☆「」の部分には「ぶじこjp」が入る。話が通じないってことをそれで表してる。これで、物語を進行しようとしてたみたい。普通に地の文だけでよかったのではないかと今になって思う。
俺が彼らの所へと向かう最中、何人かの村人が台車を伴って森へと向かって行くのにすれ違った。
「」
恐らく「熊を回収する」と言うことだろう。見ると、村人の何人かが微笑みながら口々に何かを言っている。何を言ってるかはわからない。
これで「今夜、テメェを食っちまうぞ!」とか言ってたらションベンちびる。
「」
不意に村人達の中から、飛び抜けておじいちゃんが出て来て、頭を下げながらブツブツと喋ると、こちらに手を差し出して来た。
これは「あんがと! よろ乳首!」ってことで良いのかな? ううむ、やはり。言葉がわからんのはやりにくい。取り敢えず、握手しとくか……
俺が握手に答えると他の村人達が一斉に朗らかな笑顔を浮かば口々に訳のわからん言葉をコチラに投げ掛けて来た。やっぱり、やりにくい。なにこれ!?
すると、おじいちゃんが手を離すと牛のいる小屋の方向を指差して歩き出した。これは、コチラに着いて来いと言ったことだろうか?
不安げに男に視線を向ける。すると、男はおもむろに頷くとおじいちゃんの後に続いた。
暫く、俺がボサッと突っ立っていると、男がこちらを振り向きこっちにおいでと手招きしてくれた。やはり、わからん。まあ、仕方ないが当分は成り行きに任せるしかないか。
暫く、村を歩くと、おじいちゃんが指差していた牛がいる小屋にたどり着いた。
おじいちゃんが手招きをしながら小屋の中へと入っていく。男もおもむろに部屋の中へと入っていく。
……なんか、エッチな事とかされねぇかな? 私ぃ、すっごい美人だしぃ~ どうしよっかな~
とか、そんなことを考えていると小屋の中からデッカイ牛がチラリと見えた。
いや、まあ。デカイと言っても普通の牛だけどね。いや、デカイよ。普通の牛。ドラゴンかと思った。
俺がビックリしてると、男が小屋から出て来た。
「」
そんなことを言いながら男は手をこちらに伸ばして来た。何を言ってるかはわからない。本当にやりにくいこれ。
男は俺が突っ立っているのを見ると、後ろに回って背中を押してきた。
はいはい「行けっ」てことね。
俺は大人しく男の誘導に従って小屋の中へと入る。
ぷ~ん、と肥やしの臭いがした。肥やしって言うか牛糞の臭いだろうけど、そんな臭いがする。
見ると、先程のおじいちゃんが一匹の牛を撫でていた。
見ると、その牛の後ろ足が一面真っ赤に染まっていた。見ると、先程の熊に引っ掛かれた後だろう、肉が引き裂かれ皮が痛々しく垂れ下がっている。その向こうからはてらてらと光った筋肉の様な物が見える。
余りの痛々しさに思わず顔をしかめてしまう。
そうか、この牛も治してくれって事だったのか。よし、出来るかわからんけど、やってみるか。さっきも出来たんだ、出来るだろう。可愛そうだし。
そう思うと、自然と背中から羽がはえて来た。
なんて、察しの良い翼なんだ。ここまでくりゃ後はどうにでもなるだろう。
……そう言えば、この翼が出るのってどうなんだろう? 普通なのかな? 普通じゃないのか?
二人を見ると、目を丸くして仰天している。その口もあんぐりと空いており、言葉も失っている。
もしかしたらマズかったかもしれない。
まあ、良いか。取り敢えず治しちまえ。なんかあったら、この翼で無限の彼方へ逃げりゃいいや。さあ、行くぞ!! つってね。
痛そうだから速く治してあげよ。
そう思うと自然と身体から光が溢れ出し、牛の傷が自然と治って行く。
やっぱりこれ凄いよね。
そんなことを思っている間に牛の傷は完全に癒え。牛もご機嫌と言った様子でこちらを見詰めてきた。取り敢えず、ヨシヨシと撫でてみる。
と、そんな最中。後ろの扉がバタリと閉まり、辺りが漆黒に包まれる。まあ、俺の周りは翼が光ってるから別に暗くはないけど……
て言うか、あれ?
もしかしなくても、閉じ込められちゃった?
やべ、これどうしよう……




