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幻覚?霊?40の私に見えたもの

三重ルンコは職なし金なし配偶者なしのトリプルナシの40代。死を決心した彼女の前に現れたのはかつての友達、小壺いるかの霊?だった!

暗ーくて狭い部屋

ココはちょっぴり寒くて嫌だから抜け出してみようかな


少ない記憶を頼りに大親友だったあの子の所へ!



【死んでやる】


「はぁ、、、もう良いかな」


私は三重ルンコ

決して洒落ではない。本名だ。この名前のせいなのか自分の性格のせいか。20年前唯一受かった会社を半年前に辞めた。理由は単純ブラックだったからだ。


若い時は根性があったし時代も時代だったから耐えられたが流石にもう限界だった。

私40代。配偶者なし。子供もなし。電気ガス水道全て払う金もなし。だから今日私は死ぬ。そう決めた

両親に遺書も書いた。ボロの愛車の中で一酸化炭素中毒で死ぬ私、、、みんな忘れないでね



「あぁ、、、今日は寒いな、、、」

「ほんとだねー」

「!?」


いつの間にか隣に女の子が座っていた。


「どこから入って!?」

「外!」


あれ?何かこの子どっかで見たことあるような、、、黒髪ロングの、、、目がまん丸で、、、大人っぽくて、、、


あ。思い出した、、、小学生の頃友達だったコツボちゃんだ!でも彼女、事故でとっくに亡くなっているはず、、、だからこれは


「幻覚かぁ、、、」

「違うよルンちゃん!わたしここに、、、」

「懐かしいな、、、その呼び方。あの頃は名前に嫌悪感なんて無かったっけ、、、」

「ねぇ。それより何してるの?」

「私今から死ぬんだよコツボちゃん」

「え、、、」

「会社辞めたんだー。コツボちゃんは良いね。そのままの姿で、、、私は今から死んでもおばちゃんのままだ、、、」

「だめ!!!」バンッ

「は!?」


閉めていたはずのドアが勢いよく開いた。そして何故か私は車の外へぶっ飛ばされていた、、、


「ぎゃっ」ドッ

「わー!大丈夫!?」

「げ、、、幻覚だよな、、、!?」


幻覚にしては打った腰がものすごく痛むような、、、


「ごめんねルンちゃん、、、」

「う、、、うん」


何なんだこの子!?まさかコツボちゃんの霊、、、?


「ルンちゃんはまだ死なないで、、、」

「な、、、泣かないでよ!?私は大丈夫だからね?」

「ルンちゃん、、、」


本当にそうだとしたら何で今、、、?まさか私を助けに?そんなわけ、、、




「ルンちゃんはわたしのこと覚えてる、、、?」

「え?小壺いるかちゃんだよね、、、」


私の幻覚と思わしき、、、


「覚えててくれた!嬉しい!」スカッ

「「あっ」」

「やっぱりすり抜けちゃう、、、」

「ふ、、、」

「?」

「ふふふ!コツボちゃんだ!本当に、、、」

「何?わたし何か変なことしちゃった!?」

「いや、、、何も。ふふ」


嬉しくなるとすぐにハグをしたがる、、、この子やっぱりコツボちゃんだ、、、


「本当にコツボちゃんの霊なの?私の幻覚じゃなくて?」

「霊、、、かどうか分かんないけど冷たい部屋から抜け出して来たの!」

「冷たい、、、?」

「なんだかツルツルしててどこも掴めないの。暗くて窓なんかもない湿った部屋で、、、」

「それって、、、」

「何?何の部屋なの?」


骨壷、、、?


「いや!何でもないよ!それより何で今私のところに来たの?」

「それがわたし、、、記憶がほとんどないの!でも、、、ルンちゃんの所に行きたいって祈ったらここに来れたの」

「そうなんだ、、、」

「でも良かった!ルンちゃんが死んじゃう前に来れて!」

「え、、、」

「わたしルンちゃんの事だーいすきだから絶対死んでほしくないの!」

「!」


「大好き」何十年ぶりに言われたんだろうか、、、


「あ、、、」

「ルンちゃん泣いてる!?」

「ごめ、、、ちょっと、、、」

「わたし何かやっちゃった!?えっと、、、えっと!」

「うわぁ、、、何で泣いてんだ私っ、、、!」


今日こそ死んでやろうと意気込んだ私は何故か30年前に亡くなった友達の霊?と再会した、、、




【約束】

「ルンちゃん!目が真っ赤だよ!」

「そりゃ、、、あんなに泣いたからね。それより」

「なぁに?」

「コツボちゃんよく私だって分かったね、、、こんなに老けたのに、、、」

「分かるよ!だってルンちゃんの目してるもん」

「、、、目?」

「そう!ルンちゃんの目っていつもキラキラして、お空を目指してるみたいな!」

「私、、、目。キラキラしてたの?」

「うん!変わんないよ。ルンちゃん!」

「そ、、、そう」


確かにあの頃は純粋だった、、、それと今の私が変わらない、、、?そんな事って、、、


「ルンちゃん!」

「?」

「わたしね、自分の名前とルンちゃんの事しか覚えてないの!だからね、わたしの事色々教えて欲しいの!」

「コツボちゃん、、、」


貴方は30年前水難事故で亡くなりました。なんて言えないしな、、、


「わ、、、分かった!分かったけどゆっくり時間をかけてでも良い?」

「良いの!?約束!ルンちゃんありがと!」スカッ

「「あっ」」


「そうだった、、、私すり抜けちゃうんだ、、、」

「、、、」

「あ!そうだった、わたしもルンちゃんに約束!」

「?」

「わたし。もう2度とルンちゃんが死んでやる!ってならないようにする!守る!」

「!」

「どうかな、、、?」

「、、、ありがとう。コツボちゃん」

「えぇ!?また泣いて!?」

「私も大好きだったよ」

「!!!」




そうだ。わたしはルンちゃんのこの笑顔が大好きで、、、ルンちゃんにいつも笑っていてほしかったっけ


わたし、、、ルンちゃんといれば自分の事思い出せるかな、、、

大好きなんて、、、本当いつぶり言われたんだろう、、、

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