怪人物をやりたかったけど飽きただすよ。
首があらぬ方向に曲がったジジイが無惨にも床に転がっている。
まあ、俺がやったんだけどね。
カッとなってやった。後悔はしてない。なんだった、もう一回こいつが目の前に現れたら同じことする。
だって、ムカつくもん。
どうすんだよコレ!? 腕はカブトムシみたいになっちゃったよ!? どうすんだよ!? どうしよう、カナブンだったら!?
大丈夫だよね!? ブラックビートル団とか言ってたからカブトムシだよね!?
「カサカサ!! カサカサカサカサ!!」
その時、扉の開く音と共に変な化物が部屋に飛び込んで来た。
おう、マジかよ……
変な化物は何故だか「カサカサ」と呟きながらコチラへゆっくりと距離を詰めてきている。
気持ちの悪いことに、変な化物は長い触覚にテカテカとしたボディをしており。その背中にはボディ同様テカテカした羽がはえている。
絶望的なまでにゴキブリである。
ブラックビートル所の騒ぎではない。
もしかしたら、俺もゴキブリかもしれない。
もし、そうだったら自殺しよう。
「カサカサケケケーー!!」
そんなことを思っているとゴキブリの化物が羽を羽ばたかせながらコチラに飛びかかって来た。
うわっ!! まって、キモいキモい!!
咄嗟に腕で飛び掛かった来たゴキブリの化物をおもっクソはたきおとしてしまった。
「カサカサウケー!!!」
すると、凄まじい勢いでゴキブリの化物は床に叩き落とされ、その勢いで足や頭、内蔵等が勢いよく辺りに爆発でもしたかのように四散した。
最悪である。
はやく、お家に帰ってお風呂に入りたい。
取り敢えず、さっきのゴキブリが入ってきた扉から出て辺りを見渡してみる。何処かの施設なのは間違いないのだろう、真っ直ぐ長い通路が続いている。
一体どうすればここから出られるのだろうか。
とにかく、早く帰りたい。早く帰って、お風呂に入りたい。
「カサカサウケーー」
遠くの通路から気持ちの悪い奇声と共にゴキブリが羽を羽ばたかせながらコチラ突っ込んでくる。
取り敢えず、気持ちの悪いが突っ込んでくるタイミングに合わせておもっクソ頭ぶん殴ってゴキブリを殺す。もう、ちゃんと殺す。
綺麗に頭だけがすっぽ抜け床に中身が撒き散らされる。
そして、胴体の方はそのまま勢い良くどっかに遊びに行ってしまった。
どこに遊びに行ってしまったかは別に知りたくないし。すぐにこの場から立ち去りたいので、そのまま宛もなくではあるが歩き出すことに決めた。




