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加藤の右目へGO  作者: どすこい姉妹
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カラオケ

その日は、佐藤の退部の件もあってか自分にしては考えを眩ませながら、トボトボと歩きながら自宅への帰り道にあるカラオケ屋に入ると「いらっしゃいませ」

…常連ではあるが、聞いた事の無い不器用な口調な店員だ。覇気が無く、カラオケという騒がしい場所の声では無く、ホテルの受付の様な妙に畏まった口調であった。

「一名様で宜しかったでしょうか?」普通の言葉だが、何故この賑わしいカラオケ店員の職業を選んだのだろう…。

まぁ、この店員も自分なりの葛藤があるのだろう。等と思いながら、その店員からの対応をジッと見ていた。

…加藤に似ている。加藤か?名札を見るとマジックペンで「カトウ」と書かれていた。

カトウは制服姿で明らかに隣の席に座っている客である同級生の「藤原」を対応しているのだ。…カトウ、お前も大変だな。何時間に渡って働いているのだ、学校には大概六時間居るだろう。

今は午後6時半だ。例え午後10時に帰宅したとしてもお前の痩けた体は休まっていないぞ、筋トレして寝ろ。

自分も同じ高校生の身分としても、まさかの加藤に恥じらいを覚えながらお互いに気付かない振りで、俺はカラオケの室内でストレス発散を楽しんだ。


案内された独りカラオケルームに入ると、衝動的にマイクをスイッチをオン。

「かとおおおおおおおーっちゃんー!!!!オッマエノ性癖~~~!!!!」と発してマイクのスイッチをオフ。

大声を発する練習だ。


部活の下校時間や都合が合う時は、同級生とはカラオケなどに行くが、立ち寄った適当な店の所詮な歌を「凄い!藤原くん意外だねー。カッコイー、完璧★」等と褒められ、「そりゃあな!俺の親は昔に流行ったイケメンな音楽家だったらしいぜ!嘘だけど!」

と笑って誤魔化して益々に本当の歌声を出せなくなり、正直な所、疲れてしまっていた。


「カトオオオオオオ!」と度々店内に響く、少々空いているボロボロのカラオケ屋で只管、ストレスの発散に努め、肺活量の限界を詰めて、学校の同級生「加藤」をふと気にしてしまう。

あいつは何なんだ。苦学生なのか。

歌い疲れ、帰ろうと会計に行ったが違う店員が対応したので普通にこちらも対応して即様、家に帰る事にした。

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