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第12回

第25回新風舎出版賞、最終審査落選作品(笑)

 6月、梅雨の嫌なこの季節、当たり前だが、どんな天候であれ、俺の日課は欠かさない。21時過ぎ、小雨が降る中、今日もあの場所まで自転車で同じコースを走る。この位の雨なら傘などさす必要はない。

 こうして郵便局のバイトを辞めた今でも21時過ぎに必ず家を出て行く理由を、家の連中にはロードワークという事にしている。それなら、何も疑われる事はないだろう。

 時折、capのツバから流れ落ちる雨の雫を気にしながら俺はひたすらあの土手へとペダルをこいだ。次第に街灯の数も減り、視界も悪くなってきた。そして舗道からジャリ道へと変わり、幾度もバランスを崩しそうになった。

 あの事件から1年8ヶ月、俺は今まで奴らを見つけ出す為に色んな所を探し回った。繁華街や飲食店、それにアミューズメントパークやレジャー施設など。だが、奴らを見かけた事は一度もなかった。そうは思いたくないが、最近、奴らの顔がよく思い出せなくなっているような気がする。もし、街で奴らを見かけたり、もしくは奴らがなんらかの形で捕まり、再び俺の前に現れても、果たして俺は、『俺をやったのはこいつらだ!』と言い切れるのだろうか。

 なんだか今日の俺はどこかおかしい。もしかしたら、冷たい雨が俺をそうさせているのかもしれなかった。

第13回へ続く...

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