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第4回

第25回新風舎出版賞、最終審査落選作品(笑)

 次の日の夕飯の際、いつものようにテレビを観ている母親は、俺のバイトがある日を把握していない。正確には、母親は俺が毎日バイトに行っていると思っているに違いない。それは毎日決まって俺が21時過ぎに外出するからだ。しかし、バイトがあるのは週に2、3回程度で、後の日はバイトがなかったが、バイトがない日でもバイトのある日と変わらず21時過ぎに家を出ていた。そうする事が、俺の中での決まり事だった。 

 バイトのシフトは月単位で決まっていて、前の月に自分がスケジュールを決め、その用紙を提出する。週に2回以上出なければいけないという決まりはあるものの、シフト自体は、ほぼ自分の決めた通りに組まれた。

 俺は適当に食事を済ました後、部屋で支度をし、外出すると、いつものように決まったコースを自転車で通り、そしてバイト先の郵便局へと到着すると、そのまま局内へと入って行き、数多くの郵便物が置いてある2階へと階段を上がった。そして誰も居ない事を確認すると、一つの小包に目を止め、辺りを見回し、もう一度誰も居ないことを確認すると、それを右手で抱えた...。

 さき程のように、局内へと入ってきた順路を引き返すと、俺は郵便局を出た。そして小包を自転車のカゴに放り投げると、全力疾走で自転車を飛ばした。それは自分のやった行為が怖くなったからじゃない。やってやったと思ったからでもない。言葉では表現出来ない、その時は、自分自身どうしたいのか分からない感情だった。

 今日のバイトの役割分担表に俺の名前はなかった...。

第5回へ続く...

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