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俺たちYOEEEEEE?のに異世界の迷宮に居るっぽい  作者: くまの香


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26話 救助御一行

 -----(大島視点)-----


 ニッポンの地上部、仏間に、突然現れたそのふたりは乃木と杉田と名乗り、ふたりとも一般の民間人だった。


 勿論彼らの避難所には自衛隊員も居るらしいが、それほど多くなく動ける一般人は率先して動いているらしい。


 乃木さんらは食糧を求めて森の中を探索していて、俺らが引越しの時に地面につけた建物を引き摺った跡を見つけてここに辿り着いたそうだ。




 各建物からの物資運び出しに急遽ストップがかけられた。


 どうやら再生した食糧をニッポン街へ運び込まずに、まずは彼らの避難所へ救援物資として送る事にするようだ。



 下(ニッポン街)から隊員達がゾロゾロと地上へ上がってくる。

 恐らく、俺と清みんも同行する事になるだろう。


 いざという時はどうしても俺の『完全防御』と清みんのポヨン氏らが頼みの綱になる。




「清みん、今一緒にいるのはポヨン氏だけか?」


「あ、昨日はふるふるさんがうちに泊まったからポヨン君とふるふるさんが居るよ?」



 清みんが押入れの襖を少し開けて顔を出した。



「他は下に?」


「いや。いつも一緒に居るのがポヨン君で、他は誰かひとりが朝の訓練で一緒に下についてきて下で一泊する。昨日はふるふるさんがついてきて今朝一緒に戻ってきたとこ。今日は誰かなぁ。おとといがパミュンちゃんだったから今日はプルン君かな?」


「って事は、ポヨンさん以外は常に地上に居るのか」


「うん。地上には居るけど、どこかなぁ。自由行動だから遊びに出てるんだよ」



 そう言いつつ押入れから出た清みんは、開いている障子から顔を出して外へ向かって叫んだ。



「みんなぁー、どこだぁー。集合してくださーい」



 ポヨンさんは清みんの頭にジャンプしてズリ落ちた。足元には……すまん、俺にはどれが誰か区別がつかんが、直ぐに3体のスライムが清みんの足元に揃った。



「みんな結構近場に居たんだ」



 清みんはしゃがみ込んでスライム達をこねくり回し……撫ででいた。


 しかし、スライムの区別は難しい。

 顔が無い。スタイル……も、無い。首輪も付けられない。強いて違いをあげるなら色だろうか。


 バスルームのママさんのスライムは薄いグリーンなのでわかりやすい。名前もバスグリンさんだったな。

 それ以外はいまひとつ区別がつかない。だいたいが薄いグレーと茶色が混ざったような色だ。並べば若干の色の違いに気がつくが、一体だけ通りすぎてもそれが誰かはわからない。



 清みんのところはグレーより薄茶色が濃いか? 清みん曰く、わらび餅色だそうだ。…………集めているのか?そのわらび餅が4体並ぶ。


 直径20cmくらいか、1番色の濃いわらび餅がポヨンさんだそうだ。残り3体は若干小さいな。プルンさん、ふるふるさん、パミュンさんだそうだ。同じに見える。


 並んだ4体と清みんが俺を見た。(いや、スライムが俺を見たかは知らん)



「あー、多分だが、俺らも救出チームに組み込まれるぞ?」



 清みんが「あっ」という顔になったあと「え……」とちょっと嫌そうな顔になった。本当にわかりやすいな。


 隊長からの指示がなくともママさん達は既に弁当作りに動き出していた。




 自衛隊は、持っていく荷物(食糧)が多いせいか、かなりの大所帯になった。とはいえ民間人は俺と清みんだけなので、安心感はある。



 乃木さんが持っていた手帳に描いていた地図を自衛隊で作成した地図に落とし込むように付け加えていた。

 こちらとしても彼らの避難所は未知の領域になる。


 本当なら地下を進んだ方が安全性は高いのだが、いかんせん、救助者達がいる場所から地下に降りれる保証はない。

 結局危険でも地上を突っ切るしかない。




 準備が整ったようだ。自衛隊40名と俺らで出発する。救助は時間との勝負だ。

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