初スキルと探索終了
宝箱の中から光が部屋いっぱいに広がった。
光が収まった宝箱の中には金色の表紙で黒色の軸の巻物があった。
京介は事前にダンジョンについての情報収集をしていたので日本の自衛隊が得ていた巻物の表紙の色が違うが、この巻物が【スキルスクロール】であることがわかった。
自衛隊は確か表紙が藍色だったのでもしかしたら金色の方が希少なのかな?なんて思いながらスキルスクロールを開いた。
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★ 10 スキル
《世界の隠蔽》Lv,1
事象を意のままに隠蔽する。
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ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?
なんかぶっ壊れ過ぎじゃね?
事象を意のままにって、[隠したい]って意識するだけで、どんなことも[消えた]と自分以外には認識されるってことだよね。
実際には[消えていない]
ただ自分以外はどんな生物も機械も[消えている]
とても怖いスキルだった。
初日にしては結構長い時間探索していたので、外に出るためにマッピングしていた道を戻り地上へと帰る。
帰りは特に苦労せずダンジョンを出たら、すでに日は落ちて夜だった。
とりあえず帰還の報告をしてドロップアイテムの買取所へと向かった。
「お疲れ様でした。アイテムの買い取りでよろしいでしょうか。」
「はい」
「では、アイテムをこちらのカゴへ入れてください。」
中にクッション材が敷き詰められたカゴにリュックからアイテムを流し込む。
「・・・え?随分と多いですね?」
「あ、はい」
なんか買取所の人が変な視線を向けてくる。
まぁ、初日に結構はやいペースで階層を降りてたし、帰りはチートスキルを試してみたところ魔物との戦闘(蹂躙)は楽ちんだった。
「少し量が多いので少々お待ちください。」
そう言って何かの機会を使ってアイテムを仕分けている。
しばらく待っていると…
「お待たせいたしました。魔石以外のアイテムが計14個、スライムの魔石が17個、ホーンラビットの魔石が10個、ゴブリンの魔石が22個、ゴブリンソード、マジシャン、ファイターの魔石がそれぞれ1つずつで、
・・・買取金額、3万7千円でございます。」
んー高いのか安いのか分からん。
朝10時から20時までの10時間で約4万って考えればバイトするよりか稼げているし、あのスキルで今後もっと下の階層にいけば買取金額も高くなるからちょっとバイトより探索者メインでやろうかな…
「現金でのお渡しはできませんので銀行振り込みとなっております。探索者カードがクレジットカードとしても使えますので銀行から引くか探索者カードをクレジットカードとしてご使用ください。」
へー帰りに大金持たなくていいのはうれしいな。
「分かりました。ありがとうございました。」
買取所をでて更衣室で着替えたあと近場の店で食事をとる。
会計時、探索者カードを使って支払うことが出来た。
家に帰りテレビを見ながらくつろいでいるとダンジョン探索者についてのニュースが流れた。
探索者インタビューでダンジョン内の様子を語っている。
『スライムやゴブリンなんて楽勝でした。』
なんてインタビューで喋ってる
他にもパーティを作った人達はパーティ名を自分達で決めていたり、ドロップアイテムの魔石を見せびらかしたりしていた。
そしてとても興味深いインタビューもあった。
名前は木村流星、すごくチャラチャラした感じのちょいイケメンが「ゴブリン倒してたらスキルスクロール出たんすよ!★1スキル《棒術》Lv,1をゲットしました。』
「《棒術》か・・・、多分棒を扱うのが上手くなるとかだろうな。なんとなく強くなさそうだな。」
それに★1スキルや★10スキルっていうのはスキルのレア度だろう。
そう考えるなら★10スキル《世界の隠蔽》は超レアということになる。
スキルは主にモンスター討伐後のドロップアイテムとして出てくるスキルスクロールと宝箱から出てくるスキルスクロールがある。
モンスターのドロップアイテムとして出てくるスキルスクロールは基本ドロップしたモンスターが持っている特徴がスキルとして出てくるらしい。
スライムなら《体当たり》ゴブリンなら《棒術》みたいな感じらしい。
だか、宝箱から出てくるスキルスクロールはランダムである可能性が高いと結論付けている。
理由は宝箱から出てくるスキルスクロールはレア度もスキルの能力も法則性がないらしい。
例えば、日本の自衛隊で宝箱から出たスキルは分かっているので★2と★5のふたつで能力は宝箱が出た場所や付近の魔物に関する能力とは全く関係ないスキルらしい。
現在、世界中で公表されている最高のレア度はフランスが出した★6スキル
能力の詳細は公表しないので分からないが結構強いスキルなんだろう。(まぁもっと上のレア度のチートスキルをゲットしてしまったが・・・)
こうして京介は初めてのダンジョン探索と初めてのスキルを獲得をした。