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俺たちYOEEEEEE?のに異世界の迷宮に居るっぽい  作者: くまの香


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33/72

33話 割れ岩の避難所

 -----(大島視点)-----


 割れた大岩向こうから幾つかの頭がひょこひょこと出てきた。



 大岩を滑り降りるように出てきた数人はかなり汚れてやつれていたが迷彩服だったので自衛隊員だろう。


 杉田さんと乃木さんは大声をあげて向こうの人と抱き合っていた。

 こちらは警戒を怠らない。俺らにとっては初めての場所、どんな敵がいるかわからない。


 絹田3佐は清みんを仏間へと押し上げた。

 畳を靴で踏みたくないのか清みんは足を上げた四つん這いで仏間の奥、押入れの方へと移動していた。

 俺はボックスを意識しながら構えた。

 

 杉田さんらはひとしきり感動の抱擁をした後に仲間をこちらへと連れてきた。

 彼らの顔がこれでもかというくらい口が大きく開いていた。目も見開いていた。


 俺はもう慣れた。たぶんこの先、俺らと会う避難民達が毎度同じ表情になる事は予測がつく。


 気がついたら知らない場所に居て、そこは荒廃した世界、恐ろしい化け物、そんな中でなんとか生き抜いたある日、目の前に和室だからな。

 大丈夫です、あなた方の気持ちはよくわかります。



 絹田3佐が救援物資の運び出しを部下に命じていた。

 ここから先は岩が多く、仏間の移動は難しい。となると自衛官達が運ぶ事になる。



「大島君」



 あー、はいはい。俺も一緒に、ですね。



「清みん、留守番お願いね」


「うん。大島氏も気をつけてね」



 荷物を背負った自衛官5人、絹田3佐、スライム持ち自衛官2名、俺の合計11名で岩向こうの避難所へ向かう。





 幾つかの岩……巨大な石か?を超えていくと、石に挟まったようにバスがあった。それと、車も2台、別々の場所だが挟まっていた。


 これは、もしかすると空間スキル持ちが居るかもしれない。絹田3佐も目を輝かせていた。


 バスを中心に避難民が集まっていた。自衛官5名、民間人が13名。絹田3佐は部下に命令して早速荷物から水や食料を出して直ぐに食べられる物を配らせた。


 皆、泣き出した。子供は……、お、いた。中学生くらいか? 少年がふたり。



「乳児用の食事を入れてきたのは誰だ?」



 隊員の声が聞こえた方へ顔を向けると親子発見。

 3佐に支持を受けた隊員は背負ったバッグからミルクや乳児用のパックを出して渡していた。受け取ったお母さんは大泣きだ。

 清みんを置いてきて良かった。清みんが見たら絶対につられて号泣するな。



 民間人13名(うち子供3)、自衛官5、杉田、乃木は別とすると、合計で18名か。


 今回はとにかく各避難所に食糧を届ける事、場所の把握、そして避難所本営との話し合いが目的だ。


 ゆっくり食事を摂ってもらっている中を絹田3佐がまわり、話を聞いている。恐らくスキルの事だろう。


 ここから見えるだけでバス1台と車2台か。もしも空間スキルが『子供必須』だとしたら、ここに居る子供と言えるのは3名。中学生の少年が2名と赤ん坊。



 絹田3佐が戻ってきた。



「少年ふたりはバスに乗っていた。が、スキルは無しだ。赤ん坊の親子があそこの赤いミニバンの持ち主、母親にスキルがあった。しかしやはり車はエンジンが動かないそうだ」


「おお、スキル持ちが居た! エンジンが動かなくてもどうせ持ち運びだからいいんじゃないか」


「もう一台の車はあそこに置き去りにされていたそうだ」



 持ち主の親子は離れてしまったかぁ。スキルは消えても生きていることを祈る



「バスのスキル持ちも移動したのか」


「少年らに聞いたが、最初の日にここから去ったグループの中に親子がいたそうだ。今いる残り9名のうち、バスに残った5名、それから他4名はどこかから来たそうだ」



「それでどうするんですか? 避難所を回るのに彼らも連れて行くんですか? それとも後で回収?」


「予定では本営との話し合いにより今後の計画を立てるつもりだった。各避難所へは数日間の食糧を配布する予定だ」


「けど子供や赤ん坊を見ちゃうと……ですね」


「あの、親子と少年達だけでも連れていけませんかね」



 杉田さんが会話に入ってきた。



「次の避難所までどのくらいです? それとそこの規模」


「次も小さいです。次は残骸が無い場所でそこに少数でいます。ここから2時間くらいですかね。人数は民間人3名、自衛官2名です」


「そんな少数で、しかもここから近いのに何故ここと合流しない?」


「もしかして揉めているのですか?」


「いえ、その3名は怪我人で移動が難しいです。2名の自衛官も怪我を負っております」



 あーなるほど。他の人の迷惑になりたくない人か。怪我をして動けず、ただでさえ足りない食糧、何かを探しに行くことも獲りに行く事もできない。皆の足枷でしかない。


 キツイな。たぶん、そこで終わりを迎える気だったんじゃないか。

 それに、助けたくても助けられない者達も辛いな。誰も皆いっぱいいっぱいか。



「その次の避難所は?」


「その先は遠いです。一応本営と呼んでいる所なんですが。電車の車両が2台連なり木のある場所にあります」


「ここからどのくらい? それと木のある場所って事は魔虫とかいる?」


「はい。います。小さめの、それが我々の食糧になっています。とは言え地球規模だとかなり大きいですから油断すると自分達が食糧になってしまてます」


「そんな場所に本営が……」


「ですが、車内にいると襲われないので何とか今までやってこれました」


「で、ここからどのくらい?」


「…………3日、でしょうか。1日10時間ほど歩いて」


「うわっ遠いなぁ」


「他の避難所は?」


「はい。本営の向こう側になりますが、小さいのが幾つかあります」


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― 新着の感想 ―
この異世界過酷過ぎて行きたく無いです(^_^;)清みんには癒されますファイト! 毎日の更新有りがとうございます(^-^)風邪流行ってるので気を付けて下さいね
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