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9話 戸籍

 -----(大島視点)-----


 会議は一旦終息した。


 その日の会議に参加できなかった者達へとそれぞれが報告を回すそうだ。特に反対する者も出なかったそうだ。




 翌日から遺跡は慌ただしく動き始めた。

 まず行ったのは引越し前に全員の戸籍をきちんと整理する事になったそうだ。


 自己申告だけでなくプラスとして石版が使われた。石版により表示されたステータスボードには氏名が記載されていたからだ。

 それを見て隊員が記載していく。名前以外が自己申告になる。


 年齢と戸籍、現住所もとりまとめようとした。だが若者は戸籍を知らない者が居たり子供でも住所の番地まで言えない者も居た。赤ん坊もしかり。


 実は面白い事が発覚した。石版に触れさせる事で赤ん坊の氏名も判明した。それにより赤ん坊にスキルが無い事がハッキリした。(赤ん坊が12歳になった時スキルを継承するのだが、この時点では知られていない)


 名前、スキル、年齢、性別、わかれば誕生日、地球での住所わかるところまでが作成された。


 引越しが終わり落ち着いたらもっと詳細な戸籍を作成予定だそうだ。


「長く地球に戻れなかった事を考えて、記憶の新しいうちに作っておきたいと言っていました」


 それは隊長情報だ。3佐から聞いたらしい。自衛隊では本当に色々と考えてくれているんだな。


「市役所勤務の方からの進言があったそうです。皆さん前向きでありがたいですね」



 なるほど。今までジッと避難に徹していた人達も、動き始めたって事か。


 戸籍作成に続き、おおまかな職業選択と仮の代表者も決定したらしい。土建関係は代表者だけでなくその職を選択した者達が一斉に出発した。

 彼らが残していった物資を回収、仏間へ収納して清見が動かせるか確認する。



「どう? 清みん」


「うん? うーん? 別に変わらない気がする」


「変わらないって重さがって事?」


「うん、や、そんな普段から仏間を持ち歩かないからよくわからないな。前からこの重さかって聞かれるとちょっと自信ないな」


「あ、では仏間へ入れた荷物を出してみましょうか? それで持っていただいてどう変わるかを確認してみらいましょう」



 皆で仏間へ入れた畳やら布団を出して庭(地面)へおいた。

 その後、清みんが仏間の端を持って地面から少し浮かせて数歩だけ歩く。



「清見、ちょっとその辺を歩いてみてくれ」


「えー、だって木があるじゃん」


「うん、この際、木は気にするな」


「えー、気になるよ」


「いーからいーから」


「もう」



 橘さんとのやりとりの後、清みんはぶつぶつ言いながら仏間を引っ張って遺跡を背に森側へと突入していく。


ベギベギベギベギ ドガガガガガガガ



 100メートルくらい行ったと思うとUターンしてきた。



「どうだった?」


「うん? 普通?」


「特に重くはない、って事か」



 仏間から出した畳は産院前へ持って行かれた。

 産院に居た人達の移動が終わったら中へと運び入れるが、それまでは邪魔だから、外に置いておくそうだ。

 大物の荷物は産院と仏間で最後に運ぶ算段になっている。



 遺跡避難所の皆はせっせと引越し準備で荷物整理を始めていた。自分達で持っていく物、重く大きいなどの理由で預ける物にはわかるように名前を書いていた。


 自衛隊の3分の2と土建関係組で、合計100名以上が第一陣として出発していた。

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