第一章③ 刺殺公爵 改訂済
1週間馬車に揺られて、とうとうナリト町に着いた
俺の傷はウーパールーパーの遺伝子のお陰で大体回復してある程度動けるようになった
1週間経った今でも、あの時の動かなくなった父ちゃんと皆の遺体と血塗れの村の光景が瞼を閉じると浮かび上がってくる。
行商人のおっちゃん「マンダ本当にうちに来なくて良いんさぁ?お前一人くらいなら食わせてやれるさぁ」
マンダ「おっちゃんこれまでありがとうな!俺なら大丈夫だ日雇いの仕事でも探してみるよ!」
「そうかぁ…困ったことがあったらいつでも来いさぁ!ご飯くらいなら腹一杯食わせてやるさぁ!」
そんなやり取りをして行商人のおっちゃんと別れた
さぁ…生きていく為に仕事でも探すかぁ…
まずは人材募集の仕事を総括している所にでも行って色々済ましとくか……
始めて来た町をキョロキョロ見回しながら歩いていると、背の低いずんぐりむっくりなジイサンが大荷物を抱えて歩いていた、思わず声を掛けてしまった。
マンダ「そこのジイサン!その荷物持ってやるよどこまで行くんだ?」
ジイサン「なんじゃ!?いきなり話しかけおってビックリして荷物が落ちちまったじゃねぇか!」
「そりゃごめんよ!お詫びに半分運んでやるよ」
「ハッ!今時には珍しい親切な小僧だ、そこの角の店まで頼むぜ!」
荷物を半分受け持ち歩き出す、たった数分で店の前に着いた、恩着せがましくなってしまったか…
まさかこんなに店が近いとは…
店名は【希代の発明家のショップ】
マンダ「なんだぁ?この店名は?ジイサンは発明家だったのか!?」
ジイサンは腰に手を当て胸を張りながら言った
発明家のジイサン「おう!世界を変える新時代で希代の発明家とは俺っちの事だ!」
店には見たことが無いようなガラクタがいっぱい積まれていた
小さな球体が円状にワイヤーで繋がれて並んでいる機械の様なものや
30cmの立方体の箱の中に細長い杭が沢山入ってる機械の様なものや
火気厳禁と書かれた札の下には重火器の様なものまで見えた。
マンダ「ジイサンここはお宝の山だな!!!!!」
俺は大興奮だった!!
きっと目はキラキラしていた事だろう
村じゃ見かけることはなかった、使い方すら分からない機械の山が目の前にたくさんあるんだからな。
発明家のジイサン「いらんこと触るんじゃないぞ!手足が吹きとんじまう様な物もあるからの」
マンダ「大丈夫!吹き飛んでもしばらくすれば生えてくるから!」
「ハァ!?なにいっとんじゃ!?」
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発明家のジイサンに1週間前の村の事
俺の身に起きた事を話した
発明家のジイサン「つまり小僧は今、金を稼がにゃならんのか……それなら俺っちの店で働いてみねぇか?最近腰が痛くて重いもんが持ち上げらんねぇんだ」
マンダ「ホントか!?それは願ったり叶ったりだこんなロマン溢れる店で働けるなんてサイコーだぜ!」
ガラクタ?発明品を右に左に片付けながらジイサンの身の上話を聞いてると、どうやらジイサンの家族も刺殺公爵に殺されたって話だった。
発明品の山も刺殺公爵を殺すために作ったは良いけど、取り扱える人類が居なくてガラクタに成り下がってしまってるんだとよ。
まぁジイサンはずんぐりむっくりだから戦うには色々不利なんだろーな。
発明家のジイサン「と言うこって小僧、刺殺公爵を殺してみねぇか?」
マンダ「はぁ!?公爵どもって殺せんのか?」
「そりゃな、あいつらは500年間生きてる不老の存在であっても不死じゃねぇんだ、むかーしむかしに瞬殺公爵って奴がヒューマナタイトを喰いたくねぇって言ってそのまんま餓死したんだとよ。」
「ヒューマナタイト?なんだそれ?」
「小僧はホントーに何にも知らねぇんだな、ヒューマナタイトは人類の心臓にくっついてるなんか綺麗な石だ、公爵どもの好物で強さの源で栄養源なんだよ」
「俺の心臓にも付いてんのか?」
「そりゃ小僧にも俺っちにも付いてるらしいぜ、見れもしねぇし触れもしねぇから分からんがなガッハッハッ」
そうか…刺殺公爵のヤローが父ちゃんの胸を貫いた時、あのステッキの先に引っ付いてたあれが父ちゃんのヒューマナタイトだったのか…
あれを目当てに刺殺公爵は人類を殺し回って俺の村を刺し滅ぼしたのか…
今まで敵わない存在と思ってたけど公爵どもは殺せるのか…
しかも自分が餓死したくないからって人類を殺して奪ったヒューマナタイトを食べてるとか。
ますます自己中で理不尽な存在だ……
けど俺だって森の生き物を相手に狩りをしてたんだ。
そこでドジを踏んで獲物に殺されたって文句は言えない、そういう命のやり取りを突然獲物に仕掛けてるんだ。
獲物が狩人を殺してしまってもそれは自然の摂理だ…
じゃあ獲物の立場の俺が、狩人である刺殺公爵を殺したって問題ない…
それどころか公爵どもが居なくなれば人類が理不尽に殺される事もなくなるのか!?
マンダ「よしっ!ジイサン!俺が刺殺公爵殺してきてやんよ!俺の復讐もジイサンの復讐もあいつに殺された全員分の復讐してきてやるよ」
発明家のジイサン「そうかい!けどなんの準備も無しに小僧がそのまま行っても目が合った瞬間には心臓に穴が空いとるだろーがな」
マンダ「そんなこと分かってるさ」
「過去に公爵どもを殺そうとして何回も討伐隊が組まれたが、少数精鋭でも町1つ単位の人類で行っても残らず殺されちまって、500年の間で公爵殺しを成功させた奴はいねぇんだ」
刺殺公爵を直接見たから分かる…
アイツはとんでもなく強い、単純な力でも速さでも戦いの経験値も何もかもが人類と違い過ぎる…
この世界のどの人類でも敵わないだろう…
けど俺は刺殺公爵に生かされた…
見逃されたんだ…
理由は分からないけどそこがなんかヒントにならないもんか…
気合いも覚悟もある目標も出来たが…
刺殺公爵を殺せる手は簡単には浮かばなそうだ…
2026/1/24 改訂しました




