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怪人物をやりたかったけど飽きた。

「ハッ!? ここは一体!?」


 視界一杯に目映い光が広がっている。


「ははははは!! 気づいたかね、小林くん!!」


「なんだ、ここは!! 俺に一体、何をすると言うんだ!!」


 視界を埋め尽くす光の強さに思わず目を背ける。しかし、そんな行動は無意味と言わんばかりに尚も視界は光で埋め尽くされている。


 余りの眩しさに周りもなにも見えたものではない。

 目がチカチカして、非常にイライラする。


「ふふふ!! これから君には我がブラックビートル団の怪人改造手じゅちゅ…… しゅしゅ…… しゅじゅ…… 受けてもらうぞ!!」


「おい、いま噛んだだろ!! しかも、最後投げ槍になってんじゃねぇよ!!」


「ああ、うるせぇ、うるせぇ!! 改造だよ!! 改造だッ!!」


 その言葉を皮切りに突然周りから甲高いドリルの回転する音が響き渡ってきた。まるで歯医者である。八面六臂、四面楚歌、あらゆる方向から甲高いドリルの音が耳に届いてくる。


「くそッ!! 止めろ!! 止めるんだ!!」


 抵抗しようと試みるものの何やらベルトの様な物で身体を拘束されているらしい、全く身動きが取れない。


 それになんだか眠たくなっちゃった☆


「ふふふ、どうやら麻酔が効いて来たようだな!! さっきのやり取りをする為だけにワザワザ起こしたんだ!! どうだ!? 我がブラックビートル団の技術力は!!」


 なんだ、その無駄な技術力は!?

 と、口に出そうとした矢先。心地の良い浮遊感と共に意識は遠い彼方へと飛んでいった。


ー割愛ー


「ふはははは!! 成功だ!! 我が軍団史上最強の怪人が完成した!!」


 嫌になるほどやかましい声で目が覚めた。気分は最悪である。


「あとは記憶を消し、我が軍団の軍率を脳内学習させれば最強の戦士の誕生だ!!」


 すると、目の前に小汚ないおっさんの顔が現れた。こちらを見て薄気味悪くニタニタと笑っている。


 このジジイ、マジで首でも絞めてくれようか!!


 そう思い、拘束されているから無駄だと考えながらもジジイの首に手を伸ばそうとする。すると不思議なことに俺を拘束していたベルトが一気に弾け飛び、あっという間に俺は自由の身となった。


 見ると、俺の腕はバッコリ化物の腕になっていた。


 指は甲虫の足のような形をしており、腕は甲虫の鎧のような黒々しい手甲へと変化している。


 めっちゃ悲しい。

 化物になっちゃたよ。


「ば、馬鹿な!! なぜ、起きている!! まだ、麻酔が効いているはず!!」


 ジジイが狼狽えた様子で後退る。俺は動揺しながらも無茶糞腹立ったので、そのままジジイの首根っこを引っ掴んでみせた。

 

 ジジイは俺の顔を見るとニタリと不気味に笑ってみせた。

 なんだ? なんで、この状況で笑えるんだ? まさか、なにかあるのか? もしや、俺の身体の仲間に爆弾があるとかそんな感じの奴か!?


「そっかぁ!! 怪人になったから、麻酔の量をもっと増やさなくちゃいけなかったんだ!! 間違えちゃった☆」


イラッとしたので、そのまま首を握り潰した。

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