第六章③ 爆殺公爵
たらふく食べてたっぷり寝た後の朝ってのはいい気分だなぁ!
目が覚めた時にメディちゃんの顔がピント合わないくらい近くにあったのはビックリしたけど…
今日は諜報員さんのお話聞いてから
事前に船の中で思い付いた作戦が使えそうなら場所決めとか機材の購入とか
あれやこれやなんやかんやしちゃいたいなぁ…
けどまだ眠いからもうちょっと寝る…
二度寝だぁ……
メディ「…ンダ君…マンダ君!起きるんだよ!もうブランチの時間なんだよ!」
ぁあ…
頬っぺたペチペチしないで…
でも心地良いから続けてくれぇ…
あれ…ちょっと痛くなってきた
「マンダく~ん!早く起きないとちょっとずつ力込めていくから頬っぺが真っ赤になる前に起きるんだよ!!」
もうすでに結構痛い!起きる!!起きますよ!!
マンダ「メディちゃん!!痛おはよう痛!待って痛もう起きた痛よ!!ストッ痛プ」
「おっはよ~う!!なんだよっ!」
頬っぺたがひりひりする…こんな起こされ方初めて…
「お昼から報告を受けるって言ったはずなのにいつまで寝てるつもりなのさ!朝御飯もう終わっちゃったんだよ!」
「いや…一回起きたんだよ、でもメディちゃんがヨダレ垂らしながら気持ちよさそ~に寝てるもんだからついつい二度寝しちゃって…」
「むぅ!ヨダレなんか垂らしてないんだよ!!」
「そんな酷いこと言うマンダ君にはオシオキなんだよ!ヨダレまみれにしてあげるんだよ!!」
「まっ!?待ってくれ!!メディちゃんのヨダレまみれは嬉しいけどちょっとハード過ぎるって言うか…」
「ご褒美過ぎるって言うか…わぁぁぁあ待って…」
それはもうべっちゃべちゃに舐められた…
頬っぺたを重点的に舐められた…
犬かな?
顔舐めるのが愛情表現になってる犬かな?
メディ「よしっ!これで頬っぺたの炎症も消えたし外に出ても恥ずかしくない顔になったんだよ!」
あれっ?そういえば頬っぺたがひりひりしてない…
やだもぉ!
れっきとした治療行為だったのか!
メディ「ヒューマナタイトも補充出来たし一石二鳥だったんだよ!」
わぁお!ヨダレに炎症止めの効果を混ぜて舐めてただけじゃなくて、口までペロペロしてたのはそう言う事だったのね…
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街中のカフェ
マンダ「カラフルな町だとご飯までカラフルなんだな、色んな色の野菜のサラダとパステルカラーのパスタなんて初めてだ」
メディ「僕は名産のコーヒーにたっぷりのミルクと砂糖でお目目をパッチリさせるのさ!」
ふと視界の端に影が見えたと思ったら、ガタイの良いオッチャンが立ってる…
威圧感すごぉ……
「あっ!お疲れ様なんだよ!それじゃ報告お願いなんだよ!」
恵体オッチャン「……………………………」ぱさっ
「(・ω・*)フムフム...なるほど...了解なんだよ!」
えっ?報告って紙なの?
ブランチ決め込みながらテーブル囲んでオシャレに報告会って思ったのに…
「あの~メディちゃんさん?この方は諜報員さんで良いんだよね?それで報告会とか話し合いとか作戦会議とかは?」
「こんな街中でペラペラと爆殺公爵の情報を喋るわけにはいかないんだよ!紙で報告受けて燃やして証拠隠滅なのさ!」
「そこはスパイっぽいんだな…それでなんか良さげな情報はあった?」
「う~ん…自分自身と触った人類の自在な爆破」
「爆発した後、無傷な事から爆破耐性ありの可能性」
「公爵らしさ溢れる怪物的な身体能力」
「一人言がデカく会話が成り立たない事から耳が悪い可能性」
「人体爆破も好きだが絵画も好みで、良い顔料を探して領域内を巡っている…」
「要約するとこんな感じなのさ!」
「爆破しまくる耳悪い絵描きって事か!?」
「そんな感じなのかも?」
触られたら爆破されてアウト
爆破耐性か…
今まで通り公爵の名前の殺し方も出来なさそうだ
耳が悪い…
《燃え盛る者》の大声でイケるかな?
顔料…顔料でおびき出すか?
出会って即死を防ぐには興味持たれないとな
「じゃあ、先ずは…鉱山巡りかな?」
「鉱山?なんふぁよ?」
いつに間にかサラダをモグモグしてるし…
「そうっ!公爵と対峙する時は、速攻で殺されない様に…から考えなきゃだからな」
「そうなると好きな物をチラつかせて興味持たれないとな!」
「そうなると、顔料を集めるって事なんだよ? 」
「正解っ!まぁ集めるってか、在処を調べるくらいで」
「それじゃ諜報員さん!顔料の産地調べてお願いなんだよ!」
ムチムチガチガチボディの諜報員さんが静かに頷いて
何処かへ歩いて行った…
誘い出し方と即死回避の案は出た
後は殺し方か…
今までの公爵殺しは
意趣返しと言うか
因果応報と言うか
その公爵の名前の通りの殺し方をしてたんだよな
完全に偶然だけど…
意図してないけど…
今回はそれが出来ないな…
だって爆破耐性って…
じゃあどうするかな…
こういう時って日常の生活からポッと
アイデアが出たりするもんだけどなぁ…
「マンダ君!お~いマンダ君!」
「どしたの?メディちゃんやい」
「いくら大好きなマンダ君の事でも頭の中までは読めないから、声に出して欲しいのさ!」
「あっ…ごめんごめん、爆殺公爵の殺し方をね、考えてたんだよ」
「それでぎゅーって潰されたみたいな難しい顔をしてたって事かい?」
「えっ?そんなクシャクシャだった?」
「そりゃもう!なのさ!」
クシャクシャ…潰され…
あぁ…そうか…潰しちまうか…
なにもかも潰したら爆発なんて関係無いもんな
「ははっ!メディちゃん!方向性が決まったぜ!」
「やっぱ日常にヒントはあるもんだな!」
「この会話の中で?あっ!分かったんだよ!」
「今のマンダ君の頭の中なら読めるんだよ!」
「それじゃ以心伝心になった俺達が次に向かうのは~」
「鉱山見学!」
「美術館なんだよ!」
「えっ?」
「えっ?」
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いきなり鉱山巡りは情緒も雰囲気もへったくれも無いから
少しだけメディちゃんとデートをする事にした
美術館を見てみたけど…何にもわかんねぇ…
どう見たって落書きにしか見えないのが、ご丁寧に飾られてた。
彫刻は少しだけ美しいと思ったけど…それだけだったな…
メディちゃんは、なんかキラキラニコニコしながら見てたけど、俺にはメディちゃんの芸術的な笑顔見てた方が有意義だったな!
その後は町ブラをした
何度見てもカラフルな町並みってのは不思議だ
酔っぱらって帰っても間違えて隣家に行っちまう事は無さそうだ
メディちゃんにラグド市にもこんな通りを作っても良いんじゃないか?って聞いてみたけど
「その土地その土地の根付いた特色っていうのが侘び寂びなんだよ!」
わびさび?
わからん…
まぁ…ラグド市に作るよりも、ここに見に来る方が感動しそうだもんな!
関係無いけど
わびさびメディちゃん
って字面可愛くないか?
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ということで仲良く手を繋いで廃鉱山まで来た
10数年前に岩盤が脆くて落盤事故が多発したって事で
この鉱山は立ち入り禁止になったんだってよ
爆殺公爵との対決場所を決めたくて色々な所を廻ってみたけど
誘い込むにはここが良さそうだ
幻の顔料があるとか、新発見の顔料を見つけたとか
なんかでっち上げて、ここに呼ぶ
「マンダ君、ここなんだか今にも崩れそうなんだよ…」
「その崩れそうなのが良いんだよ!うってつけだ!」
「崩れちゃったら潰れちゃうんだよ!」
「そうっ!それっ!」
「お…お…大声でも崩そうなんだよぉ…」
メディちゃんはててて~って出口まで走って行っちゃった…
まぁ…崩れるのは怖いよな
けどこれが良い!これで良い!
場所も決まった
殺し方は圧殺
対決場所は廃鉱山
後は…
発明品だな…
発明品かぁ…
圧し潰す…圧殺…
爆発にも耐える大きさ?重量?質量?
あぁ…考えれば考えるほど
トンデモなくデカい物しか浮かばない…
準備時間も物資も人手もたくさん必要だ…
でも他の人類にあんまり殺人公爵殺しの手伝いをさせちゃうのはなぁ…
気が引けるんだよなぁ…
だってこれってあくまで個人的な復讐だからなぁ…
まぁ…後の事は宿に帰ってからにしよう
なんかメディちゃんが隣に居ないとムズムズしてきた
「さぁ!帰ろう!」
「メディちゃ~ん!!待ってくれよ~!!」
薄暗くて見えないが遠くの方から反響しても可愛い声が聞こえてきた
「マンダく~ん!置いていっちゃうんだよ~!」
足取りは軽い、呼吸も苦しくない。
つまり順調って事だ。
今日のところはそれで良いだろう。




