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転生王子3

 彼の名は……

 いや、もはや俺の名はと言った方が良いのだろう。


 ルクレスト・グレイス・ルーンワークス。


 彼の出身は騎士国家レイムロック。


 現代風に言うならば軍事国家と言った方がいいだろう。軍人が直接的に政治を取るように、レイムロックでは騎士が政治を取り仕切り、巨大で絶大な権力を有する。


 しかし、軍事国家と言うと耳障りは悪いが、ことレイムロックに関して、この政治形態は非常に上手く行っている。

 公明正大と言えばいいのだろうか。いわゆる騎士道なる物が宗教の様に国家の根底に根付いており、それ故に政治に関わる騎士達は非常に優秀で民意に寄り添うことに大きな重きを置いている。そして、レイムロックの民達は心から騎士達を慕い尊敬し信を置いている。


 そのお陰かレイムロックと言う国は大陸でも指折りの強国として名を馳せている。


 しかし、その一強化した政治形態は乗っとるのに容易く、その後に御しやすい。『ウィッチナイト』の物語ではレイムロックは『死の聖歌隊』と言う組織に乗っ取られ、最終的には民意の意の字もない悪の帝国へと成り果てていた。


 彼、ルクレスト・グレイス・ルーンワークス。ルクスと呼ばれているのだか、彼はレイムロックの国の王子であり。身分を隠し旅をしているのらしい。その途中に主人公達と出会い、戦いを共にする仲間の一人となる。


 コイツは恐ろしいことに物語の最後まで自分が王族なんてことを一言も言わないし。レイムロックを救った後も何かそれっぽいことを言われはしても最終的には王族として表舞台に出ることはなく。妹に王位を譲ってまた旅に出てしまうと言う訳のわからんキャラなのだ。

 なんなら、王族だと言うことは物語中は明言されてない。


 『ウィッチナイト』はアイリスと言う少女が主人公なのだが。ルクスは主人公にも色々博識で人生経験豊富な兄貴の様に接してくれるストーリー上でも非常に心強いキャラだったりもする。

 ゲームのジャンルとしては育成シュミレーションでバトルもあり、その戦闘システムは盤上タクティクス。ルクス自信のユニット性能は物理攻撃ユニットで最大火力を出せる大剣使い。


 非常に有能なんでわ。


 見た目も金髪に金の瞳。程よく焼けた褐色の肌。優男とは言わないけど整った精悍な顔立ちをしており、結構人気もある。なんなら、コイツメインの小説もある。

 その癖して、主人公アイリスとの恋人エンドは存在しない。最終的にはどのルートも良い兄貴分で物語は完結する。


 後に世界の平和を守る組織として騎士団を設立したりと積極的に活動するらしい。その辺りは物語として詳しくは語られていないのでよくわからない。


 兎に角、俺はそう言う男なだ。

 そう言う男に転生してしまったのだ。


 はてさて、これからどうするものか。そう言えば、予約し忘れてた送迎バスは誰かが代わりに予約しといてくれるかな?

 いや、それよりも、もしかしたら、この現状自体が夢かもしれない。

 そうだ取り敢えずもう一回寝てみようか……


 そう思うと、おもむろに芝の上に寝転がる。


 こんなことをするのはいつ振りだろうか? いや、冷静に考えれば産まれてこのかた、こんな自然豊かな所で寝転がったことなんて無いんじゃないか?

 

 そうだな、冷静に考えればないな……


 これが夢であることを祈るけれど、それでもまあ、心地良い夢だから良いか……

 明日起きたら、送迎バスの予約を取って。バスの順路とかの書類を作んなくちゃな……

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