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サツマイモ畑へゆく

これは当時の私が小さな冒険をした時のお話になります。


私がまだ小さい頃のお話です。

当時、私は小学校低学年で、友達と校内を走り回ったりワンパクでした。

春になると植物園で昆虫やザリガニなんかを見たりするのが好きだったのです。


ある時、いつも一緒に遊んでいた少年たち。

しょうちゃん、だいくん二人と他の友達とで集まって植物園内で鬼ごっこをしていました。

園内は高低差あって、狭い道が多く鬼ごっこをするには丁度いいアトラクション気分を味わえました。

逃げるのも追うのも楽しい理想の遊び場です。


その日の休み時間、いつものようにみんなで集まって鬼ごっこをしていたのですが、鬼から逃げて高台に上った時に見つけたのです。

園内の端っこ側に緑色の策があったのですが、屈めば子供なら通れそうな細い抜け穴。

私は鬼ごっこがひと段落して、教室に戻る前にその抜け穴を近くで見てみることにしました。

やっぱり屈めば通れそうです。

先の道を見ると、学校の周りにを囲っている木々でぼんやりとしか日差しが差していませんでした。

どこに続いているのか、気になってきて、教室に戻るとしょうちゃんとだいくんに抜け穴の事を話たのです。


二人は明日行ってみようと乗り気になってくれて、私も二人と一緒に行くことにしました。


次の日、いつもの子たちとの鬼ごっこを断って植物編へ向かいました。

得意げに「ここが昨日言った抜け穴だよ」なんて二人に言いました。


3人してどこに繋がってるんだろうと新しいオモチャをもらったかの様に 興奮気味にきっとここだろうと予想し合います。


言い出しっぺの私が先頭に立ち、抜け穴へ入っていきます。

草がみっしりと生えている地面片ヒザをついて入ったので、なんだかくすぐったい感覚がヒザを襲います。

二人は小柄な私とは違い、腹ばいになって通ってきました。

まるでジャングル探検隊の様で、ワクワクする気持ちが俄然高まったと思います。


正面を見ると明かりがない森林が広がっていました。

日差しが閉ざされているせいで、森に取り残されている気分になります。

ざっざと地面を踏みしめる音と、風で木々が揺らめているザワザワとした音だけがその場を支配していました。


しばらく進むと緑色のフェンスがあって、その先にはプールがありました。

どうやら、プールの裏手側を通ってきたみたいです。

なんとなく場所は分かりましたが、この先はどこに続いているのか分かりませんでした。

もしかしたら、学校の外に出てしまうかも?、と思いましたが、進んでいくとそうじゃないことが分かります。


そこには幼稚園生の時に来たことがある畑がありました。

幼稚園の頃というのも、私の通っていた小学校に付属する形で敷地内に小さい保育園があったのです。

一緒にいた二人も同じ保育園に居たので、なんだか三人で懐かしいねと言い合ったのを覚えています。


畑には小さいながらも葉っぱが生えており、きっと今年の幼稚園児たちが私たちと同じように収穫を楽しみにしているのだろうと微笑ましい気持ちになりました。


畑を少し見てから、畑を仕切っている緑色のフェンスを身を屈めて3人で抜けて、急いでその場を後にしました。

先生に見つかってはきっと怒られてしまいますから。


そうして、私たちの小さな冒険は終わったのです。

行ったことのない場所を見つけた時、今でもその先はどうなっているのだろうと考えます。


きっと子供頃の私なら冒険をしていたでしょうが、今の私は道に迷わない事を考えてしまって、通ることはないでしょう。

子供の自分よりもワクワクすることは減ってしまいましたが、きっとそれだけ大人になったということでしょう。


願うならば、またあの日の様に冒険をしてみたいと思います。

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