女剣士フィル 2
「…これは本当に事件と関係ありそうだよね?」
クロは事件とフィルになんらかの関係があると推測した。
しかし、そのクロの推測に対してエルは言う
「けどよ!フィルは無能力者だが、めちゃくちゃ強いんだぜ?あいつが襲われるなんて考えられない!」
「そうですよ!私も思います!フィルさんが負けるはずありません!」
エルに続きアリスも言う
その二人に対してクロは更に言った
「じゃあ、もしフィルが正面から襲われたんじゃなく、フィル自体が気を許していた相手が犯人だった場合、さすがのフィルも勝てないんじゃないかな?不意打ちとか、ね」
クロの言葉に、何も言い返せなくなるエルとアリス。それはクロの言葉が、あまりにも現実味があったからだった。
「……それじゃあ、どうするんですか?もし本当にこの失踪事件に関係するなら私達何もできない」
アリスはフィルと同じく無能力者。犯人が捕まるまで何もできないと思っていた
「そんな事ないだろ?簡単な方法がある。俺がそいつぶっ飛ばしてフィルを助ける! 」
堂々と何の躊躇いもなく言ったエルにアリスは驚いた。一学生であるエルに犯人を倒せる根拠がないからだ
「そんな事できないよ!私怖いもん!」
「じゃあ治安隊が犯人を捕まえるまで待つってのか?俺にはその方ができない…フィルは、友達は必ず俺が助ける!」
弱気なアリスにとってエルの考えてる事が理解できないでいた。
そのアリスにクロが言う
「ねぇアリス、大丈夫だよ!エルは強いから…ボクも不良に絡まれていた所をエルに助けられたんだよ…あの時のエルは本当に強かった」
クロの言葉に弱気だったアリスはだんだんと頑張ろうという気持ちになった。
そしてエルは、アリスとクロをみて言った
「よし、じゃあまず!……どうすればいいんだ?」
アリスとクロに質問するエルを見てクロはため息をついた。
「はぁ…エルは頭は弱いんだよね…。 まずは情報収集から始めないと何もわからないよ」
「それじゃあ治安隊に聞けば……」
「それはダメだよアリス!そんな事したら絶対に治安隊の人に止められる。だからフィルの姿が最後に確認された所を探すんだよ!」
アリスの提案に、すぐさまクロは反対した
「そんなもん聞いてる時間がない!さっさとフィルを襲った犯人見つけたらいいんだ!」
何も考えてないエルに対してクロは、躊躇う事なく言った
「バカエルは黙ってて!とりあえず、ボクはよくわかんないんだけどフィルがよく行きそうな場所とかある?」
「えっと……う〜ん……フィルさんが行きそうな場所……あ!そういえばフィルさん最近修業だとかいって公園に通ってましたけど」
「公園……行ってみよう!」
アリスを先頭に三人はフィルが最近の修業場所にしているという公園へと向かった
三人は公園に着いた。公園といっても子供の遊ぶような遊具などはなく、公園内の真ん中に大きな噴水があり、周りには木々が並んで、その木々の下にベンチが間隔をあけて設置している、主に休憩所のような場所
噴水の近くをはしゃぎ回る子供や、ベンチで休憩する老人などが所々にいた
「ここです!」
「よし、じゃあ情報収集始めよう!エルはここで待機しててね、ボクとアリスで情報収集しに行くから」
エルを一人残してアリスとクロは情報収集に向かった