お菓子の家
あれからどのくらい年月がたったのだろうか。
私は長い間この場に留まっている。
この場所には謎の老婆がいて、私の身の回りの事は何でもしてくれた。
そろそろ帰らないといけないのに、この老婆の優しさがとても心地よく、この場所から離れたくない。
親はきっと心配しているだろう……。
このままではいけないと思い、勇気を振り絞ってその場を去った。
ここへ来るときに撒いておいた小石のおかげで帰り道は明確だった。
足が棒になるほど歩いた末、私は家へたどり着いた。
家族は温かく私を迎え入れてくれた。今日も私はお菓子の家で甘えた生活を送る。




