登場人物紹介~第20話まで
20話までの登場人物について解説しております。
一部ネタバレ要素も含みますので、ご注意ください。
【登場人物紹介】
■ヌル(偽名:ノイル)
元は無名のスライム。セレフィーネ王女に使役されていたが、彼女の死と共にその肉体と記憶を喰らい、知性を獲得。以後、彼女の遺志を継ぐべく王都へ潜入し、記録と記憶の深層に挑む。
血や肉片から記憶の断片を読み取る能力を持ち、さらに“逆記”や“分身体”といった異能を進化的に獲得。
現在は「ノイル」という偽名で人間に擬態し、行政庁舎に潜伏中。
■セレフィーネ・アストルナ(第三王女)
アストルナ王国の第三王女。表向きは修道院へ移送中に野盗の襲撃で命を落としたとされているが、真相は王族内の陰謀による暗殺計画の被害者。
人としての強さと優しさを併せ持ち、ヌル(当時はただのスライム)に名と役割を与えた恩人でもある。その死と記憶はヌルの中に生き続け、物語の根幹を成している。
■ザランディーン
表向きは蝙蝠通りの古書商を営む老紳士。しかしその正体は、裏通りの情報網を束ねる「記録の商人」。多くを語らず、飄々とした立ち居振る舞いをするが、情報に関する執着と分析力は群を抜いている。
ノイルがスライムであることを初対面で見抜き、その能力と意思を見込んで協力関係を築く。真の目的は未だ明かされていないが、彼の動向は物語の中で静かに鍵を握っている。
■ロドリクセイン
記録局に所属する“特記官”。かつてギョームに金を渡し、護送任務を偽装した裏工作の記録に関わった人物。
その実態は、記録改竄や抹消命令を取り扱う裏の権限を持った存在であり、ある事件をきっかけにその正体がノイルに知られることとなる。
■ルシウス(第一王子)
アストルナ王国の第一王子。表面上は王位継承において有利な立場にあるが、裏ではセレフィーネの存在を“障害”と見做していた可能性が示唆されている。
冷静かつ計算高い人物と評される一方、感情を表に出さないため真意は不明。
■カイル(第二王子)
ルシウスの弟であり、王位継承においては一歩劣る立場。だが同様に、セレフィーネの存在を危険視していた形跡がある。
兄とは異なり、感情的な言動や行動の痕跡もあり、側近との関係が陰謀の糸口として浮上している。
■ガロス・ベイルハート
元近衛騎士。王家に忠誠を誓い、かつて王の命を救ったことで隻眼となり、その後引退。今は王都の西区にて隠遁生活を送る老騎士。
セレフィーネに剣を教えた恩師であり、彼女の死に違和感を覚えて独自に調査を進めている。
■ギョーム
もとは王女護送馬車の御者を務めていた男。裏で賄賂を受け取り、王女の行き先を売ったことで護送隊の壊滅に加担。
家族を守るためという名目だったが、最期にはその罪と記憶をヌルに喰われ、消される。