風を求めて。
火照った身体を冷ますように 軽く出掛けるつもりで
気づけば ずいぶん遠くまで 車を走らせていた
ただ風を求めていた 運転席は全開に 助手席は半分だけ
できれば山あいを走らせたかったが 今回は海辺へと向かう
よく行く 川辺ではなかったものの 心地よい風が吹く
車内はバタバタと騒がしくなるが なにも気にならない
ただ突然の来客には驚きを隠せず さりげなく怯えていた
どこからかやってきた 無賃乗車してきた八本足の客は
必死に、張りついていた
運転している最中に、蜘蛛さんが窓際に飛び込んできました。