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episode27 『赤と黒』

episode27

『赤と黒』



[part1]


ウミは剣でソラの胴体を深々と貫く。ソラの純白のクラシカルロリィタ服に赤い花が咲くように赤く広がっていく。


ウミ「あああっっ!!」


ソラ「……ごふっ」


ソラの口から血が一気に溢れ出す。剣が刺されている傷口からも勢いよく血飛沫が上がり、ウミを生温かくする。


ウミ「ソラ!!?」


剣を引き抜いたら、おそらく大量の出血で深淵が赤く浸ってしまうだろう。いや、既に血の海が広がり、再び世界か赤い泡のような空間を形成される。


null「血……?赤い……町?」


辺りは片田舎の町の住宅地。しかし全てが血に覆われて尚且つ、赤い泡が形成されている。更に暗闇の中に大量の『小さな観覧車』が生えたかのように蠢いている。


ウミ「ソラ!!?あああっっーーー!!!」


貫かれたまま仰向けに倒れるソラを支える。ウミは混乱して剣を抜くことができない……抜けば大量出血で致命傷になってしまうと感じ取ったからだ。


null「ウミ!冷静に!まず剣を抜いて!じゃないと傷口がどんどん広がっている!!」


ウミ「…………!!」


ウミには声が届いてない。


nullはソラに刺さった剣を無理矢理引き抜いた。


おびただしい量の出血、血飛沫。全身が赤い服になる程の。ソラは目が虚ろになっていた。


ウミ「…………あああ!!」


ウミ「…………何やってんだよ!!!」


ウミはnullにあたりをつける。冷静な判断が著しく低下していた。


nullは淡々と現状の解析をする。


null「僕達のような強力のグリッチ因子適合者の威力はアベンド達と比べ物にならないほど高い……僕達は不死身で再生するから……死ぬことはないんだけど。それでも傷口の再生を止めるどころか更に悪化させるぐらいの外傷を与えてしまった」


ソラの傷口は本来なら再生しても問題ない程度の怪我だが、刺傷跡が更に横に広がり、深く切り刻んでいる。


ウミはソラの傷口をどうにかしようと必死に確認するが、現状は悪化する一方。


ウミ「うわあぁぁぁぁーー!!治れェェ!!治ってくれ!!!!」


その時、信じられない光景を目にするウミ。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。


null「傷口から……レンズ?」


それも1つではない……2つ、3つ……無数の小さなカメラレンズが次々と血から覗かしてくる。


ウミ「なんだよ……!なんなんだよ!!!」


混乱を超えて発狂の段階に進むウミ。


レンズは生きてるかのように上下にうねうねと動く。


ウミはソラの身体に異常を感じたのか、レンズに触れて除去しようとするが。


null「ウミ!そのレンズ!普段ソラが愛用している一眼レフのカメラと同じグリッチ因子で生まれたもの!!」


ウミ「ソラは……!!ソラは……!!?」


nullがウミを説得させる。


null「まず、君の行為によるジャッジはいい……どうでもいい。今、危惧してるのはソラの異常状態と……ソラの血の影響で」


null「アベンドが寄ってきてる!!」




nullが叫ぶと暗闇の空から羽ばたくような異音、地上からは何かが這い寄ってくる気配、足音がそこら中に響き渡る!!!


nullはコートの下から黒い手を生み出し、ソラを拘束して実質、搬送する形になる。


null「ウミ!ヤツらから撒くよ!!」


ウミ「…………」


彼は放心して動かない。


nullはため息をして無理矢理ウミの手を引っ張り連れて行く。


null「感傷的に浸ってる余裕はない!!」




―――3人の逃走が始まる。



episode27

『END』

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