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俺たちYOEEEEEE?のに異世界の迷宮に居るっぽい  作者: くまの香


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45/72

45話 救助方法

 -----(清見視点)-----


『どうやってニッポン街へ移動するか』


 そう、問題は今ここ本営に集まった避難民及び自衛隊員全員を、どうやって『ニッポン』まで移動させるか、だ。


 怪我人や子供はいい。仏間、託児所、ミニバンに入ってもらい、コアラパンダで引けばいい。それでも4〜5日くらいはかかる。


 自衛隊員達は、森の中を静かに移動する事は可能だろう。魔虫くらいなら何とかなるかもしれない。

 しかし何箇所かあった魔獣が落ちてくる危険地帯はどうだろう。気づかれずに通り過ぎる事が出来ればいいが、一度でも気づかれたら恐らく全滅だ。


 そして民間人。しかも痩せて体力もない、気力もかなり削がれている人達だ。とてもあの危険な森を徒歩で数日間は無理だ。

 となると……。



「仏間って、何人くらい入れるかな。……16畳だろ? 膝を抱えて体育座りだと一畳に5人……いや、6人はいけるか?……とすると6かける16で……96? ん? 結構いけるな。100人が仏間に体育座り、残りは40〜50くらい、だっけ? 押入れに……、あれ?全然いけそうじゃないか?」


「清みん、清みん、仏間が沈むぞ。仮に沈まないとしてもその重たい仏間をどうやって引くんだ? コアラパンダだけじゃ難しいと思うぞ」


「うわ、そっかぁ。そっちの問題もあった。重くなった仏間かぁ」


「それだけじゃない。4日間の体育座りなんて、どんな拷問だよ。ぎゅう混みの通勤電車だって乗っていられるのはせいぜい1時間が限度だろ。半日乗ってたら死人が出るぞ?」


「そうだねぇ。通勤電車ほど混んでないけど、仏間で死人が出たら嫌だなぁ」



 いい案だと思ったけど無理かぁ。



 大島氏と小声で話していたつもりだったが、気がつくと周りのみながこちらを見ていた。


 猫がコタツに入りたくなる気持ちがわかる。誰にも見られない空間に行きたい。あ、俺の仏間(押入れ)がすぐそこにあった。

 大島氏にガッと腕を掴まれた。逃げようとしたのが何故バレた?



「清見君には大変申し訳ありませんが、仏間を引いて往復していただくのをお願いしたいと考えております。怪我人と子供だけでも街へ送りたい」


「そうしていただければさらに食糧を持ってきていただけますね」


「けれど往復で10日はかかりますね」



 ここで場が騒ついた。会議に参加していた民間人の人達だ。


 災害で川が氾濫して屋根に避難していて、やっと救助のヘリコプターが来たのに定員オーバーで置いていかれる気持ち、だろうな。



「まぁ今までも何とかやり過ごしてこれたので、10日なら……。先の見えなかった昨日までと違い、今度は10日後に期待を持てますから」


「1番の問題は清みんが10日間歩き通せるか、だよな」



 責めるような視線はこの避難所の民間人や自衛官だな。憐んでいるような視線は『ニッポン』からの自衛官達だ。俺のヘタレさを知っている人達。


 俺だって、ミニバンママさんみたいに、仏間に乗って魔獣に仏間を引いてほしい。

 でも、それを口にしたら、危険な狩場に連れていかれるよな。


 うー、どっちがマシだ? 危険な狩場で凶暴な魔獣のテイムか? 

 それとも10日間の耐久ウォーキングか?



「そういえば、託児ルームの保育士さんはここまでルームを引いてきたんですか?」


「はい。そのように教わりましたから……」



 大島氏の問いにちょっとだけ年配の女性が答えた。ああ、大島氏は俺と同じ事を考えていそうだ。



「あの……他に、ルームの移動方法があるんですか? 例えば、宙に浮くとか、勝手に動くとか……」



 大島氏が俺をチラリと見てスマンという顔をして話し出した。



「あそこに停まってるミニバンですが、エンジンはかかりませんが持ち主が引き摺らなくても動かせます。魔獣をテイムして引かせる事が出来ます」


「あ、はい。私が持ち主です」



 そう言って立ち上がったミニバンママさんは、仏間の裏に停めたバンへと向かい、戻ってきた時には2体のコアラパンダを連れていた。



「うちの桜さんと小菊さんです。彼女らがバンを引いてくれるので、私は子供と一緒に中に座ってるだけです」



 まわりから「おお!」といった羨望の声が響いた。


 するとミズ保育士が目を見開いた。因みにミスかミセスか俺は知らないのでとりあえず『ミズ』と呼ぼうと決めたのだ。

 ミズ保育士が、ミニバンママさんとこの桜さんに近づいた。



「私もテイム出来るかしら。キッズルームから指示して部屋を運んでくれたらラクでいいわぁ。あの、どこで仲良くなったんです?」



 ミズとミニが奥様井戸端会議になっている。絹田3佐が苦笑いをしたあとに俺に視線を合わせた。


 はぁ、わかってます。そっちか。テイムに行けって事ですね。



「ふむ。往復10日を繰り返すにしても、清見君に魔獣をテイムして貰うのが1番の早道ですね」



 女性であるミズ保育士が魔獣テイムに積極的になっているのに、俺が尻込みをしていられない。いや、したいよ?尻込み。したいけどさ。


 ガリガリに痩せたこの人達を前に嫌だ怖いと言ってられない。

 それはもう受け入れた。けど一応それ以外も、ちょっと言っておこうかな。



「あの、うん、あの、テイムは頑張ります。……それとは別に気になってる事を2点……」


「どうぞ、清見君」


「えと、まず一点。ここまで来るのに仏間がつけた道。木々を薙ぎ倒しているから、今後は通りやすい、と思うし、迷わず行けるし、スピードアップも?出来ると、思う」


「おお、なるほど」


「それから、もう一点。……あの、ここの位置。俺は殆どと言うかまったく地図を見てないからよくわからないけど、ここらの下に、その……地下都市、無いかな?」



 だって、地上より地下の方が安全なんだよ。

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