個人的にはザブザ編が一番好きです。それ以上は……何も言うな……って所が好きです。え?関係ないって?んなもん、関係ねぇってばよ!!
「ど、ど、どう言うことだってばよ!?」
余りの襲撃に七代目火影みたいな口調になってしまったが、それも仕方がない。自分が転生者だとはわかっていたが、女神メティアナの生まれ変わりだと言うことをシャルロットは存じ上げてなかった。
ここで話がややこしくなったので簡潔に説明するが、シャルロットは先ずは前々世でオッサンであり、病に伏して亡くなった。そして、前世で女神に異世界転生し、人間と共に戦い亡くなった。
そして、今世に至り。NURO光りより早く婚約し、NURO光りよりま早く婚約破棄され、国外追放されたのだ。
その余りの衝撃に思わず、「な、なんじゃそら!!」と、シャルロットは声を挙げてしまった。
その様子を見ていたオスローが溜め息混じりに口を開いた。
「貴方様と敵対していた神々の仕業です。貴方の力も記憶も肉体も、その全てに介入し手を加えたのでしょう。ああ、おいたわしや……」
「て、手を加えた?」
今までは人生二週目と思っていたのに、突然三週目をブチ込まれ。しかも、その一週分が糞程に濃密で、頭がぐちゃぐちゃになって、頭を抱えたいたシャルロットを他所にオスロは更に口を開いた。
「ええ、本来は女神メティアナの転生者。つまり、聖女として世界に向かえられる筈でした。しかし、神々の仕業で女性の肉体に、無理矢理男性としての機能を取り付けられた様な肉体を与えられ。聖女としての能力は奪われ世界各地に散らされ、女神だった時の記憶も奪われていたのです」
「お、おいたわしや……」
シャルロットはここまで来ると、最早他人事と思わずる負えなかった。
まさか、この様な邪知暴虐の極みのフルコース。元東洋太平洋チャンプのシェフのアッパーカットを添えて。しかも、シェフはヌルヌル、みたいな事が自分の身に起きたなんて到底思えなかったのだ。
て言うか、そんなこと起きて言い訳無いじゃんとも思った。
「な、なんで私がこんな目に~」
「ああ、おいたわしや……」
流石にこれには天然のシャルロットちゃんも頭を抱え、その場にうずくまってしまった。周りにいる百匹余りの牡鹿とオスローがそのシャルロットを心配そうに眺めていた。
「よし。まあ、良いか。どうにかなるでしょ!」
そう言ってシャルロットは凄い勢いで立ち上がった。
一応、元女神であるシャルロットはそこら辺の知識はちゃんと有るので、どうにかなるのはわかっているので、どうにかすればいいじゃんと気持ちを切り替えた。
「一応、神の力は奪うことは出来ても完全に無くすことは出来ません。きっと、この世界の何処かに私の力の欠片が有る筈です。それを見つけ出して、必ず完全体になってみせます。なんなら、もうどうでもいいです。完全体になんなくてもいいです。最早、普通に老衰で死にたいです。おじいちゃん大好き~ って孫とかに言われながら死にたいです。そうなれば、もうどうでもいいです!」
明らかにシャルロットは混乱している。
混乱の極みを極めている。
そのヤバさにオスローがオドオドしながらも、シャルロットを諭した。
「聖女様、落ち着いて下され! この大陸の四方には貴方様が力を与えた守護霊獣達が今もおります。その者から貴方様の力を返して貰い、力を取り戻すのです。そうすればきっと、貴方の真の力を取り戻すのです糧になりましょう! 希望は有ります、どうか気を確かに!!」
その言葉にシャルロットは何とか冷静さを取り戻し、我を取り戻した。そして、一同だけ深呼吸すると頷いてみせた。
「そ、そうですね。オスローさん、ありがとうございます。貴方のお陰で助かりました。貴方と会えて良かったです」
「その言葉、光栄の極みです」
オスローはシャルロットの言葉を聞いて深く御辞儀をしてみせた。シャルロットはその敬意に答えるかの様にオスローの額に手を当て優しく撫で付けた。