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ボツ原稿。ボツ原稿って言っても書いてる時は本気だから消すのは消すで惜しみ無いよね。もう最高だよ、そんな感じ。読めたもんじゃないけど、題字だけでも見て鼻で笑ってやってください。  作者: パンツ男爵F
「メス竜に転生しちゃたのは良いけど、ここまで主人公が強いとどうすれば良いのかわからないの……」「スローライフをすれば良いと思うよ……」因みに私はスローライフ物が嫌いです
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これ小説の方を読んでる人いますか?個人的には題字の方が本題なんで題字のさえ読んでくれたらそれでいいんですが。みたいな感じだけど、この思想は間違っていると思いますか?

 玉座の間に冷静さが戻り。話の中心は再びスノウへと戻る。

 戻るのだが、ぶっちゃけもう、お家に帰りたいスノウはどうしたものかと思いながらも、取り敢えず業務連絡的に今の竜達の情勢を伝えようと考えた。


「先程、他の竜が襲って来ると言ってた方がおりましたが、それは恐らく有りませんので安心した下さい。当代の竜王は人間とある程度の友好関係を気づこうと考えてます。そちら側から何か仕掛けてこない限り、人間の領域を犯すことはないでしょう」


 スノウの言葉に家臣達の顔色が変わる。何た言いたげな表情出会ったり。何かを考え込んでいる様な表情。全員が何かしらの疑問めいた物を感じているらしい。

 それを感じはしたがスノウは何を疑問に思っているのかと、心の中で首を傾げた。


「王が人間と友好関係を気づこうとしているのならば。何故、あの黒い竜は我々を襲って来たのだ? 我々が何かしてしまったのか?」


 そう口を開いたのはラル・フローレンの幼い王だった。


 スノウはその疑問に純真さを感じて仕方なかった。竜が悪いのではなく、自分達が何か悪さをしてしまったのかと考えているのか、申し訳無さそうな瞳でこちらを見ている。

 これには中身がオッサンのスノウであったとしても、母性を掻き立てられずにはいられない。他の竜であればペシッ! とやってしまうかもしれないが。前世が人間のスノウにはその純真さはかなり答える。

 

 今、スノウの中で竜の本能である人間への敵意と、前世が人間であるが故の哺乳類の子供も全部可愛いよ~ と言う本能が音を立ててせめぎあっている。


「王よ。この度は貴殿方人間は何の落ち度もありません。あの黒き竜は我々竜の中でも異端の者、それ故に今回の様な暴挙に出たのです。もう、この様な事態は当面起こりません」


 これは大嘘である。どちらかと言うと異端はスノウの方である。


 それに人間が好き勝手に自然や動物を搾取するが為に竜は不満を抱いているのであって。竜の立場からすると人間に落ち度が有るのだ。

 その竜の立場にあるスノウは、それを糾弾しなければならないのだが見事に負けたのである。ラル・フローレンの王の純真さに負けたのだ。


 馬鹿なのだ。


「今回は我々竜の問題に巻き込んでしまい誠に申し訳有りませんでした。介抱の件も合わせ、この恩はいつか御返しします」


 へへー 負けちゃいましたよー と思いながらもそそくさとお家に帰ろうとするスノウであった。無責任の極みである。

 なんなら、この恩はいつか…… とか言ってるが何ら宛もないし、返す気もあんまりなかったりする。これまた、無責任の極みである。


 そんな、感じで玉座の間を後にしようとしたスノウをラル・フローレンの王が引き留めた。


「待ってくれぬか! あの黒き竜が元気になれば再び襲われるやもしれぬ。竜の姫よ! 恩を返すと言うのなら、この国を守ってはくれぬか!」


 思わず、えぇ、めんどくせぇぇ!! と言う様な顔を浮かべてしまう。幸い、その顔を見たのは仰々しい扉だけであったのでスノウは間一髪助かった。

 

「それに関しては心配御無用です。我々は同種に付けられた傷は簡単には治らないのです。かの黒き竜は私の力により深い傷を負いました。恐らく半世紀は元には戻らないでしょう」


 竜の天敵とはこの世界にただ一種。同種である竜のみである。故に、この竜殺しの力が備わったとされている。


 とんだ厄介だと、スノウは心の中で悪態をつく。


 飯喰ってる時に噛んだりしたら中々治らない。なんならデッカイ口内炎が出来る。はい、お仕舞い。

 鼻くそほじってて血が出ても中々に止まらない。終わってる。はい、お仕舞い。


 と、ビックリするほど下らない事をスノウは考えていた。


 お前の頭の方がお仕舞いなんじゃ無いかと謂いたいが、悔しいことにお仕舞いではないのである。

 

 話は戻るが、これよりカドラクは半世紀は動きを制限される。それ程の痛手を負っていた。スノウも角と翼をやられたが大きく行動が制限される程の痛手ではなかった。

 こう見ると、先の戦いはスノウの勝利と言っても良いのかもしれない。


 しかし、そう言われた所で引き下がるラル・フローレンの王ではない。スノウの手を掴むと、哀願する様な表情を向け、その口を開いた。


「頼む、竜の姫よ!」


 その竜の姫ってなに? とスノウは眉を歪める。

 しかし、そんなスノウの様子も他所にラル・フローレンの王は勢いよく捲し立てる。


「お主程の力の有る竜がこの国に居てくれれば! それだけで、他の国への牽制になる! 居るだけで良いのだ! 望む生活も用意しよう! そして、恩を返すと言うのなら。是非ともその様に恩を返してくれないか!」


 その瞬間、スノウの脳内に“三食毎晩昼寝つき”と言う言葉が過った。その完備な響きに思わずよだれを垂らしそうになったが、スノウはそこをグッとこらえた。

 そして、ラル・フローレンの王の小さな手を優しくほどき諭す様にその口を開いた。


「それだけはなりません。私がこの国に留まれば。確かにこの国に守りは堅固な物になるでしょう。ですが、そうなれば他国も対抗する為に竜を国内に留まらせようと考えるはずです。そして、竜の中にもそうやって権力を手に入れようと考える者もいます。そして、そう言った者が増えて行けば。やがて、竜の世界と人間の世界の均衡が崩れ、大きな争いを招く事になります。むしろ、それが目的となっている竜もいるでしょう。そう言った者達に付け入る隙を与えない為にも、その申し出は受け入れられません」


 スノウはめっちゃ早口で諭した。


 スノウ自身も半分何を言ってるかわかんなかったが、こんなもんで良いだろう! と後半は半分意識が飛んで何も考えていない状態で口を開いていた。


 取り敢えず、辺りの反応は悪くない。


 家臣達は成る程と深く頷き。執事も何やら深い皺を更に深くして思案に耽っている様な表情を浮かべている。


 当のラル・フローレンの王様はと言うと……


「そ、そんな事まで考えておったのか。恐れ入った。それなのにすまない。お主の思慮深い思いやりを無下にする所だった。今の申し出は忘れてくれ」


 と、とても晴れやかな顔をしておられました。そして、その迷い無い瞳を見て、スノウは、あぁ“三食毎晩昼寝つき”の芽が、無くなってもうた~ と思ったのだった。

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