Garbage❷
❷
どれくらい走っただろうか。
家から学校までは、歩いて30分程度ある。それを全部走り切ったのだから、それなりの距離である。
だって、あんな形でおっさんが出てきたら、トラウマどころの騒ぎじゃないわよ!
乃乃子は肩を大きく上下しながら、教室のドアを開けた。
「みんな、おはよー.............................」
乃乃子は絶望した。それはなぜか。私の席に、今朝走って逃げてきたその相手が鎮座していたからだ。おっさんだ。ヤツだ。
おっさんはブリーフ一丁で他のクラスメイトたちの視線を浴びていた。
おっさんは乃乃子の存在に気がつき、何を思ったか親指を立てドヤ顔を決め込んできた。
こいつはマジモンのキチガイだ!乃乃子は頭で色々考えるより先に体が飛び出し、おっさんを教室の奥にある「そうじ用具入れ」と書かれた、人が1人入れる程度の大きさのロッカーにブチ込んだ。
「乃乃子ちゃん、その人知り合いなの...?」「パンツ一丁なんだけど...」とヒソヒソ話が聞こえる中、「違うから!全然知らない人だから!!」と、ロッカーから抜け出ようとするおっさんを外側から押さえつけながら自分の身の潔白を訴えた。
そんな時、学校の朝礼が始まる前の予鈴が鳴った。やばい。担任の先生がくる...!!!