第18話 目覚めは轟音と共に
まるで雷でも落ちかの様な轟音と共にその日は目が覚めた。
何やら、外の様子も騒がしい。窓から様子を見ると沢山の騎士や修道女達が右往左往の大騒ぎである。一体何が有ったのだろうか?
取り敢えず、素早く着替えて何があったのか確かめてみよう。
俺は野次馬根性を胸にお馴染みの純白くのワンピースに袖を通す。
すると、見計らっていたかの様なタイミングで部屋のドアをノックする音が響いた。
アルベルトさんかな?
「入るぞ、アルエ……」
その声に思わず背筋が伸びる。
ドアがゆっくりと開くと深い皺の刻まれた顔と鋭く尖った鷲の様な鼻が姿を表した。
カーディナル枢機卿だ……
その顔は心根しか前回会った時よりも険しい顔つきをしているように見えた。
一体、俺に何の用なのだろうか。何と無くだが、良い予感はしない。と言うより、さっきの轟音と良い悪い予感しかしない。
「ど、どうしましたか? カーディナル枢機卿……」
「うむ、着いて来てくれ。少し問題が起きた、詳しい説明は歩きながら話そう……」
そう言うとカーディナル枢機卿が部屋を後にし、足早に何処かへと歩き出した。
取り敢えず、俺もその後に着いていく。
すると、どこにいたのかアルベルトさんもいつの間にかに俺の後ろに着いてきていた。
アルベルトさんを見ると、不安そうな表情で俺の事を見ている。
多分、俺自信はナチュラルに不安そうな表情をしている事だろう。
暫くの間、歩くと不意にカーディナル枢機卿が口を開いた。
「今朝、地下の貯蔵庫で暴発が起きた」
「ぼ、暴発!?」
思わず声を挙げてしまう。
しかし、そんな俺のリアクションを他所にカーディナル枢機卿は淡々と話を続ける。
「なんとか誘爆は防げたがその際に一人の騎士が瀕死の重症を負った。地下の火薬の点検をしていた騎士だ」
「な、なんで、暴発なんて……」
俺のその言葉に答える為にかアルベルトが俺に近付き耳打ちして来た。
「爛漫を不注意で割ってしまったそうだ。そこから、油と共に火が手投爆薬に移ってしまったらしい。重症になった騎士が身を呈して爆発を押さえ込んだお陰で誘爆は起きなかった……」
「そ、それで、私は一体何をしろと?」
そう言うとアルベルトさんは首を横に振ってみせた。
そんな、まさか、俺に治せって言うんじゃあるまいな……
その時、カーディナル枢機卿の口から思っていたまんまの言葉が飛び出して来た。
「アルエよ。お主の力でその騎士を救ってやってくれ……」
えぇぇぇ!! む、む、無理だってばよ!!