表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/137

第6話 マイルームにて……

「ハア……」


 思わず溜め息が漏れる。


 場所は良くわからん地下室から変わって簡素な小部屋。一人用のベッドに洋服タンスに机。必要最低限の家具が用意された俺のもとい、私のマイルームらしい。


 私のマイルーム……

 そう、つまり。マイ・マイルームである。


 そんなことより、ここはどこなんじゃい?

 これはつまる所、俺は転生しましたって事で良いんでっか?

 誰か教えてはくれんかえ? 

 チュートリアルはまだかえ!?


 取り敢えず、用意された洋服は着たけど……

 これは一体どうなんだい?


 思わず自分の身に纏ったワンピースを摘まみ挙げる。


 純白のワンピース。さぞかし綺麗系の美女が着れば似合うであろう素敵な素敵なワンピース。

 これって結構女性側からしたら着るのハードル高いんじゃないの?


 女子アナとかしか着れないんじゃない?

 別に大丈夫なのかな?


 まだ、顔も見れてないから自分が美人かブスかもわからないんだよね…… 

 

「まあ、どっちでもいいんだけどぉ……」


 その時、部屋のドアを叩く音が部屋に響いた。その音はやけに大きく乱暴な音をしている様に感じられる。


「は、はい、どうぞ!!」


 思わずビクついてしまう。

 だ、大丈夫。多分ノックしてもしもしって奴だろう。多分、怒られたりとかはしない、と思う。まだ悪いことしてないし……



 …… ……

 …… ……

 …… ……



 あれ? もしかして、ノックじゃなかった? 

 取り敢えず、恐る恐るドアに近づいてみる。


「ど、どうぞ~」


 返事はない、ただのドアの様だ!!

 これは一体どう言うことだってばよ!!


 ピンポンダッシュならぬ、ノックしてもしもしダッシュか?


 取り敢えずドアを開いてみる事にする。

 そうしないと何も始まらん。

 て言うか意味がわからん。


 恐る恐る、ドアノブに手を掛けゆっくりとドアを開く。そして、ドアの向こうを恐る恐る覗き込むようにして見る。


 すると、そこには鎧を纏った金髪の青年が立っていた。顔立ちはとても綺麗に整っており、まるで王子様の様なたたずまいをしている。ふと、腰元に目をやると剣を携えている。恐らく、騎士と言う奴なのだろう。

 

 彼がドアを叩いたのだろうか?


 青年の顔を見ると目を丸くしてこちらを見つめている。なんだろうか、さっそく何かやらかしたか? 


「あ、あの~ なんでしょうか?」

「……き、君は本当にアルエなのか?」


 アルエぇ? そ、それが俺の名前なのか? 

 て言うか、名前ぐらい教えといてくれよカーディナル枢機卿さんよ~ 

 まあ、俺も名前を聞かなかったのが悪いんだけど……


「あ、あの。その~ それが私の名前なんですか?」


 うわ~ 我ながら猛烈にヤベー奴じゃん。うひ~ 勘弁してよ~ ここまでわからん殺しされると先行き不安過ぎて泣けてくるよ~

 恐る恐る青年に視線を向けると目を丸くしてこちらを睨み付けている。


 で、ですよね~


「はい、ごめんなさい~!!」


 思わず凄い勢いでドアを閉めてしまう。


 ふぅ、危なかったぜ。


 あと数秒睨み付けられたら、不安か何かで死んでしまう所だった。まさか、異世界転生してこんなにも速く瞳術の使い手と合間見える事になるとはな。


 そんなことを思っているとドアがゆっくりと開き、青年が顔を出してきた。


 思わず、ギョッとしてしまう。


 そんな俺の様子を見て青年は申し訳なさそうに頭を下げてみせてくれた。

 ど、どうやら怖い人では無さそうだ……


「も、申し訳ありません、アルエさん。そ、その…… 余りにも雰囲気が変わっていたのでつい……」


 雰囲気が変わったって。どこがどう変わったんだい。頼むから教えてくれ。でないと、不安で死んでしまいそうだ。俺はこれからどう言う立ち振舞いをしたらいいんだい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ