壮大に風呂敷を広げたのは良いもののこれからどうすればいいのか。これがわからない。ふん、雑魚か。やはり、私は雑魚なのだな。最高だな。最高だ!!
ギュイーーーン、と過去世の記憶が甦って行く。
それでは、この世界の昔話をしよう。
昔々、それは昔。神が人間を作り、人と言う種が産まれ始めたくらいの昔。
人は瞬く間に知識を付け、社会を築き挙げた。そして、ある時を境に人と人は争いを始めた。強き人間が栄え、弱い人間が滅びる時代がやって来た。
しかし、神はそれを見て微笑んだ。
強き人間が栄え、強き人間が増える。強き人間、素晴らしき人間が増えて行く。それは神が最も望んでいたことだった。
自らの力で完全へと向かう存在。
神は人間を作り出した事を誇りに思った。
しかし、その思いもある時を境に砕かれた。人はある時を境に他の生物、物から搾取を生業とする生物へと変貌してしまった。
他の生物を絶滅させ、木々を枯らす、大気を腐らし、星の命を我が物顔で喰らい尽くさんとする。
やがて、人は星の天敵へと変貌してしまった。
神は人間を作り出した事を強く恥じた。
神は人間を根絶する為に魔物を造り出した。瞬く間に人の数は減り、絶滅の危機へと瀕した。
しかし、人間はそれでも諦める事なく魔物に挑み、一進一退の攻防がなされた。その中で人間の魂は再び輝きを取り戻した。
それを見た神々の間でも、人間達に救いを与えても良いのではないかと考える者も現れた。しかし、それでも人間を造り出した神は魔物を生み出す事を止めなかった。
彼の神は完全に人間を根絶させることを心に決めていたのだ。
時が進む事に人は劣勢に陥り、その数は風前の灯火にまで減らしていた。しかし、その状況に手を差し伸べた一人の女神がいた。
名を豊穣の女神、メティアナと言った。
彼女は人間に魔術を教え、魔物へ対抗する術を授けた。
女神メティアナも人間達と共に戦い、なんとか人は再び種としての命を繋ぎ止めた事となった。
しかし、女神メティアナはその戦いの最中に倒れ命を落とした。
そう、その女神メティアナこそが私なのだ。