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最終回

第25回新風舎出版賞、最終選考作品

優風ゆうか、クイズやろっか?」

 5才になる娘の優風と湯船に浸かりながら、私は優風にそう言った。

「クイズ〜?どんなの〜?」

「ある時、電車に人が沢山乗っていました。その為、席は空いていません。次の駅に着くと、一人の杖をついたおじいさんが乗ってきました。おじいさんは席に座りたかったのですが、誰も席を譲ってあげませんでした。なぜでしょう?」

「うんとね〜、みんなね〜、じぶんがすわりたかったの〜」

「ブ〜、ハズレです」

「え〜?」

「正解はね、優風がもっと大きくなったらお父さんにまた教えてね」

「うん。わかった」

 いつかこの子が大きくなって、私にその答えを言いにくるその時を、私は心待ちにしようと思う。そして自分の名前の由来を私や妻に聞きにくる事を、これからの生きがいにしようと思う。私が今まで色んな人に与えられた優しさや思いやりや言葉を今度はこの子に与える事が、大人として、そして親としての使命なのではないかと私には分かるから。それが答えだって、今、大人になり、そして親となった今の私には、それが、分かるから...。


 以上で、「優しい風が吹く季節に」は完結となります。今までお読みになって下さった方々、どうもありがとうございました。この作品には、自分の伝えたいことが全て詰まっているので、とても思い入れがあります。ご意見ご感想を下さると嬉しいです。

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