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侵入者からの叱責

 真っ白な世界に飛び出したリスティは、すぐに行動を開始した。

 この場にいる4人、中でもシアを捕らえる男に狙いを定めてジャンプ。

 クラウストルムの支援を受けて加速。

 紫のローブに渾身の体当たりを食らわせる。

 ひとまとめに転がる中からシアの手を引っ張り出し、男の中から引きはがした。


「ライル! 何つっ立ってんのよ!」


 鋭い叱責を受けて我に返ったライルは、動きを封じる黒衣の男の腕を引きちぎり、敵の身体を蹴り飛ばした。


「シアもっ! ぼけっとしてんじゃないの! あんなオヤジに手を握られて平気なの!?」

 腰が抜けたようにへたり込んだシアは目を見開き、頬を張られたように呆けていた。


「ど、どうやって、ここに……」


「んな事はどうでもいいの!」


 寝ぼけたことを言う少女に対してぴしゃりと言い切ると、両足を踏ん張って。

 渾身の右ストレートで、音もなくシアに迫った男の顔を殴り飛ばした。

 強烈な一撃を受けて、法衣の男はたたらを踏んだ。


「やれやれ、君も懲りないな。ここは人間の来るところではないというのに……」


 マリオは右手で、したたる鼻血をぬぐった。

 憤怒に爛々と輝く瞳。

 苛立った男の顔を見て、リスティは少しだけすっきりした。


「君には本当に、驚かされる……」


 傍らに立ったライルは、心底驚いた様子で言った。

 これほどびっくりしている彼を見るのは初めてだった。


「だ、か、らっ!」


 ふぬけた反応を前にして、リスティは喜ぶよりも先にますます頭に血が上った。


「寝ぼけたこと言ってる場合じゃないでしょー! やることやんなさいよ!」


 ピンチだと言うのに、シアもライルも何を寝ぼけているのか。


「そうだな。では」


 そう言いつつ、ライルは右旋回。


「やるべき事をしよう」


 背後を狙った黒衣の男を、再び蹴り飛ばした。


「大丈夫だ。手出しは必要ない。だから彼女を……」


 右手を掲げようとしたリスティを制止して、その言葉だけを残したライルの姿が消えた。

 敵のドラゴニックハーフへの追撃に入ったのだ。


「わたし達はここから出るよ」


「で、でもっ」


「いいから! わたし達がここにいたって、何の役にも立たないの!」


 爆発音だけが鳴り響く中、ためらうシアを無理矢理引き寄せる。

 クラウストルム起動。

 展開。


(彼女を、シアを頼む)


 彼が残した言葉は、はっきりと耳に残っていた。

 ライルにとって大切なのは、シアなのだ。

 それが、揺るぎない現実。

 悔しさに唇を噛みしめつつ、強く願う。


(外へ!)


 胸の痛みを抱えて、リスティは跳躍した。

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