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12の殺人公爵  作者: 大地D
刺殺公爵編
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第一章③ 刺殺公爵

第一章③ 刺殺公爵


1週間馬車に揺られてとうとうナリト町に着いた

俺の貫かれた傷はウーパールーパーの遺伝子のお陰で大体回復してある程度動けるようになった、1週間経った今でもあの時の動かなくなった父ちゃんと血塗れの村の光景が瞼を閉じると見えてきてしまう。


行商人のおっちゃん「マンダ本当にうちに来なくて良いんさぁ?お前一人くらいなら食わせてやれるさぁ」


マンダ「おっちゃんこれまでありがとうな!俺なら大丈夫だ日雇いの仕事でも探してみるよ!」


行商人のおっちゃん「そうかぁ…困ったことがあったらいつでも来いさぁご飯くらいなら腹一杯食わせてやるさぁ」


そんなやり取りをして行商人のおっちゃんと別れた、さぁ生きていく為に仕事でも探すか、まずは人材募集の仕事をまとめている建物にでも行って受付でも済ましとくか……


始めて来た町をキョロキョロ見回しながら歩いていると背の低いずんぐりむっくりなジイサンが大荷物を抱えて歩いていた、思わず声を掛けてしまった。


マンダ「そこのジイサン!その荷物持ってやるよどこまで行くんだ?」


ジイサン「なんじゃ!?いきなり話しかけおってビックリして荷物が落ちちまったじゃねぇか!」


マンダ「そりゃごめんよ!お詫びに半分運んでやるよ」


ジイサン「ハッ!今時には珍しい親切な小僧だ、そこの角の店まで頼むぜ!」


荷物を半分受け持ち歩き出す、たった数分で店の前に着いた、恩着せがましくなってしまったか…まさかこんなに店が近いとは…


店名は【希代の発明家のショップ】


マンダ「なんだぁ?この店名は?ジイサン発明家だったのか!?」


ジイサンは腰に手を当て胸を張りながら言った


発明家のジイサン「おう!世界を変える希代の発明家とは俺っちの事だ!」


店には見たことが無いようなガラクタがいっぱい積まれていた、小さな球体が円状にワイヤーで繋がれて並んでいる機械の様なものや30cmの立方体の箱の中に細長い杭が沢山入ってる機械の様なものや火気厳禁と書かれた札の下には重火器の様なものまで見えた。


マンダ「ジイサンここはお宝の山だな!!!!!」


俺は大興奮だった、きっと目はキラキラしていた事だろう、村じゃ見かけることはなかった使い方すら分からない機械の山が目の前にたくさんあるんだから。


発明家のジイサン「いらんこと触るんじゃないぞ!手足が吹きとんじまう様な物もあるからの」


マンダ「大丈夫!吹き飛んでも生えてくるから!」


発明家のジイサン「ハァ!?なにいっとんじゃ!?」


――――――――――――――――――――


発明家のジイサンに1週間前の村の事、俺の身に起きた事を話した。


発明家のジイサン「つまり小僧は今、金を稼がにゃならんのか……それなら俺っちの店で働いてみねぇか?最近腰が痛くて重いもんが持ち上げらんねぇんだ」


マンダ「ホントか!?それは願ったり叶ったりだこんなロマン溢れる店で働けるなんてサイコーだぜ!」


ガラクタの発明品を右に左に片付けながらジイサンの身の上話を利いてるとどうやらジイサンの家族も刺殺公爵に殺されたって話だった、発明品の山も刺殺公爵を殺すために作ったは良いけど扱う人類が居なくてガラクタに成り下がってしまってるんだとよ、まぁジイサンはずんぐりむっくりだから戦うには色々不利なんだろーな。


発明家のジイサン「と言うこって小僧、刺殺公爵を殺してみねぇか?」


マンダ「はぁ!?公爵どもって殺せんのか?」


発明家のジイサン「そりゃな、あいつらは500年間生きてる不老の存在であっても不死じゃねぇんだ、むかーしむかしに瞬殺公爵って奴がヒューマナタイトを喰いたくねぇって言ってそのまんま餓死したんだとよ。」


マンダ「ヒューマナタイト?なんだそれ?」


発明家のジイサン「小僧はホントーに何にも知らねぇんだな、ヒューマナタイトは人類の心臓にくっついてるなんか綺麗な石だ、公爵どもの好物で強さの源で栄養源なんだよ」


マンダ「俺の心臓にも付いてんのか?」


発明家のジイサン「そりゃ小僧にも俺っちにも付いてるらしいぜ、見れもしねぇし触れもしねぇから分からんがなガッハッハッ」


そうか刺殺公爵のヤローが父ちゃんの胸を貫いた時にステッキの先に引っ付いてたあれが父ちゃんのヒューマナタイトだったのか…あれを目当てに刺殺公爵は人類を殺し回って俺の村を刺し滅ぼしたのか…

今まで敵わない存在と思ってたけど公爵どもは殺せるのか…しかも自分が餓死したくないからって人類を殺して奪ったヒューマナタイトを食べてるとか。

ますます自己中で理不尽な存在だ……けど俺だって森の生き物相手に狩りをしてたんだ、そこでドジを踏んで獲物に殺されたって文句は言えないそういう命のやり取りを突然獲物に仕掛けてるんだ、獲物が狩人を殺してしまってもそれは自然の摂理だ…

じゃあ獲物である俺が狩人である刺殺公爵を殺したって問題ない…

それどころか公爵どもが居なくなれば人類が理不尽に殺される事もなくなるか……………………


マンダ「よしっ!ジイサン!俺が刺殺公爵殺してきてやんよ!俺の復讐もジイサンの復讐もあいつに殺された全員分の復讐してきてやるよ」


発明家のジイサン「そうかい!けどなんの準備も無しに小僧がそのまま行っても目が合った瞬間には心臓が身体の外に飛び出てるだろーがな」


マンダ「そんなこと分かってるさ」


発明家のジイサン「過去に公爵どもを殺そうとして何回も討伐隊が組まれたが少数精鋭でも町1つ単位の人類で行っても残らず殺されちまって500年の間で公爵殺しを成功させた奴はいねぇんだ」


刺殺公爵を直接見たから分かる…アイツはとんでもなく強い、単純な力でも速さでも戦いの経験値も何もかもが人類と違い過ぎる…この世界のどの人類でも敵わないだろう…けど俺は刺殺公爵に生かされた…見逃されたんだ…理由は分からないけどそこがなんかヒントにならないもんか…


気合いも覚悟も目標もあっても刺殺公爵を殺せる手は簡単には浮かばなそうだ

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