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12の殺人公爵  作者: 大地D
絞殺公爵編
13/42

第二章⑤ 絞殺公爵

絞殺公爵はどうやら遊園地の中にあるサーカスの巨大テントに居るらしい、こんな世界でもアミューズメントパークはあるんだな…健全な精神と健全な身体はヒューマナタイトの保有量が増えるから娯楽施設は公爵達にとっても重要なんだろうな、けど遊園地に絞殺公爵が居着いたら人類が来なくて本末転倒な気がするけどな、狂ってる公爵どもの考えなんて理解しようとしても無理だな。


絞殺公爵が居着くまでは賑わってた遊園地らしくて近くまで鉄道が通ってるから半日汽車に揺られたら到着だ、今回は馬で2週間の旅とかじゃ無くて良かったぜ…楽に行けるなら楽したいしな、街と街の間に遊園地があるもんだから廃線にも出来ずに恐怖しながらの運行だとよ…


発明品も出来た、作戦も練った(おざなりな作戦だが…)これ以上考えても煮詰まりそうにない、じゃあ行くしかなよな…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


オデト街から南方面の路線で10時間汽車に乗り遊園地前で降りる、錆び果てた遊園地が見えてきた…話に聞いてたピエロとかって言うのが描かれた門をくぐると、作り物の馬が串刺しにされた檻とかデカい車輪に箱がいっぱいくっついてる物とか空中に線路があったり一番奥にはバカデカいテントがあった…話に聞いた通りならあのテントに絞殺公爵が居る、遊園地の中を歩いてると遊園地を知らない俺でも異様なのが分かる…全ての建物や遊具に人類が吊るされてる…10や100じゃきかない…トンでもない数の人類だ…どうやら今回の絞殺公爵も鼻が無いんだろうな…すげぇ腐臭だ…地面なんかどす黒くネチャネチャしてやがるなんのネチャネチャなのか想像もしたくねぇな…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


汽車の中


う~んなんか忘れてるような気がする…発明品持った!相討ち覚悟だから血みどろになっても良いように着替えも持った!覚悟も持った!う~ん…………ああっ!《細くなる者》の存在を忘れてた!!カカシみたいに手足が枝になるだけの使えない能力!けどこれをどう活用すれば良いんだ?顔はそのままで手足だけ細くなる…顔まで細くなればロープで括られても抜け出せそうなもんだけど…そういえば刺殺公爵を殺した時アイツの身体から血は出てなかったな、内臓とか血液とかどうなるんだ?俺の体でも血は出ないんだろうか?切られても千切られても出血死はしなさそうだな、まぁ今回は絞殺公爵だから出血死は無いだろけど。


上手いこと《細くなる者》を活用するなら………そうか!刺殺公爵になりきったら出会い頭に殺されるの回避出来るかも知れないぞ!笑顔で挨拶よりもよっぽど殺されなさそうだ!《細くなる者》で身体はカカシになって紳士服は…う~ん…あっ!


マンダ「なぁそこのおっちゃん!俺にその服売ってもらえないか?」


紳士服のおっちゃん「ん?なに言ってるんですか?唐突に服を売れだなんて」


マンダ「親戚の結婚式なんだけど寝坊しかけてて急いでたら準備してた服を持ってくるの忘れちまったんだよ…」


紳士服のおっちゃん「おや、それはそれは…トランクに修繕に出そうとしてた少し破けている紳士服ならお売り出来ますが、股の所が破けているだけなので何とか隠せば結婚式くらいなら何とかなるでしょうかね」


マンダ「おっちゃん!それ売ってくれ!お願いだ!お金ならちょっと奮発して持ってきているんだ!」


紳士服のおっちゃん「良いですよ、修繕するよりも新しいのを買うか悩んでいたのでお安くしてお売りしましょう、トランクもついでにあげましょう、その服を入れていただけの物なので」


マンダ「おっちゃんありがとうな!これで笑われずに済む!」


よっしゃこれで刺殺公爵に身体になりきれる、あとは顔をどうするか…たしか刺殺公爵の顔は綿に布巻き付けて目をチョンと描いて口をグイッと描いてるだけ、自分の頭にちょっと洋服巻き付けてかさ増しして布巻けばイケるのでは?良いぞ!これで刺殺公爵になりきって一瞬で首吊られて殺されるなんて事は無くなりそうだ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


という事で俺は今、刺殺公爵になりきって遊園地を歩いている、この身体とっても歩きにくいんだ…どうやって関節が曲がってるかわかんねぇが歩く度にキチキチキシキシ身体中から鳴りやがる、この身体でどうやってあんな力が出るんだ?つくづく公爵ってのは理不尽というか理解不能というか常識はずれの存在なんだな…


そんな事を考えてたらサーカスのテントに着いた


マンダ「それじゃあ、たかをくくらず、なるべく首をくくらせず、腹くくっていくか!」


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