63話 マンモ豚
-----(大島視点)-----
俺達は2階層の入口の階段へ向かって早足に歩いた。
さっきのあの広場から出てきた魔物は通路のあちらこちらへと散らばったようだ。
たまにひょろっと出てくるが、ポヨン氏らに倒してもらう。
「そろそろか、あと15分も進めば入口だ」
「ここからは、魔物は倒さずに引いていきましょう」
「そうだな。全員大島君のボックス内に集まって進むぞ」
「10体ほど引ければいいですね。それ以上はポヨンさんらに倒してもらいましょう」
俺の左右に3佐と自衛官、そして後ろを清みんが歩く。俺の腰のベルトをしっかりと掴んでいる。
俺らに気がついた魔物が寄ってくるがボックスに阻まれて、キイキイ言いながらついてくる。
階段出現の肥やしになるとは知らずに。
「あと、穴ふたつですね。最後の穴を潜り抜けたらポヨンさんらにやってもらいましょう。階段が現れたら我々は一目散に登りますよ。清見君は足を滑らせないように」
「わ、わかった。壁際を行く」
「では自分が横でフォローします」
俺のボックスのまわりでは魔物がギイギイとうるさい。もう少し待て。
「清みん、3佐が合図を出すから、そしたらポヨンさんにコイツらを倒させてな」
「うん。わかった」
最後の穴を潜った。先に階段があった空間が見えた。戻ってこれた。良かった。
「清見君、お願いします」
「はい、ポヨン君、こいつら倒して! みんなもお願い」
今まで大人しく離れて地面を着いてきていたスライム達が一斉に魔物に飛びついた。
魔物達は攻撃をしてこないスライムに油断をしていたのか、あっという間に首を飛ばされた。
そして、目の前には地下1階層へ上がる階段が出現した。
「行きますよ!」
「おう」
「はい」
「はい」
階段を踏み外さないように、けれど足早に登っていく。
大丈夫。
階段はまだ消えない。
遠いと思った1階層の入口が目の前に現れた。俺達はそこに飛び込んだ。
「よかったぁ」
「帰ってこられましたね」
「どうなることかと思いましたよ」
「まったくまいった。まさか、こんな事になるとは」
俺達は迷宮の地下1階層の地面に座り込んで、戻れた幸せに少しだけ浸っていた。
そこに居た自衛官達も大声をあげて仲間を呼びにいったり喜んだりしていた。
そもそも、俺と清みんは森へ大型の魔物のテイムに来たんだった。
絹田3佐達は、迷宮の地上部分の確認に来ただけだった。
まさか『生きた迷宮』に閉じ込められる事になるとは思わなかった。
清みんは背負っていたリュックを地面に下ろして、寝転がっていた。
清みんのスライムは、今は4体とも地面に、清みんのそばにいる。リュックからは全員出ている。
空っぽのはずの清みんのリュックが、モゾモゾと動いている?
「清みん、何持って帰ってきた?」
「え……、ええと?」




