くもの上のドア
タケくんは、ぞうさんのぬいぐるみをもってくもの上であそんでいます。くもの上では、トランポリンのようにとんだりはねたりしています。
「わ~い! たのしいな!」
そんなとき、タケくんはきゅうにおしっこがしたくなりました。おしっこをガマンしようと、タケくんはズボンをりょう手でおさえています。
「あっ! トイレだ!」
タケくんは、くものとちゅうに赤いろのドアを見つけるとすぐにかけ出しました。すると、タケくんにだれかがこえをかけてきました。
「そこへ行ったらダメ!」
「どうして?」
「ここはゆめの中だよ。もし、ここでおしっこをしたら……」
そのこえをきくと、タケくんは赤いろのドアへいかずにほかのところへむかっています。このあいだも、おしっこをもらさないようにガマンをつづけています。
タケくんがつぎにやってきたのは、青いろのドアのあるところです。そのドアのほうへすすむと、さっきとおなじこえがタケくんの耳に入ってきました。
「ここへ入ったらダメ!」
「どうして!」
「ゆめの中でおしっこをしたら、おふとんにおねしょをしちゃうよ」
このことばをきいて、タケくんはドアの中へ入らずにべつのばしょへいきました。




