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ボツ原稿。ボツ原稿って言っても書いてる時は本気だから消すのは消すで惜しみ無いよね。もう最高だよ、そんな感じ。読めたもんじゃないけど、題字だけでも見て鼻で笑ってやってください。  作者: パンツ男爵F
眠気眼で書いた小説。朧気の記憶の中で書いた小説は朝起きた時に面白くないと思ったのであらすじで書くのをやめた。
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クルルは吸血鬼

 彼女の名前はクルーエル・エルレイン。


 彼女はエルレインと言う小さな片田舎の領主の娘として生を授かった。彼女には魔術の才があった。それも稀代の天才と称しても差し支えの無い程の才を持っていた。

 しかし、彼女の生まれが田舎と言う事が災いし、彼女の魔術の才は周りの物に気付かれることなく月日が過ぎて行ってしまった。


 だが、天賦の才と言う物は恐ろしく。野生の鳥が自然と空へと羽ばたく様に彼女は魔術の世界へと足を踏み入った。

 

 誰に師事を仰ぐでもなく。屋敷の本を手当たりしだいにあさり魔術の基礎を修得した。

 そして、程なくその天賦の才は暴走し、彼女はそれが禁術とも知らずにとある禁術に手を出した。


 魔術には付与魔術と言う部類の魔術が存在する。


 それは付与すれば姿を消すことが出来るマントを作ったり。水の上を歩ける靴を作ったり。はたまた、剣に魔術を付与すれば魔剣や聖剣の類いを作ったすることが出来る。


 しかし、彼女の天賦の才はその範疇を意図も容易く越え、倫理的な問題も容易く越えてしまった。


 彼女は自分の血液に魔術を付与してみせた。


 彼女の付与した魔術は程なくして血流に乗り身体中を駆け巡った。自然治癒や筋力強化。視野強化や聴覚強化。等の肉体強化系の魔術は勿論。魔術や斬撃、打撃に対しての耐性。あらゆる魔術を血液に付与していった。


 魔術は幾重にも重なり、彼女の血肉となった。

 この時、彼女は肉体の異変に気付いた。

 

 彼女は日を浴びることを許されない身体になっていたのだ。


 彼女の血液に流れる魔術、その術式は日の光で剥がれて落ちてしまう様になっていたのだ。なにせ血液と言う形も定かではない流動物に無理矢理に魔術を付与したのだ。いつ何が起きてもおかしくない。


 なんなら、それを肉体に入れているのだ。むしろ、生きているのがおかしい位なのだ。

 しかも、やっかいなことに一度魔術で成り立つ身体になった肉体は、二度と普通の肉体には戻れないことが判明した。

 人間の肉体とはさも不思議な物で使わなくなったり怠けていたりすると、その部位は徐々に元々持っていた力を削ぎ落としてしまうらしい。


 彼女の肉体は現在、魔術による恩恵の副作用として、魔術無しでは生きることもままならない肉体になっているかもしれないのだ。

 しかも、彼女の肉体に付与された魔術を維持するためには彼女一人の血液では足りないと言うことも判明した。


 そう、他者からの吸血が必要なのだ。


 幸い、彼女は魅了の魔術も自らに付与していた為、吸血の問題は大きくはならなかった。


 そう、まるで吸血鬼なのである。

 否、彼女こそ吸血鬼なのである。


 吸血鬼の成り方は幾つかあれど、魔術の力で人から吸血鬼に転生することが出来た者は真祖と呼ばれる存在に分類される。

 

 吸血鬼としての祖なる者。

 吸血鬼の中の吸血鬼。


 しかし、そんな大化物になったこともいざ知らず、彼女はのうのうと屋敷に引き込もっているのである。

 頭は良く、天賦の才を持っているにも関わらず。自分の立場をいまいち理解していない。


 そんな彼女こそ、クルーエル・エルレイン。その人なのである。

 そして、この物語はそんな彼女のちょっとした恋愛の物語なのである。

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