第五章③ 焼殺公爵
さて、焼殺公爵の武器対策は耐火ポンチョで良いはずだけど…バーナーの方は分かる使ったことがあるから、けど火炎放射器ってなんだ?文字通りに捉えていいんだよな?
マンダ「なぁ?メディちゃんさっき言ってた火炎放射器ってどんな兵器なんだ?」
メディ「う~んとね…ガス詰めたボンベで燃料を噴き出させて目の前を炎だらけにしちゃう兵器なのさ!この世界では雪害とか雑草処理に使われてるけど…他の世界では人類を燃やすために使ってたんだよ…」
マンダ「そりゃ…ひどい兵器だな…でもガスで噴射か…」
そういえば発明家のジイサンがボンベにガス詰めてパイルバンカー射出してたな…俺の身体が吹き飛んだ原因でもあるけど…なんか使えそうな気がするな…覚えておこう
メディ「最近ではボンベに色々な気体を詰めて運んでいるのさ!炭酸に水素にアンモニアに工業化の影響でボンベフィーバーさ!」
マンダ「ははぁ~ん!だから発明家のジイサンも使ってやがったのか!」
メディ「腹ごなしも終わったし、それじゃあ!早速焼殺公爵の領域に行くんだよ!レッツゴー!」
マンダ「待て待てメディちゃん!発明もまだしてねぇし情報集めも全然だぞ?」
メディ「ふっふっふっ…みくびってもらっちゃ困るんだよ!このメディちゃんが何も準備をしてないとでも?僕に着いてくるんだよマンダ君♪」
マンダ「そっちの方向は駅だけどやっぱりそのまま行くんじゃ……」
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駅 車両基地
メディ「さぁ!到着さ!ここに停車してある汽車を見てみるのさ!メディちゃん自慢の工房汽車さ!」
マンダ「これはスゲェな…汽車に列なってる一部分が工房になってるな……もしかしてこれで移動しながら発明するってことか?」
メディ「そういうことなんだよ!汽車で焼殺公爵の領域まで移動って言っても休憩を適度に入れつつで4000kmの移動だから1週間くらいかかるのさ!移動の間は暇だろうからこの工房汽車を作ってみたのさ!」
マンダ「こりゃ良いな!ロマンがてんこ盛りの汽車じゃねぇか!ワクワクしてきた!」
メディ「じゃあ一旦お家に戻って諸々の旅準備整えたら工房汽車で出発するんだよ!」
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5日後 工房汽車内
マンダ「俺なりの耐火ポンチョ作ってみたけど結構重いな…これじゃ動き回るのも一苦労だ」
5日前に工房汽車に興奮しつつ乗り込みそこから時間を見つけては工房で発明してるけど…揺れる…めっちゃ揺れる…ポンチョ作りで危ない作業は無いから作れたけど武器になるような発明は動いてる時には出来ねぇな…汽車の水と石炭の補給で停車してる時にやるしかないけど焼殺公爵に通じる発明はまだ思い付かないな…て言うか焼殺公爵の情報が無いから作るも何も無い…
メディ「マンダ君!ポンチョ作りは捗ってるかい?そろそろ焼殺公爵の領域でしか見れない景色が見られるよ!一緒に見るんだよ!」
マンダ「おぅ!完成して一息ついたとこだよ、下ばっか向いてたから良い景色を見たい所だったぜ!」
メディ「こっちに来るんだよ!ほらっ!湯気が見えるのさ!焼殺公爵の領域ではそこかしこか温泉の湯気がモクモクと見えるのさ!」
マンダ「ホントだな!ほらっあそこ一際デカい湯気が出てるぞ!」
メディ「湯気が見えてる所以外にも温度が低めの温泉があるから近付いたら実際はもっといっぱい温泉が湧いてるはずなのさ!」
なんか…一際デカい湯気の中に人影が見えたような気がする…
マンダ「なぁ…メディちゃん…あそこの湯気の中になんか人影みたいの見えないか?」
メディ「んんん?ホントなんだよ!人影みたいのが見えるんだよ!けどあんな湯気の中に人類が居たら大火傷なんだよ!だから多分湯気が出てない時の目印とかそういうやつだと思うのさ!」
マンダ「そうだよな…熱湯の中に入る人類なんてな居ないもんな…」
メディ「ほらっ!次は温泉とか硫黄で茶色くなってる地面が見えてきたんだよ!」
マンダ「ホントだ!」
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そんなこんなで景色を楽しんでたら日も暮れて今日は焼殺公爵の領域にある温泉街の宿に泊まる事になった…何てこった…あの女将め…なんて事言うんだ!気まずいじゃないか!!
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メディ「マンダ君!今日はここのお宿に泊まるんだよ!このお宿は焼殺公爵の領域でも綺麗で豪勢なお宿なんだよ!」
マンダ「格式高そうで宿泊費も高そうな宿だなぁ…スゲェな!こんな宿初めてだ!」
女将「おやっ!いらっしゃいませ、温泉のみですか?お泊まりですか?」
メディ「宿泊なんだよ!2人だけど部屋は1部屋でお願いなんだよ!」
女将「おやまぁ!カップルさんかしら!それじゃ奥の部屋にしとくわね!多少大きな音が出ても防音の部屋だから少しくらいなら騒いでも平気よ!」
マンダ「あのぉ…俺達はそんなに騒がしくしそうに見えるかい?」
女将「若い男と若い女が旅先の宿で騒がしくしないとか…もしかして貴方もう枯れてるのかしら?大丈夫よ!この宿の雰囲気でヤっちゃいなさいよ!」
マンダ「なぁに!言ってんだ!デリカシーってのが無いのかよ!」
メディ「マンダ君…もうお部屋に行くんだよ…みんなに見られて恥ずかしいんだよ…」
女将「それじゃ!これが鍵ね、もう遅くて夜ご飯は出せないけど朝御飯は用意しとくから食堂に来てくださいね!それではごゆっくり」
メディちゃんがうつむいたまま顔を赤くして歩いてる…気まずい……気まずいまま部屋に着いた…ベッドが2つか…良かったこの雰囲気のまま同じベッドはヤバい…
メディ「あのね…マンダ君…その…エッチな事はダメなんだよ…」
マンダ「そそそそそうだよな!まだ早いよな!」
メディ「まだというか多分出来ないんだよ…」
えっ!?嫌われちゃったか?なにか間違えちゃったか?いや…そりゃ最近格好いい所見せてなかったし、それでも昨日もヒューマナタイト摂取のキスしたし…どこだ?どこで嫌われちゃった?
メディ「多分…しちゃうと…マンダ君が枯れちゃうんだよ……」
えっ?歯止めが効かないってこと!?愛が深すぎて止まらない止められないって事ぉ!?
メディ「濃厚な粘膜接触はヒューマナタイトの摂取し過ぎでマンダ君がカラカラになっちゃうんだよ…」
そうだったぁ…キスだけであんだけヒューマナタイト吸われてんだから…その…あれしたらおれ死んじゃうよな…
マンダ「分かってるよ大丈夫!メディちゃんには手を出さないよ」
メディ「そういうことじゃ無いんだよ!!もうマンダ君の乙女心知らず!」
あら?今度こそ本当に会話の選択肢間違えたみたいだ…怒らせちゃったみたいだな…どうしよう…さっきとは違う気まずさが…
メディ「罰としてナデナデしながらぎゅーして一緒に寝るんだよ!」
マンダ「それならお安いご用だ!」
折角2つあったベッドは1つしか使わなくなったがまぁ良いかぁ!




