68話 階段の謎
-----(清見視点)-----
前の時もだが、地下1階層は魔物と出会わずに、螺旋階段まで辿り着く。
階段前のスペースまで来るとそこに階段は出ているのだ。
だが、階段を降りきると階段は消える。どう言う仕組みだ? 他の人があそこに来ると階段は出るのだろうか?
あ。
「ああああああ」
「どした! 清みん」
「清見君、どうしました!」
俺がいきなり叫んだので、3佐達を慌てさせてしまった。
「あ、あの、その」
「落ち着け、清みん」
「ふー、はぁ。あの、ですね。螺旋階段、なんですが、地下1階では魔物を倒さなくても階段は出てるじゃないですか?」
「そうだな。そして俺たちが降りたら消えた」
「でも、きっと、次に来た人があそこ、階段があったあそこに来たらまた階段は出るんです。デスエの近所の迷宮の地下10階層と9階層の間の階段、魔物が弱くていつも誰かが倒しているから階段が出てると思ってましたが、そうじゃなくていつも誰か踏んでいたら?」
大島氏と3佐が雷に打たれたような衝撃を受けた。
「なんてこった、そういう事か」
「まさか、それとは気がつきませんでした」
「どういう事ですか?」
自衛官さんはイマイチわかっていないようだった。
「自動扉って踏むと開きますよね。それと一緒で、地下1階層の階段前は踏むと地下2階層への階段が現れる。逆はない。地下2階層で踏んでも上への階段は出ない。多分それは魔物を倒すで合っていると思う。ゴキホイと一緒。入るのは容易いけど出られない。あ、ちょっと違うか。降りるのは容易いけど登るのは試練付き、みたいな?」
「なるほど。理解いたしました」
「それで、ちょっと戻りませんか?」
俺たちは今、地下2階層まで来てしまっている。けど今ならまだ戻りやすい。
「地上待機班から数名、階段の所に居てもらいましょう。地下1階は魔物が出ませんでしたよね? 前も今も」
「それで、階段を確保してもらうのですね」
「けど、清みん。地下1〜地下2はそれでいいけど、地下2階から下は魔物が出る。そこで待機は厳しいぞ?」
「うん。でも、地下1階だけでもだいぶ助かるでしょ? それに前回引っかかったあの地下2階層の広場、あそこってプチボス部屋っぽいって思った」
「プチボス部屋?」
この世界は俺たちが知っているゲームやアニメとは違うとわかっている。でも、若干似てる部分もある。
迷宮の最下層にボスが居て、ボスを倒すとコアにより迷宮踏破が完了する。
うん、それはよくある話。ゲームとかで。
下に行くほど魔物が強くなる。これもありがち。
だけど違うのは、地下10階層あたり、階層というか俺は深さだと思っているんだが、深さ100mくらいを堺に、下へ行くほど魔物が強く、逆に上に行っても魔物が強くなると聞いた。
その100mという境が何なのかはわからないけど、100m近辺は魔物が一番弱いから街も作りやすいって。
「つまり、地下10階から上に向かって魔物が強敵になる、地下一階は魔物が居なかった。ってことは、地下10から地下1で、ここ地下2階層の魔物が一番強いんだよね。最下層がボス戦なら、地上に近い地下2階はプチボス戦かなって思った」
「ああ、だから、あの広場か」
「うん、あそこ、あの先に進んでいないから絶対とは言えないけど、あそこプチボス部屋じゃない?」
「なるほど。しかしあの時部屋が崩壊した音がしましたね。確認に戻る事はなかったですが」
「では、下へ向かうのは不可能では……」
自衛官さんと3佐が不安そうにお互いを見合う。
「踏破済みの死んだ迷宮なら崩れっぱなしだろうけど、ここは生きた迷宮だし、俺は広場は復活していると思う」
「確かに。生きた迷宮なら魔物がリポップするくらいなんだから崩れた空間も戻りそうだな。まぁそれはこれから進んでみればわかる」
「けど、その前に一旦戻って、上で踏んでいてもらいましょう」
「ここまで来るのに見逃した魔物もいるからこちらから階段復活も今なら簡単だろうし」
「そうですね」
全員が頷きあう。
「そうと決まれば」
猛ダッシュで地下2階の通路を走り抜ける。出口近辺でスピードを落として魔物を引っ張り、出口でポヨンさんに倒して貰う。
現れた階段を駆け上り、俺と大島氏を残して3佐達が地下1階をかけていった。自衛隊の体力よ。
ほどなくして数人で戻ってきた。
俺と大島氏がそこに居る間、階段は消えなかった。が、少し離れて見たが、そこからだと階段が消えたかどうかはわからなかった。
仕方なく階段前で待っていた。
俺ら4人が階段を降りて、今までなら少しして消えてしまった階段も、今は地下1階層の所に隊員がいるせいか、階段は消えない。
踏んでみたがしっかりとした石段だ。何度か上り下りをした。うん、階段はちゃんとそこにあった。




