕には無理だな」
そんなことを小声で呟くと後ろから女の声が聞こえた。
『ダメです!!!』
見知らぬ少女がいた
「今死のうとしてますよね!?」
そんなことを問われたので僕は
「僕にそんな勇気なんかないよ」
と返した。そうだ、僕には死ぬ勇気がないんだ、だからこうしてつまらない毎日を謳歌している。
「そう言うってことは死ぬ気はあったんですよね?」
「あったらなんなの?君には関係ないでしょ。」
「関係あります!目の前で人が死ぬところなんて見たくないです!あと死ぬ勇気がない人は死ねません!ですが本当に嫌なことがあったら人は死ねます。今は勇気がないだけです!」
「つまり僕がいつか勇気が出て死ぬかもしれないってこと?」
「そういうことです!」
変な少女だなぁ。そんなことを思っているとこんなことを言い出した。
「なんで死のうとしてるんですか?」
「なんでだろう、ただ単に生きてても意味が無いと、そう感じてからは何も楽しくなくなったし、この日常がつまらなくなった。端的に言うと生きる理由がないんだよ」
「なら、ここで生きる理由を見つけましょう!」
この言葉から数時間、僕の愚痴やたまに彼女の愚痴などを聞いたり、話したりしていた。そして分かったことはこの子は心から人のために動いているということが分かった。
「貴方は死にたいと言っていましたが私は死ぬのが怖いです。勉強をして、大学へ行き、恋愛をして、結婚をして、子供を産んで、こんな当たり前な幸せを掴み取るまで死にたくないです。」
「本当に当たり前な願いだな」
「あ!」
「どうした?」
「11時50分になりました、」
そうだ、僕は明日になって欲しくないと願ってた。だけど僕は彼女と話していて、楽しいと、明日も話したいな。そんなことを思っていた。明日が来てもいいと思えた。
「僕はもう大丈夫だよ、生きる理由を見つけたから」
「生きる理由は何ですか!!!」
「それは教えられないな」
苦笑しつつそんなことを返すと彼女は更に食いついてきた。
「どうしてですか?!」
言える訳がない。僕の生きる理由は君なんだから。恋愛感情とかではない、こんなに親身に話を聞いてくれて一緒に生きる意味を考えてくれた彼女に恩返しをしたい。
「12時、明日になったな」
屋上から見る月は綺麗で感動を覚えた。これから見る月の中でも1番だろう。
「そういえば君の名前聞いてなかったね」
「貴方の名前も聞いてないですよ!ちなみに私の名前は瑠花です!」
「僕の名前は彼方だよ」
僕の名前を聞くと彼女はにぱっと可愛い笑顔を僕に向ける。すると自然と僕も笑顔になる。
「ありがとう、瑠花」
「こちらこそありがとうございました!」
彼女はそう言って、そうして今日は終わった。
僕はこう願う。
「明日が来ますように」