表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/19

第4話 盗賊との闘い

「で、この村で何をするんですの? 国王から行けと言われましたけど、何をしたら言いかは聞いていませんわ」

「大丈夫。星があるから」

「星?」

「ストーリーの進行に関係がある人の頭には、星マークがついてるんだよ。ただのモブにはついてない。昔はしらみつぶしに話かけなきゃいけなかったけど、最近はユーザーに甘いからなぁ」

「よくわかりませんけど、星ってあれですの?」


目の前で、頭の上で星がピカピカ光っている男の子が僕たちを見ていた。

「僕たちに何か用かな?」

「盗賊に盗まれた村の宝を取り戻してほしいんだ」

序盤が盗賊退治というのもテンプレだ。

「わかった。盗賊のアジトはどこにあるの?」

「村の西のほうだよ」

「よし、じゃあ僕たちが取り戻してくるよ」


こうして、僕とジャンヌは盗賊のアジトに向かった。

途中、モンスターたちが現れる。

さすがにジャンヌも、くだものナイフ1本では苦戦している。


挿絵(By みてみん)


僕もこん棒で加勢する。


こうして、盗賊のアジトに到着した。

次々とモブの盗賊が現れるが、順当に倒していく。


そしてとうとう、盗賊のボスとの闘いになる。


挿絵(By みてみん)


「ふん。ここまで来るとはな。しかしオレは倒せんぞ!」

盗賊は2本のダガーを構える。

そして、ジャンヌに斬りかかる。

「くぅ! 速い!」

盗賊は、目にもとまらぬ速さで斬撃を繰り出す。

どんどん追いつめられるジャンヌ。

「ダガー2本に対して、くだものナイフ1本では分が悪いですわ!」

「まかせろ! スピーダ!」

すると、ジャンヌの体が淡く光る。

「速度を上げる魔法だ! 10秒しかもたないから、早く!」

「たまには役に立ちますわね! いきますわよ! 疾風斬!」


ジャンヌのナイフによる斬撃は盗賊のダガー2本を吹き飛ばし、さらにマントも切り裂く。

すると、そこに現れたのは。女の子だった。

まぁ、よくある展開だけど。


挿絵(By みてみん)


「ふん、やるな。しかし宝は渡さん」

そう言うと、盗賊は何かを投げた。

すると、モクモクと煙が立ち込める。

煙玉だ。逃げる気か。

「そうはさせない。エアリア!」

今度は風圧を起こす風魔法だ。

さらに、風の刃で切り裂く。

盗賊はどこにいるかわからないので、範囲は全体に設定した。


「くっ!」

煙は吹き飛び、盗賊の姿が現れる。

ダメージは浅い。


「ちょっと! 何するんですの!」

「え?」

振り返ると、ジャンヌの服がボロボロになっていた。

というか、ジャンヌのほうがダメージが大きい。

しまった。

魔法を全範囲に指定したときに、ジャンヌまで巻き込んでしまった。

体を隠すため、ナイフを落としてしまっている。


「チャンス!」

盗賊は、ここぞとばかりに格闘術でジャンヌを攻撃する。

くそ! ならば。


「デバリア!」


敵の防御力を下げるデバフ魔法だ。

これで、ジャンヌも少しは楽になるはず。

と思っていると

「きゃああ!」


なんと、盗賊の服がどんどん減っていく。

あ、防御力を下げるって、そういう感じ?

「ひゃぁぁ」

盗賊はうずくまっている。


ピロリロテッテテッテーン♪


経験値とお金を入手し、僕はレベルが上がった。

まさか、補助魔法で決着がつくとは。


「さあ、村の宝を返してもらおうか」

「くっ! 殺せ!」

これまたベタなセリフだな。

すると。


ヒュン!

くだものナイフが飛んできた。

「ちっ! 外れましたわ」

「ななななっ! 何するんだ!」

「殺せって言いましたわ」

「ジャンヌ。こういうときは本当には殺さないんだよ」

「そうなんですの?」


「さて、どうして村の宝を盗んだりしたんだ?」

「オレは親父から、男として育てられた。一人前の盗賊になるためにな。けれど、親父は死んだ。魔王の部下に殺されたんだ。オレは盗賊団を率いることになった。それでまず手始めに、近くの村の宝を狙ったんだ」

「僕たちは、魔王を倒す旅をしている。よかったら一緒に来ないか?」

「ちょっとヒロト。何を言ってるんですの?」

「いやまぁ、なんというか、そういうもんなんだよ」

「いいのか?」

「うん。一緒に魔王を倒そう」

「わかった。オレの名前はリッカ。よろしくな」


こうして、リッカと共に村に戻り、宝物を返した。

すると子どもたちは、リッカのほうを見て言った。

「ありがとう! おねえちゃんたちが取り戻してくれたんだね!」

「ま、まあな。たいしたヤツじゃなかったよ」


いや、盗んだのお前だろ。

こうして、新たな仲間が加わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ